SBI証券では、個別株式の時間外取引が可能なPTS市場(SBIジャパンネクストPTS)を利用することができます。いわゆる夜間取引が可能なマーケットで個人投資家が取引に参加できるのはSBI証券のみとなっています。
株式市場が終わった後の時間でも個別株取引ができるため、昼間の時間は株の売買はできないという忙しい方も参加できます。また、引け後に発表された決算や様々な材料によって株価が反応するケースも多く、そうした株価の動きを取引チャンスとして活用することもできます。
今回はそんなSBI証券PTSを活用する方法などを紹介していきます。
そもそもPTSとは何か?
PTSとは、Proprietary Trading Systemの略で日本語では「私設取引システム」と呼ばれています。
株の売買は通常「証券取引所」を通じて行われますが、こちらの取引所を経由せずに株の売買をするいことができる場所をPTSと呼びます。
欧米ではこうしたPTSによる株の売買ボリュームも大きくなってはいますが、日本国内においてはまだまだ普及しているとはいい難い状況です。
なお、2016年9月現在で日本国内において個人投資家が参加することができるPTS市場は「ジャパンネクストPTS(SBI証券)」となります。以前はネット証券によるPTSは「kabu.comPTS(auカブコム証券)」「マネックスナイター(マネックスナイター)」などがありましたが、いずれも2011年~2012年にかけてサービスを終了しています。
SBI証券のPTS取引の特徴
取引可能時間
8:20 ~ 16:00(デイタイム・セッション)
18:00 ~ 23:59(ナイトタイム・セッション)
※ナイトタイムセッションの時間が2017年2月1日より1時間早くなりました。
手数料が安い
実はSBI証券のPTS取引手数料はマーケット(証券取引所)での取引手数料よりも5%だけ安く設定されています。
なお、マーケットが空いている時間もPTS取引は可能で、「SOR注文」といって取引所とPTSの有利なほうで注文を出す設定が可能です。PTS取引で成立すればその場合も安い手数料になります。
PTS取引を利用するメリットとは何か?
個人投資家がPTSを利用した株取引をするメリットやにはどのようなものがあるのでしょうか?ちなみに、以下の詳細な取引条件などはSBI証券が提供しているPTS取引に準拠して説明していきます。
1)夜間も株の売買ができる
SBI証券のPTSの取引時間は夜間19時~23時59分までの時間となっています。
昼の市場が空いている時間に株取引ができないような方にとってこうした場で売買をすることができるのは大きなメリットであるアといえるでしょう。
2)明日の株価の参考になる
引け後も取引されるPTS取引の取引価格は、引け後に発表された情報をもとに取引されているため、翌日の株価形成等において「多少」の参考になります。
多少とあえて書いたのは次の(3)の項目でも説明する通りPTS取引の価格形成は特に大きな材料が出たときには参考にならないことが多いからです。
3)時々極端な値段(株価)が付くことがある
これは私は結構活用している部分なんですが、PTS市場は個人投資家の参加率が高く、ときどき極端な売買注文を出すことがあります。引け後の決算やニュースなどで材料が出たとき、に過剰反応をすることも少なくありません。
特に悪材料が出たときには急に売られることも多く、PTSはそもそも出ている注文の量が少ないため、ちょっとまとった注文が出ただけで株価は時に、想像以上に大きく下落することがあります。こうしたときにリバウンド狙いで買うというのも一つの戦略だと思います。逆に保有株が暴騰したような場合にはそこで利益確定しておくといった方法もあります。
このような好材料・悪材料を上手に集めておき、取引チャンスを有効に活用しましょう。なお、こうした材料としては「適宜開示情報」が極めて重要です。「適時開示情報メール配信や上場企業イベント情報配信の大和IRモニタークラブ」でも紹介した大和IRのモニタークラブ(無料)に会員登録して、銘柄を登録しておけば登録銘柄の開示情報をメールで送ってくれるのでチャンスをのがしません。こちらも超おすすめです。
PTS取引を利用するデメリット、注意点
SBI証券のPTS取引に限りませんが、PTS取引は取引のボリュームが少ないです。
前述のメリットで「極端な価格で売買できるチャンスがある」と書いていますが、逆をいうとそれだけ注文の板が薄いというわけです。PTSを通じて保有株を大量に売却しようとすると自分自身の売りで株価を下げてしまうような恐れもあるわけです。
また、買いたい(売りたい)とおもって適正な価格で注文を出したケースでも売買が成立しないということも多々あります。
以上のようにPTS取引(SBI証券)にはメリットもデメリットもあります。
ただ、利用できるときは利用するというスタンスの場合デメリットはさほど気になるものではないでしょう。
個人的にはチャンスのためにも口座を持っておくことをお勧めします。なお、総合口座(普通の口座)を開設すれば特に手続きなどをする必要なく、SBI証券のPTS取引が可能になります。
SBI証券の時間外取引が可能なPTS取引のメリット、デメリットと投資チャンス活用法をまとめてみました。上手に活用してくださいね。