株式投資家にとって、企業情報を知るための大切な情報ツールが会社四季報ですね。東洋経済が出版している書籍版が代表的ですが、実はネット証券に口座を作れば、多くの証券会社が四季報の情報をネットでも閲覧可能です。
また、四季報を出版している東洋経済は「四季報オンライン」という有料情報サービスも提供しています。ネット証券で無料で見られる四季報と有料の四季報オンライン、書籍版四季報との違いを紹介、比較していきます。
会社四季報と四季報オンライン
会社四季報は年4回発行されている全上場企業のカタログ情報誌です。特色、業績、財務、株価動向、株主などの情報をまとめたデータ本となっています。全上場企業の情報をコンパクトに読むことができるため、投資家にとってはバイブルともいわれています。
そんな四季報をネットでも読むことができるのが四季報オンラインです。
いや、でも四季報ってネット証券に口座を作れば読めるじゃん?っていうご意見はその通りです。SBI証券、楽天証券、マネックス証券といったネット証券ならパソコンやスマホ株アプリなどを通じて四季報の情報を見ることができます。無料で。
ただ、以下のようにネット証券で提供されている四季報情報とは違いがあります。
ネット証券版 | ベーシック | プレミアム | |
---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 1,000円(税別) | 5,000円(税別) |
スクリーニング | 銘柄名のみ | 152項目 | 251項目 |
四季報先取り | △(一部) | 〇 | 〇 |
見出し検索 | × | 〇 | 〇 |
ランキング | × | △ | 〇 |
時系列情報 | × | △ | 〇 |
四季報アーカイブ | × | 直近4号分 | 〇 |
企業情報検索 | × | 直近4号分 | 〇 |
大株主検索 | × | × | 〇 |
特に、検索機能、スクリーニング機能、過去号のアーカイブ・検索が強いです。デジタルデータとしてアーカイブされているのは四季報オンラインの強みです。
データ検索は強い、書籍の四季報より使いやすい?
四季報プレミアムの場合、1936年創刊号から最新号までのすべての四季報を読むことができます。
私はこれまで会社四季報は本の形式(書籍版)を中心に購入してきましたが、これは過去記事を読みたい、現在と過去記事の推移を見たいというのが大きな理由でした。
四季報オンライン(プレミアム)であれば、もっと手軽に過去の記事を含めて探すことができます。
ただ、書籍版の価値がないかというとそうでもなく、やはり投資先を探したいときにパラパラめくって探すことができるというのは強みです。
このほか、検索機能も強化されています。たとえば、特定の株主が大株主に上がっている銘柄を調べてみるというのは面白いですね。
スクリーニングと組み合わせて銘柄を探すのにもいい
四季報オンラインでは、様々な条件でスクリーニングが可能です。PERやPRBといった株価指標、ROEやROAといった経営指標、自己資本比率といった財務指標などをもとに3600を超える上場企業を絞り込みが可能です。
銘柄を絞り込みしたあとは、四季報独自の「企業スコア」を見てみたり、四季報ならでは企業情報と過去の情報をもとに投資先を探すということができます。
絞り込み(スクリーニング)をした後で、四季報アーカイブで過去から現在までのその会社の推移をみるといった使い方ができるのは、四季報オンラインの大きな強みと言えます。
書籍版よりも情報が早い
四季報オンラインを書籍版と比較したときの大きな強みは、情報の速さです。
四季報における情報価値は東洋経済の記者による業績予想やコメントを挙げる方が多いです。こうした情報は書籍版が発売されるより前に四季報”先取り”情報を見ることができるのはいいですね。
アプリを使えば外出先でも確認可能
四季報オンライン(有料会員)の方は四季報オンラインアプリを使うことでスマートフォンでも、四季報オンラインのサービスを活用できます。
私はパソコンを使うことが多いですが、外出先で確認することが多い方にとってはアプリは魅力的ですね。
四季報オンラインお値段はちょっと高め?
書籍版は2037円(税別)となっています。年4回発行なので毎号すべて購入したとしても8,148円(税別)で済みます。ちなみに、雑誌の定期購入サービスをやっているfujisanオンラインを使えば、8,037円(税別)で購入できます。
四季報オンラインの検索機能が不要であれば、紙の四季報を買い続けたほうが安いです。検索機能などをどう考えるかで価値は変わってくると思います。
実際のところ、四季報オンラインベーシックは年12,000円、四季報オンラインプレミアムは年60,000円の利用料金(税別)が必要になります。プレミアム版の年6万円(税別)の費用を投資収益でカバーしようと思うと、それなりの種(運用資金)がある、投資家向けといえそうです。
以上、四季報オンラインのメリット、デメリットと書籍版、ネット証券版と比較してみました。