外貨投資のスプレッドと為替コストを整理するイメージ

外貨投資で見落としやすいコストが「スプレッド」です。スプレッドとは、買うときのレートと売るときのレートの差のことです。FX、外貨預金、外貨MMF、外国株・外国債券の購入時など、外貨を扱う場面では必ず意識したいコストです。

表示上は手数料無料に見えても、為替レートの中にスプレッドが含まれていることがあります。この記事では、外貨投資のスプレッドの意味、計算方法、注意点を整理します。

先に結論

  • スプレッドは、外貨を買うレートと売るレートの差で、実質的な取引コストになる。
  • 外貨預金ではTTS・TTB、FXではBid・Askとして表示されることが多い。
  • 広告上のスプレッドは原則固定とは限らず、相場急変時や流動性低下時に広がることがある。
  • 外貨投資は金利や利回りだけでなく、往復の為替コストまで見て判断する。

スプレッドとは買値と売値の差

為替レートには、外貨を買うときのレートと、外貨を売るときのレートがあります。この差がスプレッドです。

たとえば、米ドルを買うレートが1ドル150.10円、売るレートが1ドル150.00円なら、差の0.10円がスプレッドです。買った直後に同じ為替水準で売ると、この差の分だけ損をすることになります。

表示 意味 よく使われる商品
Ask 投資家が外貨を買うレート FX
Bid 投資家が外貨を売るレート FX
TTS 銀行が外貨を売るレート 外貨預金、外貨両替
TTB 銀行が外貨を買うレート 外貨預金、外貨両替

スプレッドは往復で考える

外貨投資では、円から外貨に替えるときだけでなく、外貨から円に戻すときにもコストがかかります。そのため、片道のスプレッドだけでなく、往復でどれだけ差が出るかを見る必要があります。

1ドル150円のときに、片道25銭の為替コストがあるなら、往復では50銭です。為替レートに対して約0.33%のコストになります。金利や分配金が高く見えても、このコストを回収できるかを確認しないと、円換算では不利になることがあります。

FXのスプレッドは狭いが、変動することがある

FXは外貨預金と比べてスプレッドが狭いことが多く、為替取引のコスト面では有利に見えます。しかし、FXにはレバレッジ、ロスカット、スリッページ、相場急変時のスプレッド拡大といったリスクがあります。

金融庁も、外国為替証拠金取引について、相場が急変して流動性が低下した場合、スプレッドが広がって意図した取引ができなくなるおそれがあると注意喚起しています。広告上の狭いスプレッドだけで判断しないようにしましょう。

FXの基本用語はFX用語まとめ、FX全体の仕組みはFXとはで整理しています。

外貨預金のスプレッドは金利とセットで見る

外貨預金では、銀行が提示するTTSとTTBの差が実質的な為替コストになります。キャンペーン金利が高くても、為替手数料が大きければ、利息よりもコストや為替変動の影響が大きくなることがあります。

外貨預金は預金という名前がついていますが、円換算では元本割れする可能性があります。また、外貨預金は預金保険の対象外です。詳しくは外貨預金の注意点で整理しています。

外貨MMF・外国株・外国債券でも為替コストを見る

外貨MMF、米国株、米国ETF、外国債券を買うときも、円から外貨へ替える場面で為替コストが発生します。証券会社によって為替手数料、為替スプレッド、外貨決済の方法が異なるため、商品そのものの手数料だけでなく、外貨調達コストも確認しましょう。

外貨MMFの税金や注意点は外貨MMFの税金と注意点、外国株の税金は外国株式の税金と投資の注意点を参考にしてください。

スプレッドを比較するときのチェックリスト

  • 片道だけでなく往復コストを確認する
  • スプレッドが固定か、変動するかを確認する
  • 相場急変時や早朝・年末年始の取引条件を確認する
  • 為替手数料以外の取引手数料も含めて比較する
  • 金利や利回りで為替コストを回収できるかを見る
  • 円に戻す予定があるか、外貨のまま使う予定があるかを考える

スプレッドが狭ければ必ず有利ではありません

スプレッドが狭くても、レバレッジをかけすぎる、流動性の低い通貨を取引する、短期売買を繰り返すとリスクは大きくなります。外貨投資では「コストの低さ」と「商品の安全性」を分けて考えましょう。

まとめ

スプレッドは、外貨投資で必ず確認したい実質コストです。外貨預金、FX、外貨MMF、外国株、外国債券のどれを使う場合でも、買うときと売るときのレート差が円換算の損益に影響します。

金利や利回りだけで判断せず、往復の為替コスト、相場急変時のスプレッド拡大、商品ごとのリスクを合わせて確認しましょう。

参考:金融庁:いわゆる外国為替証拠金取引について

ABOUT ME
高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。