株式投資の売買注文に「逆指値」という注文方法があります。最近では多くのネット証券、証券会社でこの逆指値が使えるようになっているのですが、活用している方はそこまで多くないといいます。ちゃんと理解しておけばかなり便利な注文方法ですのでぜひ理解するようにしましょう。
逆指値とは
逆指値とは、指定の指値以上になれば買い注文(または指定の指値以下になれば売り注文)を出すという条件付特殊注文の一つです。普通の指値注文は、買い注文の場合指値以下の金額なら成立し、売り注文の場合は指値以上の金額なら成立するしくみなのでまるっきり「逆」の注文方法であるといえます。
普通に考えると、今の株価よりも高い金額での「買い注文」、今の株価よりも低い金額での「売り注文」というのは馬鹿げているわけですが、この逆指値注文は相場に張り付いていなくても売買をできる便利な注文なのです。
大きく「リスクヘッジ目的」「相場のチャンスを活かす」とうい二つの効果が期待できます。それぞれを見ていきましょう。
リスクヘッジ目的の逆指値
私が逆指値注文を使うのは大体がこの「リスクヘッジ」を目的とするものです。「参考:リスクヘッジとは」
たとえば、ある株式を保有しているとします。取得価格は1株300円で株価は現在290円です。この株を持っていて、急激な価格下落に対する損切り注文(ストップロス注文)として逆指値注文を活用します。
仮に280円をストップロス価格としてあなたが考えている場合、280円で逆指値売り注文を出しておきます。こうしておけば今後株価が280円になった場合は自動的に売り注文を出してくれ、これ以上損失が出ないようにしてくれるわけです。
(このようにこれ以上の損失拡大を防ぐような注文を「ストップロス注文」といいます)
相場のチャンスを活かす逆指値注文
先ほどはストップロス注文のように相場の下落に備えるヘッジ目的での注文でしたが、今度は逆にチャンスを活かすための買付注文での活用です。株式に限らず相場では、上値抵抗線をブレイクするときやゴールデンクロスといったように、「買いシグナル」が出ることがあります。
こうしたシグナルが出たときに、いち早く対応するために「逆指値」を活用するという方法があります。
たとえば、25日移動平均線価格をもう少しでブレイクしそうだとか、一目均衡表の雲をブレイクしそうといったように自分が買いだと思えるブレイク価格で逆指値の買いを入れるわけです。
たとえば、ある株が現在の株価が280円で300円を越えた場合にはおそらく、株価の値動きに勢いがつくだろう、と考えているような場合では300円で逆指値の買い注文を入れておくわけです。こうすることで相場に張り付いていなくても、チャンスを逃さずに投資をすることができるわけです。
ちなみに、この逆指値については「株式投資」をベースに解説していますが、FX取引(外国為替取引)など他の投資でも同じ考え方で活用できる注文方法となっております。
逆指値注文の注意点
逆指値注文には「指値」と「成行」があります。たとえば、A株を700円の逆指値売りという注文を出したとします。
このとき、逆指値(指値)は700円(値段は変更できる)の指値売り注文を出すというもの、一方逆指値(成行)はトリガー価格である700円にタッチしたら成行で売り注文を出すというものです。
このとき、もし値段が大きく動いていた場合を想定してみましょう。
値段が720円くらいから、大きな売りがでて一気に650円にまで株価が下落したとしましょう。このとき、逆指値(指値)では売り注文がでても、値段と合わず売買が成立しない可能性が高いです。逆に、逆指値(成行)で売り注文を出していた場合は、想定していないような安い値段で売ってしまうというケースもあり得ます。
どちらにも長所、短所がありますが、逆指値注文は値段が飛びやすい流動性の低い銘柄や、株価のアップダウンの激しい銘柄で使う時には、この点注意しておく必要があります。
参考
・逆指値注文
・特殊な株式注文方法が利用できる証券会社