防衛特別所得税と復興特別所得税のバランスを表すイメージ

2027年1月から「防衛特別所得税」が始まります。ただし、所得税額に単純に1%が追加され、すぐ手取りが1%減る制度ではありません。同時に復興特別所得税が2.1%から1.1%へ下がるため、所得税に対する上乗せ率の合計は当面2.1%のままです。

最初に結論

  • 防衛特別所得税は基準となる所得税額の1.0%
  • 復興特別所得税は2.1%から1.1%へ下がる
  • 2027年以降も両税の合計は所得税額の2.1%
  • 現在の所得・控除が同じなら、導入時点の合計税額は原則同水準
  • 復興特別所得税の終了は2037年末から2047年末へ10年延長される

2027年から何が変わるか

項目2026年まで2027年から
防衛特別所得税なし所得税額の1.0%
復興特別所得税所得税額の2.1%所得税額の1.1%
上乗せ合計2.1%2.1%
復興特別所得税の終了2037年末2047年末

課税対象は「給与収入そのもの」ではなく、各種控除などを反映して算出した所得税です。所得税が10万円なら、現在は復興特別所得税2,100円を加えた10万2,100円。2027年からは防衛特別所得税1,000円と復興特別所得税1,100円を加え、合計は同じ10万2,100円になります。

計算の基本

2026年まで:所得税額 × 102.1%
2027年から:所得税額 ×(100%+防衛1.0%+復興1.1%)=所得税額 × 102.1%

「手取りが1%減る」は誤り

年収500万円の人に5万円が上乗せされる、という計算ではありません。1%は給与や課税所得ではなく、基準となる所得税額に対してかかります。さらに導入時は復興特別所得税が同じ幅だけ下がるため、所得や控除の条件が同じなら合計税額は変わりません。

長期では負担期間が延びる

導入時の合計率は同じでも、復興特別所得税の課税期間は10年延長されます。「2027年に突然1%増える」と「長期の納税期間が延びる」は別の論点として分けて考える必要があります。

給与・年金・報酬の源泉徴収はどうなる

給与等は、国税庁が公表する2027年分以後の源泉徴収税額表に基づき、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計を源泉徴収します。報酬・料金なども合計税率で計算し、まとめて納付する仕組みです。

国税庁の例では、所得税率10%の対象支払いに対する合計税率は10.21%です。これは現在の「所得税10%+復興特別所得税」を合わせた率と同じです。年末調整でも、年調所得税額に102.1%を掛けた合計額で精算します。

株式・投資信託・FXへの影響

取引考え方
NISA口座の対象利益・配当非課税なので、防衛特別所得税も原則かからない
課税口座の上場株式等所得税部分に対する防衛・復興の合計率は導入時点で変わらない
国内FX申告分離課税。所得税部分への上乗せ合計は同水準
所得税が免除される取引租税条約などの要件により、両特別税が課されない場合がある

NISAの基本は新NISA完全ガイド、課税口座を含む確定申告は税金・確定申告ガイドで確認できます。商品ごとの源泉徴収率を見ずに、すべての投資利益へ新たに1%が加算されると考えないでください。

家計で確認する順番

2027年の確認手順
  1. 給与明細や年金の源泉徴収額を前年と比較する
  2. 年収だけでなく、基礎控除・扶養・保険料控除などの変更を確認する
  3. 防衛特別所得税だけを切り出さず、所得税と復興特別所得税の合計で見る
  4. 年末調整または確定申告後の年税額で最終確認する

2027年は別の税制改正も同時に影響し得ます。手取りの増減を防衛特別所得税だけの効果と断定せず、手取りと税・社会保険料の見方のように要因を分けて比較しましょう。

まとめ

防衛特別所得税は2027年1月1日以後に生じる所得へ適用され、所得税額の1.0%です。同時に復興特別所得税が1.1%へ下がるため、導入時点の上乗せ合計は2.1%で変わりません。給与収入の1%がそのまま増税される制度ではありません。

一方、復興特別所得税の課税期間は2047年末まで延長されます。短期の税率と長期の課税期間を分け、実際の影響は2027年の源泉徴収票や確定申告書で確認してください。

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