保険・年金

生命保険をシンプルに見直すテクニック

sace生命保険は人生の三大出費の一つと言われ、マイホーム(住宅)の次に高い買い物と言われています。この生命保険、何が必要かわからずとりあえず保険の営業が言うとおりに入っている。という方も多いのではないでしょうか?
今回はその生命保険をシンプルに見直すコツをご紹介します。ポイントは保険には最低限の保障にしかしないということです。

保険は基本的には「損」をするものと考える

まず、大前提としてここを抑えておくべきです。
保険の性質は助け合いで加入者同士でリスクを負担しあうというものです。
1年間に死亡する確率が0.1%という場合、1000人で1人の死亡時のリスクを負担するというものが生命保険の基本となります。保険金1000万円なら一人当たり1万円を年間で負担することで、1000万円の死亡保険(生命保険)は成立することになります。

その一方で、保険を金融商品で考えた時、その手数料の大きさ(保険会社の取り分)は50%を超えるようなものも多数あります。仮に手数料率が50%だとすると上記の死亡保険に必要な保険料は1人あたり1.5万円となります。

この50%はどんな経費なのかというと保険会社の経営にかかる費用です。人件費、宣伝広告費など保険会社の運用には多額のお金が必要になっています。その経費は加入者が負担しているわけです。
もちろん、それを負担すること自体は当然かもしれませんが、保険会社の多くはこの手数料率を開示していません。また、保険ショップや保険の営業マンなどに歩合で多額の費用を掛けていることなどを考えると、「運用手段」としての価値は低いと考えられます。

もちろん、保険はリスクを回避(カバー)するためには必要不可欠な商品ではありますが、その他の運用手段と比べて「損」をする商品ということになります。

となると保険というものは「必要最低限の保険に加入する」というのが賢い付き合い方なのだと私は考えています。

 

必要な保険金額はどうやって計算する?

じゃあ、その必要な最低の保険金額ってのはどうやって決めるのでしょうか?

まずは、自分(家族)に万が一のことがあった場合に必要な保険金の金額から考えます。死亡時に必要なお金については「生活設計法」などで比較的簡単に計算することができます。

まずは、それをもとにおおよそ必要となる金額を考えてみましょう。ちなみに、この必要な保険金額は当然ですが、家族の成長(変化)によって変わってきます。子供が小さいうちは比較的大きめの保障が必要になりますが、独立後などは一気に必要額が小さくなります。

いいかえると、家族構成が変化した時が保険の見直しタイミングといえるでしょう。

 

医療保険などは必要に応じてカットする

医療保険などで、「健康保険の自己負担もカバーする保険」のように手厚いものも多数ありますが、あなたの家計の余裕度に応じてカットしましょう。

そもそも医療保険については公的医療保険「健康保険」があります。多額の医療費がかかるケースでも高額な医療費については自己負担の制限があるので、1ヶ月に数十万円もの負担が出ることはありません。
参考:社会人なら知っておきたい「公的医療保険・医療制度」

仮に家計に三百万円の余裕資金があるならその程度のリスクに備える必要はないわけです。
原則として保険はリスクを皆でカバーし合うという性質になるため、保険会社の儲けを考えると加入者全体では損をする商品です。

自分自身でカバーできるリスクは自分の預貯金でカバーする方が効率的です。

 

複雑な保険よりもシンプルな保険を

生命保険というと色々な特約などが付いているものも多いですが、そうした保険はどこにどんな費用がかかっているのかがわかりにくいため比較がしにくいです。
それよりも必要な保障を取捨選択でいるようにシンプルな内容の保険を検討しましょう。

保険というととても難しい商品のように考えがちですが、シンプルに考えれば比較もできます。
比較をする際は「保険ショップ」や「FP相談」などのサービスもありますが、これらについても保険営業と同様に「保険契約に対する手数料」が収入元となっているので、100%鵜呑みにするのではなく、自分に必要な保障はどれだけなのか?ということを考えた上で活用すると良いでしょう。

 

リスクに備えることも大切ですが、万が一のことばかりに重点を置いて今の生活が大きく犠牲になるのは決して正しいとは言えないかと思います。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。