信用取引の金利・貸株料・逆日歩と日歩計算を整理するイメージ

日歩(ひぶ)とは、1日あたりの利息・費用を表す考え方です。信用取引では、信用買いの金利、信用売りの貸株料、制度信用で発生することがある逆日歩(品貸料)を理解するうえで重要です。

結論からいうと、信用取引のコストは「建玉金額 × 年率 × 日数 ÷ 365」で概算できます。ただし、逆日歩は「1株あたりの逆日歩 × 株数 × 日数」で計算し、金額は事前に確定しません。さらに、日数は約定日ではなく受渡日ベースで見るため、週末や祝日をまたぐと想定より費用が増えることがあります。

この記事では、JPX(日本取引所グループ)や証券会社公式情報をもとに、日歩の意味、年利換算、信用金利・貸株料・逆日歩の計算方法、優待クロスや空売りで注意すべき点を整理します。確認日:2026年7月1日。

信用取引コストの早見表

まず、信用取引で出てくる費用を整理します。逆日歩の計算だけに注目しがちですが、実際の取引では金利・貸株料・逆日歩を分けて見る必要があります。

コスト主に発生する取引計算の考え方注意点
信用金利信用買い建玉金額 × 年率 × 日数 ÷ 365買建を保有するほど増える
貸株料信用売り建玉金額 × 年率 × 日数 ÷ 365一般信用売りでも発生することがある
逆日歩(品貸料)制度信用の売建など1株あたり逆日歩 × 株数 × 日数発生有無と金額は事後に決まる
管理費・名義書換料建玉保有時証券会社のルールによる長期保有や権利確定日またぎで発生しやすい

日歩とは何か

日歩は、1日あたりの利息や費用を表す言い方です。金融商品では年利で表示されることが多い一方、信用取引の逆日歩では「1株につき1日あたり何円・何銭」という形で表示されます。

たとえば「日歩5銭」とは、1株につき1日0.05円という意味です。1,000株を売建していて日歩5銭の逆日歩が1日分発生した場合、支払額は0.05円 × 1,000株 = 50円です。

表記1株1日あたり1,000株・1日分1,000株・3日分
日歩3銭0.03円30円90円
日歩5銭0.05円50円150円
日歩50銭0.5円500円1,500円
日歩1円1円1,000円3,000円

年利・月利・日歩の換算

信用金利や貸株料は年率で表示されることが多いため、日割りで見るには365で割って考えます。概算では次のように換算できます。

年率1日あたりの率100万円を1日保有100万円を30日保有
1.10%約0.0030%約30円約904円
2.80%約0.0077%約76円約2,301円
3.90%約0.0107%約106円約3,205円

実際の計算では、証券会社ごとに受渡日、片端・両端、祝休日の扱いが異なる場合があります。正確な金額は、取引前のシミュレーション、取引画面、取引報告書で確認してください。

信用金利の計算方法

信用金利は、信用買いで証券会社から借りた買付資金に対して発生する費用です。JPXも、信用取引では買付顧客が貸付資金に対する金利を証券会社へ支払うと説明しています。

基本式は次の通りです。

信用金利 = 建玉金額 × 金利年率 × 保有日数 ÷ 365

たとえば、100万円の信用買い建玉を年2.8%の金利で30日保有した場合、概算の金利は100万円 × 2.8% × 30日 ÷ 365 = 約2,301円です。売買手数料が無料でも、信用買いを長く保有すれば金利は積み上がります。

貸株料の計算方法

貸株料は、信用売りで証券会社から株券を借りるための費用です。楽天証券の公式ページでも、貸株料は株を借りることで発生する費用と説明されています。

貸株料 = 建玉金額 × 貸株料率 × 保有日数 ÷ 365

たとえば、100万円分を年1.10%の貸株料で30日売建した場合、概算の貸株料は100万円 × 1.10% × 30日 ÷ 365 = 約904円です。一般信用の短期売りでは、制度信用より貸株料率が高い場合があります。

逆日歩の計算方法

逆日歩は、制度信用取引で株券が不足したときに発生することがある品貸料です。売り方が支払い、買い方が受け取る関係になります。一般信用取引では、制度信用の貸借取引を利用しないため、通常は制度信用のような逆日歩は発生しません。

逆日歩 = 1株あたりの逆日歩 × 株数 × 日数

たとえば、1株あたり0.5円の逆日歩が1日分発生し、1,000株を売建していた場合、逆日歩は0.5円 × 1,000株 × 1日 = 500円です。3日分なら1,500円です。

逆日歩で特に注意したいのは、発生有無と金額が事前に確定しないことです。権利付最終日、株主優待人気銘柄、売りが集中している銘柄では、想定より大きな逆日歩になることがあります。

日数は約定日ではなく受渡日ベースで考える

信用金利、貸株料、逆日歩を考えるときは、約定日だけでなく受渡日ベースの日数に注意が必要です。逆日歩の計算では、1株あたりの金額だけでなく、何日分として計算されるかが大きな差になります。

株式の受渡日は通常、約定日の2営業日後です。週末や祝日をまたぐと、実際に費用が発生する日数が増えることがあります。特に水曜日や木曜日の建玉、連休前、権利付最終日前後は、日数が増えやすい点を確認してください。

制度信用と一般信用でコストは違う

信用取引には制度信用と一般信用があります。JPXの説明では、制度信用は取引所が対象銘柄を選定し、返済期限は最長6か月、品貸料は取引所が発表します。一方、一般信用は顧客と証券会社との間で返済期限や条件を決める取引です。

項目制度信用一般信用
対象銘柄取引所が選定証券会社が選定
返済期限最長6か月証券会社ごとの条件
逆日歩発生する場合がある通常は制度信用の逆日歩とは別
貸株料比較的低めの場合がある短期売りでは高めの場合がある
向いている確認逆日歩リスクを確認貸株料率・在庫・期限を確認

制度信用は逆日歩リスクがある一方、一般信用は貸株料率や在庫、返済期限が証券会社ごとに異なります。どちらが安いかは銘柄、保有日数、取引日によって変わります。

優待クロスでは逆日歩と貸株料を分けて見る

株主優待クロス取引では、制度信用を使うと逆日歩が発生する可能性があります。一般信用を使うと制度信用の逆日歩は避けやすい一方で、貸株料や在庫切れ、短期売りの高い貸株料に注意が必要です。

優待クロスでは、優待価値だけでなく、売買手数料、信用金利、貸株料、逆日歩、配当落調整金を合計して判断します。優待目的の取引は、株主優待クロス取引のリスクもあわせて確認してください。

信用取引コストを抑えるポイント

  • 建玉を長期保有しすぎない。
  • 信用買いでは金利、信用売りでは貸株料と逆日歩を分けて確認する。
  • 制度信用と一般信用のどちらが安いか、銘柄ごとに比較する。
  • 権利付最終日、連休前、人気優待銘柄では逆日歩リスクを高めに見る。
  • 手数料無料でも、金利・貸株料・管理費は別に発生する前提で考える。

信用取引全体の仕組みや追証リスクは、信用取引のルールとリスクで整理しています。空売りの損失リスクは、空売りとは?信用取引で売りから入る仕組みとリスクも参考にしてください。

よくある質問

日歩5銭とはいくらですか?

日歩5銭は、1株につき1日0.05円です。1,000株なら1日50円、3日分なら150円です。

信用金利と逆日歩は同じですか?

違います。信用金利は信用買いで借りた資金に対する金利です。逆日歩は、制度信用で株券が不足した場合などに発生する品貸料で、主に売り方が負担します。

逆日歩はいつわかりますか?

逆日歩は事前に確定しません。取引終了後に発表されるため、空売りをした時点では正確な金額を知ることはできません。

一般信用なら逆日歩はありませんか?

一般信用は制度信用の貸借取引を利用しないため、通常は制度信用の逆日歩は発生しません。ただし、証券会社ごとの貸株料、特別空売り料、在庫、返済期限は確認が必要です。

手数料無料なら信用取引コストはゼロですか?

ゼロではありません。売買手数料が無料でも、信用金利、貸株料、逆日歩、管理費、名義書換料などが発生する場合があります。

まとめ

日歩は、信用取引のコストを理解するための基本です。信用買いでは金利、信用売りでは貸株料、制度信用の売建では逆日歩を確認します。

信用金利と貸株料は「建玉金額 × 年率 × 日数 ÷ 365」、逆日歩は「1株あたり逆日歩 × 株数 × 日数」で概算できます。ただし、逆日歩は事前に確定せず、受渡日ベースの日数や週末・祝日で金額が変わります。信用取引は手数料だけでなく、保有中のコストまで含めて判断しましょう。

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