キャッシュフロー計算書の読み方を整理するイメージ

キャッシュフロー計算書は、企業のお金の出入りを見るための財務諸表です。損益計算書では利益が出ていても、実際のお金が減っている会社があります。逆に、赤字でも一時的に現金を多く持っている会社もあります。投資判断では、利益だけでなく現金の流れを見ることが大切です。

上場企業の有価証券報告書は、金融庁のEDINETで確認できます。EDINETは有価証券報告書などの開示書類を電子的に提出・閲覧するためのシステムで、投資家が企業の財務情報を確認する際の重要な情報源です。

キャッシュフロー計算書の3区分

区分見る内容主な例
営業キャッシュフロー本業でお金を生み出しているか売上入金、仕入支払、人件費、税金
投資キャッシュフロー将来のために何へ投資しているか設備投資、子会社取得、有価証券売買
財務キャッシュフロー資金調達や返済の状況借入、社債発行、返済、配当、自社株買い

営業キャッシュフローは本業の現金力

営業キャッシュフローが安定してプラスの会社は、本業から現金を生み出していると考えられます。利益が出ていても営業キャッシュフローが長くマイナスの場合、売掛金の回収が遅い、在庫が増えすぎている、利益の質が低いといった可能性があります。

もちろん、成長企業では一時的に運転資金が増えて営業キャッシュフローが弱く見えることもあります。単年だけで判断せず、3年から5年程度の推移を見ると分かりやすくなります。

投資キャッシュフローは将来への使い道

投資キャッシュフローは、設備投資やM&A、投資有価証券の売買などを示します。成長企業では、設備投資によりマイナスになることがよくあります。マイナスだから悪いのではなく、その投資が将来の売上や利益につながるかを見る必要があります。

反対に、投資キャッシュフローがプラスになっている場合は、資産売却で現金を得ている可能性があります。事業の見直しなら前向きなこともありますが、資金繰りのために資産を売っている場合は注意が必要です。

財務キャッシュフローは借入と株主還元を見る

財務キャッシュフローでは、借入金の増減、社債発行、返済、配当、自社株買いなどが分かります。借入で大きくプラスになっている場合は、資金調達の目的を確認します。返済や配当でマイナスになっている場合は、営業キャッシュフローでそれを賄えているかが重要です。

高配当株を見るときも、配当利回りだけでなく、営業キャッシュフローで配当を支えられているかを確認しましょう。インカムゲインの基本は株式投資とインカムゲインでも整理しています。

よくある見方のパターン

  • 営業キャッシュフローがプラスで、投資キャッシュフローがマイナスなら成長投資型
  • 営業キャッシュフローがプラスで、財務キャッシュフローがマイナスなら返済・還元型
  • 営業キャッシュフローがマイナスで、財務キャッシュフローがプラスなら資金調達依存に注意
  • 利益は黒字でも営業キャッシュフローが弱い場合は利益の質を確認する

キャッシュフロー計算書は、株価の短期予測よりも、企業の体力を確認するために役立ちます。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書をセットで見ると、決算書の読み方が一段深くなります。

参考:金融庁「EDINETについて」

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。