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資産運用面から考える生命保険「予定利率」の問題点

貯蓄性のある年金保険や養老保険などを紹介されたことがありませんか?こうした貯蓄性のある保険の提案でよく出されるのが「予定利率」というもの。「保険会社が契約者に対して運用上約束する利率」と表現されます。保険の中にはかなり高い予定利率を約束しているものもありますが、その数字を鵜呑みにしてはいけません。予定利率には表記におけるトリックがあります。今回はこの「予定利率」についての問題点を見ていきます。

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予定利率で本当に運用される?

たとえば、極端な例ですが、保険期間10年間。払込保険料が100万円(一時払い)の貯蓄型保険(養老保険)があり、10年後に満期がくるという保険があるとします。この保険の予定利率が3%という場合、満期保険金はいくらになるでしょうか?

予定利率が3%ということだから、130万円「100万円×(1.03×10年)」になるんじゃないの?と思う方が大半かと思います。ですが、「そうではない」のです。

実は具体的な満期保険金額はこれだけでは分からないのです。

そもそも、生命保険の保険料は大きく「死亡リスク(死亡保険金のため)に備える部分」「満期保険金などの支払いのために運用される部分」「保険会社の経費・儲け」という三つの区分に分けられています。

このうち、「死亡リスク(死亡保険金のため)に備える部分」と「保険会社の経費」部分は保険料のうち「費用」に当たる部分となり、予定利率によって運用されるのは「満期保険金などの支払いのために運用される部分」だけなのです。

仮に、上記の100万円の保険料を支払った保険のうち、死亡保障として5万円・経費として5万円がかかっていたとします。この場合、運用されるのは差し引き90万円であり、この90万円が3%で運用されます。

結果として、10年後の満期に受け取れる金額は90万円×(1.03×10年)=117万円ということになるわけです。ということは、もともと支払った保険料である100万円からみたら10年間で17万円、金利換算すると年1.7%でしか運用されていないということになるわけです。

ここに表記上の問題点があります。
年金保険や養老保険などのように貯蓄性だけを考慮した保険で「予定利率」だけを見て投資商品を比較するととんでもないミスリード(誤解)を生む可能性があるわけです。

こうした場合、実際に支払った保険料の総額に対して、満期時に幾ら戻ってくるのか?という計算の上で、再度利回りを計算し直すことが大切です。

保険会社側も、こうした数字をもっと契約者にとって分かりやすく表示してもらいたいものと思います。特に、保険の原価ともいえる「付加保険料(保険会社の経費・儲け)」の部分は随分前に「ライフネット生命」が公開をしたものの、他社は公開しておりません。

つまり、支払った保険のうち、どのくらいが実際に運用されるのか?という部分はブラックボックスに近い形になっているのです。

 

予定利率は「単利計算」

また、予定利率を他の金融商品と比較する際の大きなポイントは「予定利率は単利計算」という点です。先ほどの予定利率の計算のところでピーンと来た人も多いかと思います。

年金保険や養老保険のような貯蓄性の保険というのは数年単位ではなく、10年、20年と長期に加入することが多い保険です。これが単利計算と複利計算とではかなり大きな違いになります。
参考:複利と資産運用

たとえば、20年間という運用期間において3%で運用される商品があるとします。100万円を運用したとすると。
単利の場合:100万円×(1.03×20年)=160万円
複利の場合:100万円×(1.03)20年=180.61万円

このように、20.61万円もの差つくわけです。34%もの差になります。
この格差は「利回りが大きいほど」「運用期間が長くなるほど」と大きくなっていきます。

一般に保険による運用は期間が長いためこうした差は大きく影響することになります。

投資評価と「利回り」の概念を理解する」でも説明しましたが、金融商品を比較するような場合、原則的には「複利」に換算して評価する方がよいと書きました。

つまり、年3%の予定利率の生命保険を他の投資商品と比較する場合、満期までの年数から逆算するかたちで単利を複利に落とし込んでやる必要があります。

100×(1+r)20=160

というわけです。
(1+r)20=1.6
この計算にはlog計算などが必要になりますので具体的には関数電卓が必要です。まあ、後に余後によ計算していくと
r=2.377%となります。

つまり、年3%で20年間単利運用される生命保険は、年2.377%で運用される複利計算の金融商品とおなじ運用成果になるわけです。

 

この2点が生命保険における「予定利率」を資産運用という面から考えた問題となります。
パンフレットを見て「なに、これ利回り高い!」と飛びつかないようにしてください。

1.最終的な受取額を元に利率は再計算すること
2.計算された利率は単利であるから複利で計算しなおすこと

以上2つを実施した上で他の商品と比較するようにします。

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