リスク資産の比率と資産配分を整理するイメージ

「株式や投資信託などのリスク資産は、資産の何割くらい持てばよいのか」は、資産運用を始めるときによくある悩みです。昔から「100から年齢を引いた割合を株式にする」という目安がありますが、実際には年齢だけで決めると危険です。

リスク資産の比率は、年齢、収入、家族構成、住宅ローン、使う時期、値下がりへの耐性によって変わります。この記事では、初心者でも判断しやすいように、生活防衛資金と目的別資金から考える資産配分を整理します。

リスク資産とは何か

リスク資産とは、価格が変動し、元本割れの可能性がある資産のことです。株式、投資信託、ETF、REIT、外貨建て資産、金、暗号資産などが代表例です。一方、普通預金、定期預金、個人向け国債のように元本の安定性を重視する資産は、守りの資産として使われます。

金融庁は資産形成の基本として、資産状況やライフプランに適した形で貯蓄と投資を使い分けること、国内外・株式・債券・不動産などに分散することで価格変動をある程度抑えられることを説明しています。

年齢だけで決めない方がよい理由

「100マイナス年齢」という目安は分かりやすいですが、同じ40歳でも家計状況は大きく違います。共働きで住宅ローンが少ない人と、教育費が重く収入が不安定な人では、取れるリスクが違います。

  • 近く使うお金が多い人はリスク資産を少なめにする
  • 収入が安定している人は下落時も積立を続けやすい
  • 住宅ローンや教育費が重い人は現金比率を厚くする
  • 退職後は取り崩しに備えて守りの資産を増やす
  • 投資経験が少ない人は比率を低く始める

年齢は参考になりますが、最終的には「下落しても生活に支障がない金額か」で判断する方が現実的です。

まず生活防衛資金を別にする

リスク資産の割合を考える前に、生活防衛資金を別にします。会社員なら生活費の6カ月から1年分、自営業や収入変動が大きい人なら1年から2年分を目安に、普通預金など引き出しやすい形で置いておくと安心です。

このお金は投資成績を良くするための資金ではなく、相場下落時に投資信託を売らずに済むための安全網です。詳しくは投資に回せるお金の分け方資産の三分法も確認してください。

使う時期で3つに分ける

使う時期 向いている資産 考え方
1年以内 普通預金、決済用預金 値動きより引き出しやすさを優先
1年から5年 定期預金、個人向け国債 元本安定性と金利を重視
5年以上 投資信託、ETF、株式 長期・分散でリスクを取る

5年以上使わないお金でも、すべてを株式にする必要はありません。値下がり時に眠れない比率なら、リスクを取りすぎています。

年代別の考え方

20代から30代は運用期間が長く、収入で追加投資しやすいため、リスク資産を多めにしやすい年代です。ただし、結婚、住宅購入、出産など大きな支出が近い場合は、現金比率を厚くします。

40代から50代は教育費や住宅ローン、老後資金の準備が重なる時期です。リスク資産を増やす場合も、生活防衛資金と近い支出を確保してからにしましょう。50代後半以降は、退職金や年金開始までの空白期間を考え、取り崩しに備えた資産配分が重要になります。

退職金を含めた考え方は退職金運用の注意点、新NISAの使い方は新NISAとはも参考になります。

リスク資産比率の目安

タイプ リスク資産の目安 向いている人
慎重型 20%から40% 投資経験が少ない、近い支出が多い
標準型 40%から60% 生活防衛資金があり、長期積立を続けられる
積極型 60%から80% 運用期間が長く、下落時も追加投資できる

これはあくまで目安です。暗号資産や個別株に集中している場合は、同じリスク資産比率でも値動きは大きくなります。低コストの全世界株式インデックスファンド中心の人と、個別株やレバレッジ商品中心の人では、リスクの中身が違います。

比率より大切なのは継続できること

リスク資産は、相場が良いときには増やしたくなり、下がると減らしたくなります。しかし、長期資産形成では、下落時にも積立を続けられる設計の方が重要です。J-FLECも教材の中で、金融商品のリスクとリターン、長期・積立・分散投資の効果を学ぶ重要性を示しています。

相場下落時に狼狽売りしやすい人は、リスク資産を少なめにして、積立額を続けられる範囲にする方が結果的に良い場合があります。下落時の行動は相場下落・暴落時の心得も参考になります。

見直しは年1回でよい

リスク資産の比率は、毎日見直す必要はありません。年1回、または大きなライフイベントがあったときに確認すれば十分です。株式が大きく上がって比率が増えすぎたら一部を守りの資産へ戻し、下がって比率が小さくなったら積立で調整します。

この考え方はポートフォリオのリバランスで詳しく解説しています。

まとめ

リスク資産は何割が正解、という答えはありません。年齢だけでなく、生活防衛資金、使う時期、収入の安定性、家族構成、投資経験で決める必要があります。迷う場合は少なめに始め、続けられることを優先しましょう。

参考にした公式情報

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。