投資信託で長期の資産形成をするなら、「1本でどこまで分散できるか」は重要な判断材料です。全世界株式ファンドを使えば、日本、米国、欧州、新興国などの株式にまとめて投資できます。

ただし、全世界株式ファンドなら何でも同じではありません。ベンチマーク、信託報酬、純資産総額、NISAでの使いやすさ、投信保有ポイント、為替リスクまで確認して選ぶ必要があります。

先に結論

  • 初心者の長期積立では、低コストの全世界株式インデックスファンドが軸になりやすいです。
  • 日本を含む全世界株式か、日本を除く全世界株式かを確認します。
  • 信託報酬だけでなく、実質コスト、純資産総額、NISA対応、投信保有ポイントも見ます。
  • 株式100%が不安なら、債券を含むバランス型も候補になります。
  • ポイント還元よりも、投資対象とコストを優先して選びましょう。

全世界株式ファンドとは

全世界株式ファンドは、世界中の株式に分散投資する投資信託です。投資家は1本のファンドを買うだけで、複数の国や地域、業種にまとめて投資できます。

金融庁も資産形成の基本として、長期・積立・分散投資を挙げています。特に分散投資では、値動きが異なる複数の資産や地域に投資することで、価格変動をある程度抑える考え方が示されています。

全世界株式ファンドは、このうち「地域分散」を簡単に実現しやすい商品です。一方で、株式中心である以上、相場下落時には大きく値下がりすることがあります。元本保証の商品ではありません。

全世界株式ファンドを選ぶポイント

比較項目 見るポイント
投資対象 日本を含む全世界か、日本を除く全世界か。先進国・新興国の比率も確認します。
ベンチマーク MSCI ACWI、FTSE Global All Capなど、何に連動するファンドかを確認します。
信託報酬 長期保有では年0.1%未満の差でも積み上がります。実質コストも見ます。
純資産総額 規模が大きく、資金流入が安定しているファンドほど長期保有しやすいです。
NISA対応 つみたて投資枠、成長投資枠で使えるかを確認します。
投信保有ポイント 同じファンドなら、証券会社ごとの保有ポイントで実質差が出ることがあります。

代表的な候補

全世界株式ファンドを選ぶ場合、まずは低コストのインデックスファンドを比較すると分かりやすいです。代表的な候補には、次のような商品があります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

いわゆる「オルカン」と呼ばれる代表的な全世界株式ファンドです。三菱UFJアセットマネジメントの公式ページでは、購入時手数料無料、つみたて投資枠・成長投資枠の対象、内外株式に投資するインデックス型の追加型投信として案内されています。

純資産総額が大きく、主要ネット証券で取り扱いが広いため、初心者が比較の起点にしやすいファンドです。まずオルカンを基準に、他の全世界株式ファンドの信託報酬、指数、ポイント付与率を見ていくと判断しやすくなります。

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド

楽天証券を中心に使う人は、楽天・プラスシリーズも比較対象になります。楽天証券では、楽天・プラスシリーズの一部が投信残高ポイントプログラムの対象になっています。

楽天カード積立や楽天キャッシュ積立、楽天ポイント投資を使う人は、ファンドそのもののコストと、楽天経済圏での使いやすさを合わせて見ましょう。ただし、ポイント目的で高コスト商品を選ぶのは避けるべきです。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

SBI証券を使う場合は、SBI・Vシリーズも候補になります。SBI・V・全世界株式は、米国ETFを通じて世界株式に投資するタイプです。

ETFを投資対象にするファンドでは、信託報酬だけでなく実質的な負担、ベンチマーク、配当課税、運用報告書の実質コストを確認しましょう。

バランス型ファンド

全世界株式ファンドは株式100%に近い商品が中心です。値動きが大きいと感じる場合は、債券やREITを含むバランス型ファンドも候補になります。

ただし、バランス型は商品ごとに資産配分が大きく違います。株式比率が高いもの、債券比率が高いもの、8資産均等型のように国内外の株式・債券・REITへ機械的に配分するものがあります。商品名だけでなく、実際の資産配分を確認してください。

全世界株式と米国株式はどちらがよいか

全世界株式ファンドとよく比較されるのが、S&P500や全米株式に投資する米国株式ファンドです。

米国株式ファンドは米国企業への集中度が高く、過去の長期成績では強い時期がありました。一方で、将来も米国だけが勝ち続けるとは限りません。全世界株式ファンドは、米国比率も高い一方で、欧州、日本、新興国も含むため、地域を自動的に分散できます。

選び方の目安

  • 世界全体に広く投資したい:全世界株式
  • 米国企業の成長により強く賭けたい:S&P500、全米株式
  • 値動きを少し抑えたい:債券を含むバランス型
  • 国内株も厚めに持ちたい:国内株式ファンドを別途組み合わせる

投信保有ポイントは最後に見る

同じ全世界株式ファンドを買うなら、どの証券会社で保有するかによって投信保有ポイントに差が出ることがあります。長期保有では、年0.01%から0.05%程度の差でも無視できません。

ただし、ポイントはあくまで補助です。まず投資対象、信託報酬、純資産総額、運用方針を確認し、そのうえで証券会社ごとのポイント制度を比較しましょう。

証券会社ごとの投信保有ポイントとクレカ積立ポイントは、投資信託の保有ポイント・クレカ積立ポイント比較で整理しています。松井証券を使う場合は、松井証券の投信積立まとめも参考になります。

まとめ

全世界株式ファンドは、1本で世界中の株式に分散投資しやすい投資信託です。初心者が新NISAで長期積立を始める場合、低コストの全世界株式インデックスファンドは有力な候補になります。

一方で、全世界株式ファンドは元本保証ではなく、株式市場が下がれば基準価額も下がります。商品を選ぶときは、信託報酬、実質コスト、純資産総額、NISA対応、投信保有ポイントを確認し、自分が長く持てる商品を選びましょう。

参考:金融庁:資産形成の基本eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。