FX取引(為替取引)はゼロサムゲームであるといわれます。ゼロサムゲームというのは相場でいえば儲けた金額と同じだけ損をする人がいるマーケットです。つまり、FXで大儲けいた人がいる一方で、必ず損をした人がいるマーケットがFXなんです。
食うか、食われるかという市場ですね。そんなFXというマーケットをゼロサムゲームという観点から見ていきましょう。
FXは本当にゼロサムゲームなの?
FXはゼロサムであることに疑いようはありません。
ゼロサムゲームとは、“ゼロサムゲームは複数の取引参加者が取引をする中で、全員の損益の合計がゼロとなるような取引や状況のことを指します。つまり、誰かが儲かれば誰かが損をするような取引をゼロサムゲームと言います。”
引用元:ゼロサムゲーム 投資やギャンブルで使われるゼロサムゲームの意味
そのそも、為替取引というのは、一方のレートともう一方のレートの相対的な価格をやり取りしているだけです。たとえば、円とドルの関係は円高になれば、相手方はドル安になっています。
つまり自分がFXでドル円を買ったということは、その反対側にいるドル円を売った人がいると言ことになります。それは相対取引ならFX取引業者になるわけです。
FX取引事業者はカバー取引という保険を行っていると考えられますが、そのカバーを引き受けている事業者がいるわけです。
自分の儲け額(損した額)は一対一になるわけでありませんが、巡り巡って総額では同じだけ損している(儲けている)わけですね。
投資は全部ゼロサムゲームなの?
そんなことはありません。
たとえば、株式市場を考えてみます。今日一日というそのタイミングだけを見ればゼロサムに限りなく近いです。
一方で長期的に見ればゼロサムゲームにはなりません。なぜなら、市場に対して企業がビジネスで稼いだお金が入ってくるからです。会計上は純利益になります。
こうして稼いだお金はその企業のBS(バランスシート)に加算されます。それだけその会社の価値が高まるわけですからマーケット全体も大きくなります。
市場全体が大きくなれば、全員が勝つといったこともあるわけです。一方で、市場全体が縮小する局面だと参加者全員が負けるということもあります。
一方でゼロサムゲームとなる取引も多くあります。
- 先物取引
- CFD取引
などは代表的なゼロサムゲームですね。たとえば株を扱う株価指数先物取引であっても、限月があります。その限月間の取引においてはゼロサムゲームが成立します。全取引参加者の損益はゼロとなります。
じゃあ、ゼロサムゲームのFX取引に投資をする価値はないのか?
トレード全体で見ればFX取引(為替取引)はゼロサムゲームであるということを理解しておく必要があります。
勝者と敗者がわかれる世界です。それはしっかりと理解しておく必要があります。
そして、為替市場に参戦しているプレイヤーは強大です。われわれ個人投資家は持てるポジションの大きさは限られる一方で、機関投資家と呼ばれる膨大な資金力を背景に戦えるプレイヤーがいます。
FX取引ではそうした強大な相手と同じ土俵で勝負するということは理解しておく必要があります。