株式における権利落ちをご存知の方は多いですよね。
企業によって配当金や株主優待などの権利を取得できる日(権利付最終日)の翌日が、権利落ち日となり、一般的には配当金相当額分だけ株価は下落します。
こうした権利落ちは実は、株価指数である日経平均にも発生します。というよりも、平均株価である日経平均などの指数も個別銘柄の「配当落ち」による影響を受けて株価が下がるわけです。
株価指数の権利落ち・配当落ちとは?
個別銘柄では権利落ち日には、配当金相当額に近い金額が翌日に下落します。
その株を持っている投資家からすれば、前日比で見れば下がっているけど、配当をもらえるわけだから、実質的には損はしていないという状況なわけですね。
そして、日経平均株価でも同じことが起こります。日経平均株価は日経新聞が算出した225銘柄の平均株価です。なので、一社一社の権利落ち分も当然「平均」を押し下げる働きをします。
一般に毎月月末を権利確定日をしている会社が多いので、その3営業日前に日経平均も権利落ちしているのです。
3月、9月は影響が大きい
日本企業は3月を決算する会社が多く、中間決算を9月に行います。なので、配当金(中間配当)の権利落ちは3月、9月に集中しやすい傾向があります。
そのため、日経平均株価に与える影響も小さくありません。
以下はくりっく株365の過去の日経平均の配当金を示したものです。決して小さくないことがわかります。
- 2017年1月:1.44円
- 2月:11.68円
- 3月:132.35円
- 4月:0円
- 5月:0.11円
- 6月:26.12円
- 7月:1.41円
- 8月:11.52円
- 9月:131.21円
- 10月:0円
- 11月:0円
- 12月:33.32円
- 2018年1月:1.74円
- 2月:12.18円
- 3月:158.33円
- 4月:0円
- 5月:0円
- 6月:29.4円
- 7月:1.45円
こんな感じになっています。
じゃあ、日経平均に投資をしている人はどうなるの?
そこで、きになるのは、日経平均に投資をしている人は、配当落ちの恩恵(配当分)をどうやって受け取っているのか?というところですよね。
個別株なら配当金はもらえますが、たとえば先物取引は配当金などもらえません。この権利落ち分は損をしているのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。各商品ごとにうまく調整されています。
インデックス型の投資信託やETFの場合
たとば、無分配型の日経平均連動のインデックスファンドなどがありますよね。こうしたファンドの場合、配当金分はファンド内で再投資しています。なので配当落ちの影響が出ることはありません。
ETFの場合、たとえば日経225連動型上場投資信託(1321)の場合、配当(分配金)を出しています。なので、日経平均の権利落ち・配当落ちとは厳密に連動せず、ETFの分配金の権利落ち日にその分が調整されるような仕組みになっています。
先物取引の場合
日経平均先物取引の場合は、限月という仕組みがあります。
つまり、配当の権利落ちの影響が大きい3月限月、9月限月の日経平均先物とその他の月の先物の取引価格をみていただくとわかりますが、配当落ち相当分に近い金額の差がある価格で取引されています。
たとえば、3月限月と6月限月の差を見るとおおよその配当落ちの金額を知ることができます。