投資信託

松井証券がロボアド活用の投信積み立てサービス「投信工房」を開始

toshinkobo

大手ネット証券の一つである松井証券が、新しくロボアド(ロボット・アドバイザー)を活用した投資信託の積立投資サービスの「投信工房」というサービスを開始しています。投信工房は投資家がとれるリスクの大きさに応じて最適なアセットアロケーションを提案してくれる投資信託サービスです。

取り扱っている(ロボアド対象の)ファンドはいずれもローコストファンドとして人気の高いファンドで、他のファンドラップ系のロボアドと違い管理手数料もかかりません。投資初心者に特におすすめできそうなサービスとなっています。

今回はそんな松井証券の投信工房を紹介していきます。

投信工房のサービス内容

投信工房はロボアドを利用した投資信託の購入・積立投資サービスとなっています。

ロボアド(ロボットアドバイザー)を活用して、投資家一人一人の投資資金の性質や運用期間、投資経験やリスクに対する考え方などをもとに、分散投資を提案してくれるサービスです。

 

ロボアドによるリスクに応じた資産配分

資産配分はロボアドによって高度にリスク分散されています。分散投資のメリットは「分散投資を成功させる3つのポイント」でも述べている通り、期待リターンを落とさずにリスク(価格変動率)を引き下げるという働きがあります。

こうした資産配分(アセットアロケーション)は高度な分析が必要になります。なぜならアセットクラスごとの資産配分などを自分で考える必要があるからです。

この点について「投資の成否はアセットアロケーション(資産配分)で決まる」でも紹介していますが、正直個人で判断するのは極めて困難です。

松井証券の投信工房なら、こんな難しい資産配分を自動でやってくれるわけです。こうしたものが個人投資家レベルで無料で使えるようになるというのはすごいことだと思います。

 

毎月500円から積み立て投資が可能

最低投資金額は500円からの積立投資。販売手数料が無料のノーロードファンドだけなので追加費用はかかりません。「投資信託の手数料の種類と特徴」でも紹介したように投資信託はその維持費用として信託報酬が必要になりますが、ファンドの純資産から引かれるので直接的に負担する費用はゼロです。

 

投信工房と他のロボアド活用のサービスとの比較

似たようなロボアドを活用した投資サービスは2016年からネット証券を中心に広がっています。このブログでも「楽天証券の楽ラップ」や「SBI証券(ウェルスナビ)」、「マネックス証券のマネラップ(MSV Life)」などを紹介しています。

ただ、松井証券の投信工房はこれらのサービスと大きく違う点があります。

管理手数料 投信の信託報酬 契約形態
楽ラップ
ウェルスナビ
MSV LIFE
年間0.6~0.7%程度 0.1~0.4%程度 ファンドラップ(投資一任契約)
投信工房 無料 0.1~0.4%程度 通常の投資信託の売買・積立

このように、楽ラップ、ウェルスナビ、MSV LIFE(マネラップ)はいずれも、投資一任契約(ファンドラップ・ラップ口座)という仕組みを使っているのに対して、投信工房は一般的な投資信託の積立投資と同じということです。

 

手数料が安い

最大の違いは「管理手数料(投資顧問料)」がないということです。ファンドラップは投資信託の購入を自動化してくれるサービスになりますが、投資信託自体のコスト(信託報酬)に加えて管理手数料が必要になります。合計で1%程度と、「ラップ口座やファンドラップ、そのメリットとデメリットを理解しよう」で挙げた大手証券のファンドラップほどのひどさはありませんが、コストがかかることに違いはありません。

一方で松井証券の投信工房については、ただの投資信託の積立サービスなので管理手数料は必要ありません。投資信託自体の保有でかかる信託報酬はありますが、同じロボアド活用のサービスと比較して優位性があります。

 

NISA口座にも対応している

また、ファンドラップ口座については頻繁な売買が行われる可能性があるためNISA(少額投資非課税口座)に対応していませんが、投信工房は投資信託の積立なのでNISAにも対応しています。

NISAは年間120万円までの投資が非課税となる制度です。投資信託投資のような長期的な投資と相性が良いといえそうです。ただし、投信工房のサービス内容で紹介した、リバランスなどを利用すると、NISAの枠をその分消費してしまう事になるので、ご注意ください。

NISAについては「NISA(ニーサ・小額投資非課税制度)に関するまとめ」で詳しく説明しています。

 

全体的に見て、ネット証券のロボアドを利用した投資信託がらみのサービスの中ではもっとも使いやすくて初心者向きだと思います。月々500円から、さらにNISA口座でも積立投資が可能なので、NISAを全く使っていないという人は、少しからでも始めてみるとよいかもしれませんね。

>>松井証券の投信工房の公式ホームページはこちら

ABOUT ME
高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。