新NISAとは?つみたて投資枠・成長投資枠の違いと活用方法【2026年版】
NISAは、投資で得た利益に税金がかからない個人向けの非課税制度です。通常、株式や投資信託の売却益、配当金・分配金には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で条件を満たして運用した利益は非課税になります。
2024年からNISAは大きく変わり、非課税保有期間は無期限、制度は恒久化、年間投資枠は最大360万円になりました。旧制度の「一般NISA」「つみたてNISA」は終了し、現在は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用する仕組みです。
この記事では、2026年時点のNISAの基本、つみたて投資枠と成長投資枠の違い、旧NISAからの変更点、iDeCoとの使い分け、注意点を整理します。
先に結論
- 新NISAは年間360万円まで投資可能です。
- 生涯の非課税保有限度額は1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までです。
- つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。
- 売却した分の非課税枠は、翌年以降に再利用できます。
- 旧NISA資産は新NISAとは別枠で管理され、新NISAへロールオーバーはできません。
NISAとは何か
NISAは「少額投資非課税制度」の愛称です。NISA口座で株式や投資信託などを購入し、値上がり益や配当金・分配金が出た場合、通常なら課税される利益が非課税になります。
たとえば、特定口座で投資信託を100万円で買い、120万円で売却すると、20万円の利益に対して原則20.315%の税金がかかります。NISA口座で同じ利益が出た場合、この利益部分への税金はかかりません。
長期で資産形成をする人にとって、運用益が非課税になる効果は大きいです。利益に課税されず、その分も再投資に回しやすくなるため、長期になるほど差が出やすくなります。
2024年以降の新NISAの制度概要
2024年以降のNISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分かれています。どちらか一方しか使えないのではなく、同じ年に併用できます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 年間合計 | 360万円 | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | |
| 成長投資枠の上限 | 1,800万円のうち1,200万円まで | |
| 対象年齢 | 18歳以上 | |
| 主な対象商品 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式、ETF、REIT、投資信託など。ただし対象外商品あり |
つみたて投資枠は、旧つみたてNISAに近い枠です。金融庁の基準を満たした長期・積立・分散投資向けの投資信託が対象になります。
成長投資枠は、旧一般NISAに近い枠です。個別株、ETF、REIT、投資信託などを幅広く買えます。ただし、整理・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託などは対象外です。
旧NISAと新NISAの大きな違い
旧NISAと新NISAの違いで重要なのは、非課税期間、投資枠、枠の再利用、2つの枠の併用です。
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 制度の期間 | 期限あり | 恒久化 |
| 非課税保有期間 | 一般NISA5年、つみたてNISA20年 | 無期限 |
| 年間投資枠 | 一般NISA120万円、つみたてNISA40万円 | 最大360万円 |
| 併用 | 一般NISAとつみたてNISAは選択制 | つみたて投資枠と成長投資枠を併用可能 |
| 売却後の枠再利用 | 不可 | 翌年以降に再利用可能 |
旧NISAでは、非課税期間が終わる時にロールオーバーや課税口座への移管を考える必要がありました。新NISAでは非課税保有期間が無期限なので、長期保有しやすくなっています。
旧NISAで買った商品はどうなるか
2023年までに一般NISAやつみたてNISAで買った商品は、新NISAとは別枠で管理されます。新NISAの年間投資枠や生涯投資枠を圧迫するわけではありません。
ただし、旧NISAの商品を新NISAへそのまま移すこと、つまりロールオーバーすることはできません。旧NISAの非課税期間が終わった後は、課税口座へ払い出されるか、売却する形になります。
旧NISAやジュニアNISAの残高管理、ロールオーバー不可の扱いは、旧NISA・ジュニアNISAはどうなった?で詳しく整理しています。
NISAで非課税になるもの・ならないもの
NISAで非課税になる主な利益は、上場株式や投資信託の売却益、投資信託の分配金、上場株式の配当金です。
ただし、国内上場株式の配当金をNISAで非課税にするには、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」にして、証券口座で受け取る必要があります。銀行口座受取や配当金領収証方式を選ぶと、NISA口座で買った株式の配当金でも課税されます。
配当金の受取方法については、株の配当金の受け取り方法でも解説しています。
NISAの注意点
- NISA口座で損失が出ても、特定口座や一般口座の利益と損益通算できません。
- 損失の繰越控除もできません。
- 外国株や海外ETFの外国税は、NISAでも現地課税される場合があります。
- 国内株の配当金は、受取方式を間違えると非課税になりません。
NISAでは何を買うべきか
NISAは非課税メリットが大きい制度ですが、何を買ってもよいわけではありません。非課税だからといって、高コストの商品や短期売買向けの商品を選ぶと、制度のメリットを生かしにくくなります。
資産形成の中心にしやすいのは、低コストのインデックス型投資信託です。特に、全世界株式や米国株式などへ広く分散投資する投資信託は、つみたて投資枠との相性が良いです。
成長投資枠では、同じ低コスト投信を追加で買うこともできますし、国内株、米国株、ETF、REITなどを組み合わせることもできます。ただし、初心者の場合は、成長投資枠でも無理に個別株へ広げる必要はありません。
つみたて投資枠を優先しやすい人
- 投資初心者
- 毎月の積立で長期運用したい人
- 商品選びをシンプルにしたい人
- 低コスト投信で分散投資したい人
成長投資枠も使いやすい人
- 年間120万円を超えて投資したい人
- 個別株やETFも買いたい人
- 高配当株や株主優待銘柄をNISAで保有したい人
- すでに特定口座で投資経験がある人
投資信託をNISAで買う場合は、ポイント制度やクレカ積立の還元も含めて証券会社を選ぶと効率的です。詳しくは、投資信託の保有ポイント・クレカ積立ポイント比較も参考になります。
NISAとiDeCoの違い
NISAとよく比較される制度に、iDeCo(個人型確定拠出年金)があります。どちらも資産形成に使える制度ですが、目的と使い勝手が違います。
| 項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 主な目的 | 資産形成全般 | 老後資金づくり |
| 税制メリット | 運用益が非課税 | 掛金所得控除、運用益非課税、受取時の税制優遇 |
| 資金の引き出し | いつでも売却・出金可能 | 原則60歳まで引き出せない |
| 向いている人 | 柔軟に資産形成したい人 | 老後資金として長期固定できる人 |
柔軟性を重視するならNISAが使いやすいです。所得控除のメリットを重視し、60歳まで引き出せなくてもよい資金ならiDeCoも候補になります。
迷う場合は、まずNISAで生活防衛資金とは別の余裕資金を積み立て、老後資金として固定できる金額が見えてからiDeCoを検討する流れが現実的です。
NISAのよくある誤解
NISAなら元本割れしない?
NISAは税制優遇制度であり、元本保証の商品ではありません。株式や投資信託を買えば、値下がりすることもあります。
非課税枠は毎年必ず使い切るべき?
無理に使い切る必要はありません。NISAは大きな制度ですが、生活資金や緊急資金まで投資に回すのは避けるべきです。
売却したら枠はすぐ戻る?
売却した分の非課税保有限度額は、翌年以降に再利用できます。同じ年にすぐ復活するわけではありません。
旧NISAから新NISAへ自動で移せる?
旧NISAの商品を新NISAへロールオーバーすることはできません。旧NISAは旧制度の非課税期間で別枠管理されます。
まとめ
2024年以降のNISAは、従来よりもかなり使いやすい制度になりました。非課税保有期間が無期限になり、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、年間360万円まで投資できます。
ただし、NISAは投資の利益を非課税にする制度であり、損をしない制度ではありません。まずは低コストで分散された投資信託を中心に、無理のない金額で長く続けることが重要です。
NISAは、長期で保有できる商品を置く場所として使う。 短期売買や高コスト商品の置き場ではなく、資産形成の土台として活用するのが基本です。
