予定納税の期限と対応方法を表すイメージ

予定納税とは、前年の所得や税額などを基に、今年分の所得税・復興特別所得税の一部を先に納める制度です。2026年分は、第1期が7月31日、第2期が11月30日に納期限を迎えます。

通知が届いたら、まず3点を確認

  1. 第1期・第2期の金額
  2. 振替納税の登録有無と口座残高
  3. 今年の所得が前年より大きく減る見込みがあるか

所得見込みが下がるなら減額申請、一時に払うことだけが難しいなら税務署へ猶予相談を検討します。

予定納税は新しい税金ではありません。翌年の確定申告で、年間の税額から第1期・第2期の予定納税額を差し引いて精算します。この記事では2026年7月22日時点の国税庁資料を基に、対象条件、計算、期限、減額と納付困難時の対応を説明します。

予定納税とは?年間税額の一部を先に納める制度

その年の5月15日時点で確定している前年分の所得金額・税額などを基に「予定納税基準額」を計算し、その金額が15万円以上になる人が対象です。税務署は原則として6月15日までに、書面またはe-Taxで予定納税額を通知します。

時期納める金額の原則2026年の納期限・振替日
第1期予定納税基準額の3分の12026年7月31日(金)
第2期予定納税基準額の3分の12026年11月30日(月)
確定申告年間税額から予定納税額を差し引いて精算2027年3月15日(月)

特別農業所得者は、第2期に基準額の2分の1を納める別の扱いです。以下は、特別農業所得者以外の一般的なケースを中心に説明します。

通知が来る条件は「前年の税額15万円以上」だけではない

原則として、前年分の申告納税額が予定納税基準額になります。ただし、前年に次のような所得・控除がある場合は、単純に前年の申告納税額を使わず調整計算します。

  • 山林所得、退職所得などの分離課税所得
  • 一定の譲渡所得、一時所得、雑所得
  • 外国税額控除
  • 災害減免法の適用

「前年に15万円納税した=必ず予定納税」ではありません

判定基準は、国税庁のルールで調整した後の予定納税基準額です。通知書が届いた人は、自己判断で前年の納税額だけから金額を作り直さず、通知書に記載された基準額と各期の金額を確認してください。

予定納税額の計算方法

一般的なケースでは、予定納税基準額の3分の1ずつを第1期と第2期に納めます。残りは翌年の確定申告で、その年の実際の所得と控除を基に計算した税額と精算します。

例:予定納税基準額が30万円の場合

第1期:30万円 × 1/3 = 10万円
第2期:30万円 × 1/3 = 10万円
確定申告:実際の年間税額 − 予定納税額20万円を精算

たとえば2026年分の年間税額が最終的に26万円なら、予定納税20万円を差し引いた6万円が確定申告時の納付額の基本になります。反対に、年間税額が予定納税額を下回れば、確定申告で過不足を精算します。実際の計算では源泉徴収税額や各種控除なども関係します。

2026年の予定納税で特に注意すること

基礎控除の見直しは予定納税額に反映されない

国税庁は、2026年度税制改正による基礎控除の見直しを、予定納税額の計算では考慮しないと案内しています。改正後の基礎控除は確定申告で反映し、最終的な年間所得税額で精算します。

予定納税額が「改正後の基礎控除を入れた自分の試算」より多く見えても、それだけで通知金額が誤りとは限りません。減額申請の申告納税見積額でも、今回の基礎控除見直しは考慮しない扱いです。

一部の通知書に控除項目の印字誤りがある

2026年6月に郵送された一部の通知書で、「配当控除」または「住宅耐震改修特別控除」に該当するにもかかわらず、該当項目が「*」で抹消される誤りがありました。国税庁は、金額など他の表示内容に誤りはないとしています。

控除項目を確かめたい場合は、2025年分の確定申告書を確認するか、通知書の封筒に記載された連絡先へ問い合わせましょう。

予定納税の支払い方法

国税は、振替納税、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード、スマホアプリ、コンビニ、金融機関・税務署窓口など複数の方法で納付できます。利用条件や手数料、上限は方法によって異なります。

納期限前の確認手順
  1. 通知書で第1期・第2期の金額を確認する
  2. 振替納税を登録済みか確認する
  3. 登録済みなら、振替日前に口座残高を確認する
  4. 未登録なら、自分が使える納付方法と必要な手続を確認する
  5. 納付後の控えや完了画面を保存する

振替納税で残高不足になると引き落とされず、納期限の翌日から延滞税の対象になります。2026年第1期は、8月1日から9月30日までの延滞税割合が年2.8%、10月1日から12月31日までが年9.1%です。日割り計算ですが、気づいた時点で早く納付・相談することが重要です。

今年の収入が減ったら減額申請を検討

前年より所得が明らかに減り、今年分の見積税額が予定納税基準額を下回る見込みなら、予定納税額の減額を申請できます。主な対象例は次のとおりです。

  • 廃業、休業、失業をした
  • 業況不振で所得が前年より明らかに減る
  • 災害、盗難、横領で資産に損害を受けた
  • 医療費控除、扶養控除、社会保険料控除、住宅ローン控除などが増える
減額する対象2026年の提出期間現在の扱い
第1期・第2期7月1日〜7月15日2026年分は期限経過
第2期のみ11月1日〜11月16日10月31日時点の見込みで申請可能

2026年11月15日は日曜日のため、第2期のみの減額申請期限は翌11月16日です。申請はe-Taxまたは書面で行い、見積所得・税額の根拠となる帳簿や資料を添付します。提出すれば自動的に減額されるわけではなく、税務署の承認が必要です。

予定納税を払えないときの対応

「今年の税額自体が減る見込み」と「税額は変わらないが、今だけ資金が足りない」は分けて考えます。

状況検討する手続
所得減少・控除増加で今年の見積税額が下がる予定納税額の減額申請
税額見込みは変わらないが、一時に納めると生活・事業継続が困難所轄税務署の徴収担当へ猶予を相談
納期限を過ぎた、振替口座が残高不足だった放置せず、早急に納付または税務署へ相談

自己判断の分割払いは避ける

猶予制度は、申請すれば必ず認められるものではありません。認められると原則1年以内の猶予、状況に応じた分割納付、延滞税の軽減などがあり得ます。納期限前でも、払えないと分かった時点で所轄税務署の徴収担当へ相談してください。

確定申告で予定納税額を忘れず差し引く

確定申告書では、第1期・第2期の予定納税額を記入し、年間税額から差し引きます。国税庁の申告書作成コーナーや会計ソフトを使う場合も、通知書を手元に用意して入力内容を確認しましょう。

実際に納付していない金額がある場合でも、申告書上の予定納税額の扱いは自己判断せず、通知書・納付状況を確認し、必要に応じて税務署や税理士へ相談してください。

よくある質問

会社員にも予定納税の通知が来ますか?

給与からの源泉徴収だけで税額が精算される一般的な会社員には通常生じにくい制度です。ただし、副業、不動産、事業などの所得があり、調整後の予定納税基準額が15万円以上なら対象になることがあります。

予定納税は二重払いではありませんか?

二重払いではありません。翌年の確定申告で、年間の所得税・復興特別所得税から予定納税額を差し引いて精算します。

第1期の減額申請期限を過ぎたらどうなりますか?

通常の第1期・第2期分の減額申請期間は7月15日までです。第2期のみなら、2026年は11月16日まで申請できます。災害など特別な事情では別の取扱いがあり得るため、所轄税務署へ確認してください。

まとめ

予定納税は、予定納税基準額が15万円以上の人が、原則として3分の1ずつを7月と11月に先払いし、確定申告で精算する制度です。2026年第1期の納期限・振替日は7月31日、第2期は11月30日です。

所得見込みが下がるなら減額申請、税額は変わらないものの一時に払えないなら猶予相談という違いを押さえましょう。通知書の金額、振替口座の残高、今年の所得見込みを早めに確認することが、延滞税や手続漏れを避ける第一歩です。

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