株式投資における基本として売買の注文方法について理解しましょう。株の売買注文の注文の出し方は大きく『指値』による注文と『成行』による注文方法の2種類があります。株の売買注文を出す場合は両方の特性を踏まえたうえで、適した注文を出す必要があります。
今回はそんな株式投資をはじめとして多くの売買注文の基本でもある「指値」と「成行」について説明とそれぞれの活用方法を紹介していきます。
指値注文と成行注文の基本
・指値注文
指値注文は「価格」と「数量」の両方を指定する注文方法となります。100円で1000株購入するといったような注文方法です。買い注文の場合は100円以下なら買う、売り注文の場合は100円以上なら売るという流れになります。
・成行注文
成行注文は「数量」のみを指定する注文方法となります。価格は問わないけど、とにかく1000株購入するといった具合の注文になります。この場合、100円で800株、101円で200株といったような同じ株も複数の価格で購入するようなケースもあります。
指値注文と成行注文の違い
指値と成行は、『価格』を指定しているという点が違いです。株式投資においては「売り手」と「買い手」の注文をくっつけることで売買が成立します。そのため、指値で買い注文を入れた場合、当該値段での売り注文(または当該値段に影響を与える成行売り注文)が出た場合のみ売買が成立します。
一方で成行で買い注文を入れた場合、場に出されている売り注文を買いにいく形になります。
指値と成行の違いを示すとすると「指値は待ちの姿勢」であり「成行は攻めの姿勢」であるといえます。
指値注文のメリットとデメリット
・指定した価格で売買が成立する
・成行注文と比較すると売買が成立しにくい
成行注文のメリットとデメリット
・場に注文が出ていれば売買が成立する可能性が極めて高い
・予想外に不利な価格で売買が成立してしまうことがある
ただし、成行注文についても左のように「板(気配値)」と呼ばれる注文状況を見ることができます。そのため、注文状況を見ながら、成り行き注文を出せば、あまりにも極端な値段で成立するということは少ないでしょう。
(追記)
アルゴリズムによる高速売買などの影響もあって、瞬時にすさまじい量の注文が発生するような場合も増えています。
特に株価が急激に変動しているようなタイミングでは、極端な価格がつくケースも目立っています。そういうタイミングでの成行注文は「想定外の価格で成立する」というリスクもありますので、そのあたりもしっかりと考えるようにしましょう。
もうひとつのデメリットとして、証券会社のシステム的な対応があります。
たとえば、上記のケースで3170円くらいで買いたいと思って、1000株の成行注文を出すとき、おおよそ必要なお金は3170円×1000株=317万円くらいです。
ところが、成行注文は想定外の価格で成立するリスクもあるので注文を受け付ける証券会社は、基本的には当日のストップ高での価格分の余力(投資余力)を求めます、上記の銘柄のストップ高が3500円だとすると、350万円の投資余力がないと注文を受け付けてくれません。
そういう場合はあえて成行注文を使うのではなく、指値で少し高めの金額(上記なら3200円くらいの指値)にするなどえして問題をカバーすることができます。
相場における売買の優先順位
株式相場にいては場に注文が出されたとき、どのような順番で売買が優先されるのかが違っています。「価格優先の原則」「時間優先の原則」という二つの原則に従って売買注文が処理されます。
同じ瞬間に出された注文
価格が高い方が優先される(価格が高い方が優先される。なお成行注文が指値注文に優先)
同じ価格で板に並んでいる注文
早く出された注文が優先される(時間優先の原則)
詳しい内容についは「株式投資における時間優先の原則と価格優先の原則のしくみ」の記事でも具体的な例をもとに説明していますので、こちらもぜひご参照ください。
以上、株式投資における指値注文、成行注文の基本をまとめてみました。