株式投資やFX取引などの、注文方法としては指値(価格・数量を指定)、成行(数量のみを指定)、逆指値(一定以下の価格で売り/一定以上の価格で買い)といったものが基本です。
ただ、最近ではこうした注文方法に加えて、IFD注文(イフダン)、OCO注文(オーシーオー)、IFO注文(アイエフオー)といった、いわゆる特殊注文という注文方法が利用できるところが増えています。
これらの注文方法は、利益確定や損切り(ストップオーダー)の注文などをよりやりやすく、備えることができる注文となっています。特殊注文・自動売買注文などとも呼ばれます。
今回はそんなIFD注文、OCO注文、IFO注文といった特殊な株やFXの注文方法を紹介していきます。
特殊注文・自動注文を活用しよう
たとえば、株式投資をしているとします。
でも、昼間の時間は仕事も忙しくて、なかなか相場と向き合うことができない。でも、売買チャンスは逃したくないし、利益確定やロスカット(ストップオーダー)などのリスク回避もしたい。
そういった人に向いているのが今回紹介するIFD注文、OCO注文、IFO注文といった特殊注文・自動注文です。これらを活用すれば、相場に張り付かなくても、新規注文や利益確定、ロスカットまで幅広く対応することができます。
IFD注文とは?
IFD注文は「イフダン」です。「もしも~~ならば××する」っていう意味になります。
たとえば、ある株式を買いたいと思っているとします。
注文手法1
A株を1株100円で1000株購入する。もしも購入が成立したら、A株を105円で1000株の売り注文(利益確定注文)を出す。
注文手法2
A株を1株100円で1000株購入する。もしも購入成立ならA株を95円で1000売り注文(ロスカット注文)を出す。
注文手法3
保有するB株を1株200円で500株売り注文を出す。売却が成立したらA株を100円で1000株買い注文を出す。
こんな感じの取引ができます。一つ目の取引成立をトリガーにして、別の注文を出すことができるというわけですね。
OCO注文とは?
OCO注文は、一つのポジションに対して2つの注文を出して、片方が成立したらもう片方がキャンセルされるという注文です。「One Cancel the other Order」の略です。
指値注文と逆指値注文の両方を出すことで、利食いと損切の両方に対応できる注文です。
注文手法1
A株を保有しているが、相場の動向が不透明。1株110円で1000株の利益確定注文と、1株90円で1000株のロスカット注文(逆指値注文)を同時に出しておいて、利食い/損切の両方に備える
こうした感じで利用することができます。
IFO注文とは?
IFO注文は、ここまで紹介したIFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法となります。IFD+OCOなどと呼ばれることもあります。
通常のIFD注文との違いは、IFDで注文が成立した場合にOCO注文を出すという流れになります。具体例をもとに出してみましょう。
注文手法1
A株を1株100円で1000株購入する。もしも購入が成立したら、A株を105円で1000株の売り指値注文(利益確定注文)と95円で1000株の売り逆指値注文(ロスカット)の注文をOCO注文として出す。
こんな感じになります。株を買えたら、その株の売り注文をOCO形式で2つ出すという形です。
IFD注文、OCO注文、IFO注文ができるFX業者/証券会社
こうした特殊注文に関してFX業界は古くから対応をしており、IFD注文、OCO注文、IFO注文はほとんどの取引業者が対応しています。
一方で、株取引の分野では、そこまで要望がなかったのか、「auカブコム証券」や「マネックス証券」などが対応しているくらいで、あまり広くは利用されていない感じですね。この2社はIFD,OCO,IFO以外にもいろいろな特殊注文を用意していおり、おすすめです。
なお、「SBI証券」も2019年にIFD,OCO,IFO注文への対応を表明しています。