投資信託

株式投資(相場)のタイミングを考える

timing株式投資によってリターンを得る時に、重要な要素の一つは「タイミング」です。たとえば、日経平均は2012年の後半、2013年、2014年と上昇を続けてきました。このような上昇のタイミングを逃さないことが投資において大変重要です。また、2007年、2008年のような暴落時から身を守ると言うことも大切です。今回は株式投資とその投資のタイミングについて紹介していきます。

相場と投資のタイミング

インデックス投資家にとって有名な書籍である「敗者のゲーム」。この本に相場のタイミングとリターンについての分析があったので紹介していきます。

S&P500指数(日本の日経平均のようなもの)の過去28年間という超長期の相場において取引のタイミングによってどれだけリターンが変わるか?という調査です。

・28年で最も相場が上昇したベスト10日を逃した場合
リターンは22%低下する。

・28年で最も相場が上昇したベスト30日を逃した場合
リターンは半減する。

28年間(営業日を300日とすると8400日)という期間で考えた場合、その0.11%の投資チャンスでリターンに22%も影響を及ぼし、0.35%でリターンに50%も影響を及ぼすという結果になっているそうです。

年間でみても同じことが言えます。S&P500指数の過去75年の相場の動きを見た場合、ベストに上昇した1年間の投資を逃してしまうと75年間のリターンの約35%を見逃すことになってしまうそうです。

日本でも同じことです。たとえば、2010年1月に日経平均に投資をして、2015年1月にはいくらになっているかというと、10609円が17325円(63.30%増)となっています。
ところが、この時2012年の上昇でやれやれ売りをしてしまい、2013年の大相場に乗れず、2014年1月に再投資した場合を見てみると、10609円の投資は11377円(7.2%増)となります。

5年間の内、1年間の相場を逃しただけでリターンはこれほど大きく変わるのです。

 

投資家は投資するタイミングをはかれるか?

株式市場からのリターンはこのように「タイミング」によって大きく変わることが分かります。で、問題となるのは「そのタイミングに乗れるか?」ということです。

最も上昇した日や月、年だけに投資をすることができれば、とんでもないリターンを得ることができます。その一方でそうした上昇した日、月、年を逃してしまうと投資によるリターンは大きく低下することになります。

これは実際にやろうと思うとかなり難しいと思います。

・暴落したところで狼狽売りし、リバウンドを逃した
・逆に大相場の初動で利益確定の売りをしてしまった
・安値覚えで、相場の上昇トレンドに乗れなかった

長く相場をやっている方なら上記のような状況に身に覚えもあろうかと思います。このような相場観によるトレードによって得られるリターンと失ったリターンとではどちらが大きくなるでしょうか?

それこそ、日経平均は2013年の1年間でおよそ52.27%の上昇を見せているわけですが、この2013年の株取引において50%以上のリターンをあげることができた投資家の方はどのくらいいらっしゃることでしょうか?

また、2008年は1年間で-40.6%のマイナスを記録していますが、この水準よりも低い損失で済んだ方はどれほどいらっしゃるでしょうか?

 

コツコツ投資などタイミングに流されない運用もおすすめ

正直なところ、このようなタイミングをはかって売買をすることは容易ではありません。

利食いが早すぎて、損切りが遅い方へ」でも記事にしていますが、人は中々合理的な行動をとることができません。タイミングをはかれず、また合理的にも動けないというのであれば、相場のタイミングにとらわれない投資方法をする方が効率的かもしれません。

たとえば「ドルコスト平均法」による追加の積立投資も一つです。最近では「バリュー平均法」という運用方法も注目されていますね。

こうした機械的な投資は相場のタイミングに左右されずに実行することができます。

こうした相場と投資のタイミングについては株式投資(投資信託)だけの話ではありません。その他の多くの投資で同じことが言えるはずです。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。