株の配当金の受け取り方法を比較するイメージ

株式の配当金は、証券口座で受け取る方法、銀行口座で受け取る方法、銘柄ごとに銀行口座を指定する方法、配当金領収証で受け取る方法があります。

以前は「配当金の受け取り方法は3つ」と説明されることも多かったのですが、現在は日本証券業協会などの案内では、上場株式の配当金の受取方法は主に4種類として整理されています。

特に重要なのは、NISA口座で保有する国内上場株式・ETF・REITの配当金や分配金です。NISAで非課税にしたい場合は、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。銀行口座受取や配当金領収証方式を選ぶと、NISA口座で買った株式であっても配当金には20.315%の税金がかかります。

この記事では、株の配当金の受け取り方法4種類の違い、メリット・デメリット、NISA利用者が確認すべき注意点を2026年版として整理します。

この記事の結論

  • NISA口座の国内株配当を非課税で受け取りたいなら、株式数比例配分方式を選ぶ。
  • 楽天銀行などの銀行キャンペーンを使いたい場合は、登録配当金受領口座方式が必要になることがある。
  • 配当金領収証方式は紛失・期限切れ・窓口手続きの手間があるため、基本的にはおすすめしにくい。
  • 株式数比例配分方式と登録配当金受領口座方式は、原則として1社で変更すると他社保有分にも影響する。

株の配当金の受け取り方法は主に4種類

上場株式の配当金の受け取り方法は、主に次の4種類です。

受取方法 受取先 向いている人
株式数比例配分方式 株を預けている証券会社の口座 NISAで国内株配当を非課税にしたい人、配当を再投資したい人
登録配当金受領口座方式 あらかじめ登録した1つの銀行口座 配当金を銀行口座に集約したい人
個別銘柄指定方式 銘柄ごとに指定した銀行口座 銘柄ごとに受取口座を分けたい人
配当金領収証方式 郵送される領収証を金融機関窓口へ持参 口座受取を設定していない人。現在は積極的に選ぶ理由は少ない

このうち、個人投資家が実務上よく選ぶのは「株式数比例配分方式」か「登録配当金受領口座方式」です。NISA利用者なら株式数比例配分方式、銀行口座に配当金を集めたい人は登録配当金受領口座方式、という整理で考えると分かりやすいです。

株式数比例配分方式。NISA利用者は基本これ

株式数比例配分方式は、保有している株式数に応じて、配当金を各証券会社の口座で受け取る方法です。

たとえば、A証券で同じ銘柄を200株、B証券で300株持っている場合、配当金は保有株数に応じてA証券とB証券に分かれて入金されます。

メリット

  • NISA口座で保有する国内上場株式・ETF・REITの配当金や分配金を非課税にできる。
  • 配当金が証券口座に入るため、再投資しやすい。
  • 特定口座(源泉徴収あり)の場合、上場株式等の譲渡損と配当の損益通算が証券会社内で処理されやすい。
  • 配当金領収証の紛失や受取忘れが起きにくい。

デメリット

  • 配当金を生活費や別口座の資金として使いたい場合、証券口座から出金する手間がある。
  • 銀行の配当金受取キャンペーンを利用したい場合は対象外になることがある。
NISAの配当金は受取方式が重要

NISA口座で国内上場株式等の配当金・分配金を非課税で受け取るには、配当金受取方法を株式数比例配分方式にする必要があります。登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式、配当金領収証方式では、NISA口座で買った株式であっても配当金は課税対象になります。

NISA口座で高配当株やETFを買う人は、最初にこの設定を確認してください。設定ミスで課税された配当金は、あとからNISAの非課税扱いに戻せない点にも注意が必要です。

登録配当金受領口座方式。銀行口座に配当金を集約する方法

登録配当金受領口座方式は、保有する上場株式の配当金を、あらかじめ登録した1つの銀行口座で受け取る方法です。

複数の証券会社で株式を保有していても、登録した銀行口座に配当金がまとめて入金されます。配当金を生活費や別用途の資金として使いたい場合には管理しやすい方法です。

メリット

  • 複数の証券会社で保有している株式の配当金を1つの銀行口座に集約できる。
  • 銀行口座の入出金履歴で配当金を確認しやすい。
  • 楽天銀行の株式配当金受取プログラムのように、銀行側のキャンペーンと相性がよい場合がある。

デメリット

  • NISA口座の国内株配当は非課税にならない。
  • 証券口座で再投資するには、銀行から証券口座へ資金移動が必要になる。
  • 株式数比例配分方式と併用できないため、NISA利用者は慎重に判断する必要がある。

楽天銀行の配当金受取キャンペーンを使う場合は、この登録配当金受領口座方式が前提になります。詳しくは、楽天銀行の株式配当金受取プログラムの活用術と注意点で整理しています。

個別銘柄指定方式。銘柄ごとに銀行口座を指定する方法

個別銘柄指定方式は、銘柄ごとに配当金の受取銀行口座を指定する方法です。

現在の個人投資家が積極的に使うケースは多くありませんが、銘柄ごとに受取口座を分けたい事情がある場合に使われます。

ただし、証券会社によって手続きや扱いが異なり、オンラインで完結しにくいこともあります。特別な理由がなければ、株式数比例配分方式か登録配当金受領口座方式を選ぶほうが管理しやすいでしょう。

配当金領収証方式。紛失・期限切れに注意

配当金領収証方式は、会社から郵送される配当金領収証を、ゆうちょ銀行や銀行などの窓口に持参して現金を受け取る方法です。

昔からある受取方法ですが、現在は積極的に選ぶメリットは小さいです。窓口へ行く手間があり、領収証を紛失したり、支払期限を過ぎてしまったりするリスクがあります。

メリット

  • 銀行口座や証券口座での受取設定をしていなくても受け取れる。
  • 現金で受け取りたい人には分かりやすい。

デメリット

  • 窓口へ行く必要がある。
  • 紛失、期限切れ、受取忘れのリスクがある。
  • NISA口座の国内株配当は非課税にならない。

配当金領収証をなくした場合や期限切れになった場合は、発行会社の株主名簿管理人である信託銀行などに確認することになります。詳しい手続きは、配当金領収証を紛失・期限切れした場合の手続きを確認してください。

どの受取方法を選ぶべき?目的別の選び方

配当金の受取方法は、何を優先するかで変わります。

目的 おすすめの受取方法 理由
NISA口座で国内株配当を非課税にしたい 株式数比例配分方式 NISAの非課税適用に必要
配当金を再投資したい 株式数比例配分方式 証券口座に入金されるため再投資しやすい
配当金を銀行口座に集約したい 登録配当金受領口座方式 複数証券会社の配当金を1つの銀行口座で受け取れる
楽天銀行の配当金受取プログラムを使いたい 登録配当金受領口座方式 楽天銀行口座で配当金を受け取る必要がある
手間や紛失リスクを避けたい 株式数比例配分方式または登録配当金受領口座方式 自動入金されるため受取忘れが起きにくい

基本は、NISAを使うなら株式数比例配分方式です。NISAを使わず、特定口座で保有している国内株の配当金を銀行口座に集めたいなら、登録配当金受領口座方式も選択肢になります。

配当金の受取方法は1社だけ変えれば全体に反映されることがある

注意したいのは、配当金の受取方法は証券会社ごとに個別管理されるものではない点です。

複数の証券会社で株式を保有している場合でも、1社で株式数比例配分方式や登録配当金受領口座方式を申し込むと、他社で保有している銘柄も含めて同じ方式が適用されることがあります。

たとえば、A証券でNISA口座を使っていて、B証券で登録配当金受領口座方式へ変更した場合、A証券のNISA口座で保有している国内株配当の非課税扱いに影響する可能性があります。

変更前に確認すること

  • NISA口座で国内上場株式・ETF・REITを保有しているか
  • 複数の証券会社で株式を保有しているか
  • 銀行口座受取にする理由が、NISA非課税メリットを上回るか
  • 変更反映日が、配当の権利確定日や支払日に間に合うか

配当金の受取方法を変更する場合は、利用している証券会社の口座設定画面で手続きできます。反映タイミングは証券会社や銘柄の基準日によって異なるため、配当の権利確定日直前ではなく、余裕をもって確認しておきましょう。

配当金はいつ受け取れる?

配当金は、権利確定日に株主として登録されていればすぐに入金されるわけではありません。

日本企業の期末配当は、株主総会で配当が決議されたあとに支払われることが多く、目安としては権利確定日から2〜3か月後に入金・発送されるケースが一般的です。中間配当や四半期配当を実施する会社では、スケジュールが異なることもあります。

配当や株主優待を受け取るためにいつまでに株を買えばよいかは、株の配当金・優待はいつまでに買えばもらえる?で詳しく解説しています。

まとめ。NISAなら株式数比例配分方式、銀行集約なら登録配当金受領口座方式

株の配当金の受け取り方法は、現在は主に4種類あります。

NISA口座で国内上場株式・ETF・REITを保有している人は、配当金を非課税で受け取るために株式数比例配分方式を選ぶのが基本です。

一方、NISAを使っていない特定口座の配当金を銀行口座に集約したい場合や、楽天銀行の配当金受取プログラムのような銀行側の特典を狙う場合は、登録配当金受領口座方式も選択肢になります。

配当金領収証方式は、受取忘れや紛失のリスクがあるため、現在はできるだけ証券口座または銀行口座での自動受取にしておくほうが管理しやすいです。

参考リンク

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。