青色申告と電子帳簿を表すイメージ

青色申告特別控除は2027年分の所得税から、最大75万円になります。ただし、現在65万円控除を受けている人が自動的に75万円へ上がるわけではありません。期限内のe-Tax申告に加え、優良な電子帳簿または一定のデジタル連携保存が必要です。

改正後の要点

  • 最大75万円は2027年分の所得から
  • 通常の申告時期は2028年2~3月
  • 複式簿記・貸借対照表・損益計算書・期限内e-Taxが土台
  • 75万円には、仕訳帳・総勘定元帳の優良電子帳簿など追加要件がある
  • 2027年分以後は55万円ではなく65万円が中間の控除額になる

2027年分から10万円・65万円・75万円の3段階

控除額主な要件向いている対応
75万円65万円の要件+優良な電子帳簿または一定のデジタルシームレス保存会計データの作成・訂正履歴まで整備
65万円複式簿記、貸借対照表・損益計算書、期限内e-Taxなどまず期限内e-Taxを確実に行う
10万円簡易簿記など。2027年分から売上規模による除外あり事業規模と記帳方法を確認

現行の55万円控除は、2027年分以後、期限内e-Taxを要件に加えたうえで65万円へ引き上げられます。現在の制度と改正後を混ぜて「紙申告でも65万円」と考えないようにしてください。

75万円控除を受ける条件

確認する5項目
  1. 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
  2. 正規の簿記、原則として複式簿記で記帳する
  3. 貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告する
  4. 確定申告をe-Taxで期限内に送信する
  5. 仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿として保存するか、一定のデジタル連携保存を行う

追加要件は単に「会計ソフトを使う」ことではありません。優良な電子帳簿には、訂正・削除履歴、相互関連性、検索などの保存要件があります。デジタルシームレス保存も、対象となる取引情報を一定のシステムで取り込み、要件に沿って保存する必要があります。

ソフト名だけでは判定できない

クラウド会計を契約していても、設定・運用・届出・保存範囲が不足すれば75万円控除の条件を満たさない可能性があります。利用中のサービスが対応する要件と、2027年1月1日からの運用方法を確認してください。

2027年分と2028年申告を混同しない

「2027年分」は2027年1月1日から12月31日までの所得です。通常、この分を2028年の確定申告期間に申告します。2027年3月に提出する2026年分の申告が75万円になるわけではありません。

時期行うこと
2026年中会計ソフトの対応、電子帳簿の設定、証憑連携を確認
2027年1月から改正要件に沿って日々の記帳・保存を開始
2028年の申告期2027年分を期限内にe-Taxで申告

10万円控除にも売上規模の制限が入る

2027年分からは、簡易な簿記で10万円控除を受ける人のうち、一定の事業規模を超える人が対象から除かれます。不動産所得を生ずべき事業なら前々年の不動産収入、事業所得を生ずべき事業なら前々年の事業収入が1,000万円を超える場合です。

ここで見るのは「所得」ではなく該当する収入金額です。また、売上が1,000万円を超えたら自動的に75万円になるわけでもありません。複式簿記や電子保存の要件を満たす準備が別に必要です。

控除が10万円増えると税額はいくら変わるか

65万円から75万円へ上がる差は所得控除10万円です。税額の減少は一律10万円ではなく、適用される所得税率と住民税率で変わります。

所得税率の例所得税・復興特別所得税の減少目安住民税の減少目安合計目安
5%約5,105円約1万円約1万5,105円
10%約1万210円約1万円約2万210円
20%約2万420円約1万円約3万420円

上表は10万円の追加控除が全額効く単純例です。課税所得、他の控除、住民税の計算、2027年の特別税の扱いで実額は変わります。導入費や追加作業時間も考え、控除額だけで会計システムを選ばないことが大切です。

今から準備すること

現在65万円控除を受けている人は、まず2027年分の75万円対応を会計ソフト会社へ確認し、仕訳帳と総勘定元帳の保存設定を見直します。紙申告や55万円控除の人は、e-Taxへ移行する準備を優先しましょう。確定申告全体の流れは税金・確定申告ガイド、副業所得の区分は副業収入がある人の確定申告も参考になります。

まとめ

青色申告特別控除の最大75万円は2027年分からです。65万円の基本要件に加え、優良な電子帳簿または一定のデジタル連携保存が必要で、会計ソフトを使うだけでは足りません。2027年1月から正しく保存できるよう、2026年中に設定と運用を確認しておくのが安全です。

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