節分天井・彼岸底のイメージ

節分天井・彼岸底とは、「節分のころに株価が高値をつけ、春のお彼岸のころに安値をつけやすい」という株式相場のアノマリーです。2月上旬から3月中旬にかけて日本株が調整しやすい、という相場格言として語られます。

ただし、2026年までの日経平均株価で確認すると、毎年その通りになるわけではありません。2010年から2026年までの17年では、節分近辺から彼岸近辺にかけて下落した年は9回、上昇した年は8回でした。勝率だけを見ればほぼ五分で、単独の売買サインとして使うには弱いアノマリーです。

節分天井・彼岸底とは?意味をわかりやすく解説

節分天井・彼岸底は、株式市場で昔から使われる相場格言のひとつです。

  • 節分天井:2月上旬、節分のころに相場がいったん高値をつける
  • 彼岸底:3月中旬から下旬、春のお彼岸のころに相場が底をつける

つまり、「年明けから上昇してきた株価が2月上旬に一服し、3月中旬ごろまで調整しやすい」という経験則です。

こうした季節性や経験則は、株式相場では「アノマリー」と呼ばれます。アノマリー全般については、当サイトの株式相場のアノマリーとは?代表例と注意点でも解説しています。

由来は米相場。現在の株式市場では理由づけが後付けになりやすい

節分天井・彼岸底は、もともとは米相場に由来する言葉とされています。旧暦や農作業の季節性、米の需給などが相場に影響していた時代の経験則です。

現代の株式市場で説明される場合は、次のような理由が挙げられることがあります。

  • 1月の新春相場で買われた後、2月上旬に利益確定売りが出やすい
  • 2月上旬から中旬に企業決算が出そろい、材料出尽くしになりやすい
  • 3月期末を前に、機関投資家のリバランスや持ち高調整が入りやすい
  • 3月下旬には配当・株主優待の権利取りを意識した買いが入りやすい

もっとも、これらは「そう説明できることもある」という程度です。実際の株価は米国株、為替、金利、日銀の金融政策、企業業績、地政学リスクなど、より大きな材料に左右されます。

2026年版:日経平均で節分天井・彼岸底を検証

ここでは、日経平均株価の終値を使って、2010年から2026年までの節分近辺と春分の日近辺を比較しました。

検証条件は以下の通りです。

節分近辺 日経平均終値 彼岸近辺 日経平均終値 騰落率 格言どおり
2026年 2/3 54,720.66円 3/19 53,372.53円 -2.46%
2025年 1/31 39,572.49円 3/19 37,751.88円 -4.60%
2024年 2/2 36,158.02円 3/19 40,003.60円 +10.64% ×
2023年 2/3 27,509.46円 3/20 26,945.67円 -2.05%
2022年 2/3 27,241.31円 3/18 26,827.43円 -1.52%
2021年 2/2 28,362.17円 3/19 29,792.05円 +5.04% ×
2020年 2/3 22,971.94円 3/19 16,552.83円 -27.94%
2019年 2/1 20,788.39円 3/20 21,608.92円 +3.95% ×
2018年 2/2 23,274.53円 3/20 21,380.97円 -8.14%
2017年 2/3 18,918.20円 3/17 19,521.59円 +3.19% ×
2016年 2/3 17,191.25円 3/18 16,724.81円 -2.71%
2015年 2/3 17,335.85円 3/20 19,560.22円 +12.83% ×
2014年 2/3 14,619.13円 3/20 14,224.23円 -2.70%
2013年 2/1 11,191.34円 3/19 12,468.23円 +11.41% ×
2012年 2/3 8,831.93円 3/19 10,141.99円 +14.83% ×
2011年 2/3 10,431.36円 3/18 9,206.75円 -11.74%
2010年 2/3 10,404.33円 3/19 10,824.72円 +4.04% ×

結果:17年中9年が下落。勝率は高くない

2010年から2026年までの17年間では、節分近辺から彼岸近辺にかけて日経平均が下落した年は9年、上昇した年は8年でした。

  • 格言どおりに下落した年:9回
  • 格言に反して上昇した年:8回
  • 平均騰落率:+0.12%
  • 中央値:-1.52%

数字だけを見ると、節分天井・彼岸底は「かなり当たりやすい法則」とまでは言えません。特に2020年は新型コロナショックによる急落が含まれており、この1年だけで全体の印象が大きく変わります。2020年を除くと平均騰落率はプラスになり、むしろ春分前後にかけて上昇した年も目立ちます。

2025年と2026年はいずれも格言どおりに下落しましたが、2年続いたからといって翌年も同じになるとは限りません。直近の相場環境、米国株、為替、金利、企業決算を合わせて見る必要があります。

なぜ「当たったように見える年」があるのか

節分天井・彼岸底が当たったように見える年には、季節要因よりも別の材料が重なっていることがあります。

たとえば、2011年は東日本大震災、2020年は新型コロナショックの影響が大きく、純粋な季節性だけで下落したとは言い切れません。2018年も米国株の急落や世界的なリスクオフの影響を受けています。

また、3月は日本企業の決算期末が集中する月です。配当・株主優待の権利取り、権利落ち、機関投資家のリバランスなど、需給面のイベントが多くなります。3月下旬の日経平均の値動きを見るときは、日経平均の権利落ち・配当落ちの影響もあわせて確認しておきたいところです。

投資判断でどう使うべきか

節分天井・彼岸底は、「2月上旬に売って3月中旬に買えばよい」という機械的な売買ルールには向きません。

使うとすれば、次のようなチェックリストとして考えるのが現実的です。

  • 2月上旬までに相場が急騰していないか
  • 企業決算の内容と株価反応がかみ合っているか
  • 米国株、米金利、為替が日本株の重荷になっていないか
  • 3月期末の配当・優待取りや権利落ちの影響を織り込んでいるか
  • 短期売買ではなく、長期の投資方針と矛盾していないか

日経平均やTOPIXに分散投資したい場合は、当サイトの日経平均やTOPIXに投資をする5つの方法も参考になります。Money Lifehackでも、日経平均やTOPIXに投資をする方法日経平均株価に連動する投資信託が整理されています。

また、いきなり大きな資金を動かすのが不安な人は、ポイントを使って少額から相場の値動きに慣れる方法もあります。ポイント投資の攻略ブログのポイント投資とポイント運用の違いは、投資初心者が少額で始める選択肢を比較するうえで参考になります。

まとめ:節分天井・彼岸底は「警戒する時期」を知るための格言

節分天井・彼岸底は、昔から知られる有名な相場格言です。しかし、2010年から2026年までの日経平均で見る限り、単独で売買判断に使えるほど強い傾向は確認できませんでした。

一方で、2月から3月は決算、期末需給、配当・優待、権利落ち、海外市場の変動が重なりやすい時期です。相場の過熱感やリスク管理を見直すきっかけとしては、今でも一定の意味があります。

結論として、節分天井・彼岸底は「当たる格言」として盲信するものではなく、「この時期は相場が荒れやすいかもしれない」と意識するためのカレンダー情報として使うのがよいでしょう。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。