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IPO投資 証券会社のIPO抽選時の余力と資金拘束のまとめ

counting-money-1239201IPOに応募するために証券会社各社のブックビルディングに応募しているという方も多いのではないでしょうか?そうしたブックビルディングへの応募や抽選への参加について理解しておくべきポイントが一つあります。それは抽選対象になるための資金が確認されるタイミングや資金拘束です。

無制限に投資資金があるという方は別ですが、限られた投資資金で効率よくIPOに申し込みをするためのポイントやコツを紹介していきます。

IPO抽選のタイミングと資金

各証券会社のIPO抽選はブックビルディングで申込価格(通常は上限金額)×申し込み株数の資金が必要になります。たとえば1500円で公募価格が決定した株に100株の申し込みを入れている場合、抽選時点で1500円×100株=15万円の投資余力がない場合、そもそも抽選の対象になりません。

そのため、遅くとも抽選のタイミングまでには申込価格×申込数量分の資金を証券会社の投資資金に預け入れておく必要があります(岡三オンライン証券は不要)。

IPOへの申し込みと資金拘束

続いて知っておきたいのが資金拘束です。

資金拘束というのはIPOに申し込みをしたときに「申込数量」×「申込価格」分の資金(買い付け資金分)を出金等することができないように証券会社から拘束されることを指します。この資金拘束のタイミングは証券会社によってバラバラです。

ブックビルディングへの申し込み時点で拘束される証券会社もあれば、当選(補欠当選)となるまでは拘束されない証券会社もあります。

たとえばブックビルディングで資金拘束がされる証券会社の場合でブックビルディング期間が重複した場合などは必要資金が大きくなりますのでご注意ください。

IPO投資家なら絶対必要な証券会社の資金拘束ルール

以下で紹介するSBI証券、auカブコム証券、SMBC日興証券、岡三オンライン証券はIPO投資をするうえで、抽選・当選の確率を高めるうえで確実に抑えておきたい証券会社です。

それぞれでブックビルディング(BB)申し込み時の資金拘束等のルールが異なるのでしっかりと把握したうえで限られた資金の配分を考える必要があります。

SBI証券のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

SBI証券は抽選のタイミングまで資金拘束はありません。
そのため、抽選日までに申込数量×申込価格分の資金を預け入れておけばOKです。

なお、同日が抽選日のIPO銘柄が複数ある場合「(1)発行決議日順→(2)ブックビルディング開始日順→(3)上場日順→(4)銘柄コード順」の順で抽選が進められるそうです。

そのため、申込数量×申込価格が(1)100万円、(2)120万円、(3)10万円のIPOの抽選が同日にある場合、120万円の資金があれば三つとも抽選対象になります。同一資金による重複申し込みが可能です。

ただし、(1)で当選(補欠当選含む)となった場合、資金のうち100万円が資金拘束されます。このケースでは余力が20万円になってしまいますので、(2)のIPO抽選には参加できません。ただ(3)のIPO抽選には余力があるため参加できるという形になります。

なお、SBI証券は申し込み口数単位で抽選されるので、ほしいIPOについてはできるだけ大きな口数で申し込みをしておくのがお勧めです。この特徴から大口の投資家ほど当選しやすいのですが、落選した場合でもIPOチャレンジポイントが貰え、将来のIPO当選確率がどんどんアップすることになるので小口の投資家も抑えておく必要があるネット証券です。

auカブコム証券のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

三菱UFJ証券と関係の深いMUFGのネット証券です。金融グループとしての総合力を生かした引き受け力で、委託幹事としてIPO抽選に参加できることが多いです。IPO投資をするなら外せない証券会社の一つです。資金が少ない投資家に人気です。

IPO抽選方式は1口座1票の完全抽選です。数量は関係ないので資金拘束の関係から最小数量での申し込みをお勧めします。

ブックビルディング申し込み時に必要資金の余力が必要ですが、資金拘束はされません。
そのため同一資金による重複申し込みが可能です。

た とえば150万円を預けておき、①100万円、②150万円、③20万円のIPOのブックビルディング期間にかぶっていても150万円あれば三つとも申し 込み可能です。資金拘束は「購入申し込み」をした段階で発生します。

購入申し込み後に抽選となるため、BB応募時には150万円の資金拘束で済みますが、最終的な抽選時には全額が必要になります。ただし、抽選日がずれている場合は資金拘束が解放されるので、実質的に必要な資金は抽選日が同一のIPOの必要資金のみということになります。

IPO投資をするなら確実に抑えておきたい証券会社です。

SMBC日興証券のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

大手総合証券ですが、ダイレクトコース(インターネット取引口座)にも10%分のIPOを配分しています。完全抽選ということもあって人気が高いです。

資金拘束はBB申込時。
抽選後は「当選者」のみ資金拘束が継続します。補欠当選の場合は資金拘束は解除されます。ただし、解除されたからといって出金すると結果的に補欠当選を辞退したことになります。

ちなみに、IPOに当選したのに辞退すると以降、1か月間IPOの抽選に参加できなくなります。

マネックス証券のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

auカブコム証券と同様に一人一票の完全抽選制ですが、資金拘束のルールがやや厳しいです。
ブックビルディング時点で申込数量×申込価格の資金が拘束されて出金もできませんし投資余力からも外れてしまいます。同一資金による重複申し込みは不可能となります。同じ時期にIPOが重なったときにはまとまった資金が必要になることがあります。

申込数量を増やしても資金拘束が大きくなるだけで抽選確率には影響しませんので最小単位での申し込みをお勧めします。

IPO銘柄①:6月10日~6月15日 必要資金100万円
IPO銘柄②:6月12日~6月17日 必要資金120万円
IPO銘柄③:6月16日~6月20日 必要資金20万円

上記の場合、6月10日に①のBBに応募すると100万円が拘束されます。6月12日に②のBBに申し込みをするとすれば100万円とは別に120万円が必要となります。③のBBに応募するとき①に落選していれば100万円の資金拘束が解放されるのでその分で申し込みが可能になります。ただし、①のIPOに当選していた場合は資金拘束が継続されるので申し込みには別途20万円が必要となります。

岡三オンライン証券のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

近年IPO件数が増加傾向にあります。資金拘束が緩いというか実質存在しないため、口座だけでも開けておくべき証券会社です。IPOは完全抽選ですが、取引量に応じた3段階のステージがあるので日ごろ取引している投資家の方が有利にはなります。

資金拘束は当選(補欠当選)した場合のみです。当選または補欠当選したら、発行価格分の入金が決定日の翌日15時までに必要となります。資金拘束は当選辞退で解除されます。

つまり、当選するまでは口座残高はゼロでもいいという証券会社になります。前受け金不要でIPOのチャンスがある証券会社は少ないので上手に活用してください。

ネオモバ(SBIネオモバイル証券)のIPO申し込み時の必要資金のタイミングと資金拘束

ネオモバ(SBIネオモバイル証券)は少し独特です。ひとかぶIPOという1株単位のIPO申し込みが可能になっているのですが、抽選のタイミングは条件決定のタイミグではなく、決定後になります。

そのため、他社で申し込みをしてから外れたのがわかったうえで申し込みが可能になります。

IPO抽選は資金の効率的な移動や管理が重要

IPO抽選確率を高めるためにはできるだけ多くの証券会社に口座をもって、抽選に参加するというのが重要です。

資金の必要性を優先順位をまとめると下記のようになります。

①auカブコム証券・SMBC日興証券・マネックス証券
いずれも完全抽選なので最小数量×価格分の資金を入れておくとよいです。どうしても資金的に厳しい場合はBB時に資金拘束されるマネックス証券を外すとよいかと思います。
>>auカブコム証券公式ホームページ
>>SMBC日興証券公式ホームページ
>>マネックス証券公式ホームページ

②SBI証券
たくさん資金がある人ほど有利になります。①の最小資金を除いた余力分はSBI証券に入れておくとよいでしょう。ちなみに、IPOチャレンジポイントのことを考えると最小分くらいはIPOに参加することをお勧めします。
>>SBI証券公式ホームページ

③岡三オンライン証券
とりあえず資金は不要で、当選(補欠当選)をした場合は翌日の午前中くらいの資金移動しておけば大丈夫です。
>>岡三オンライン証券公式ホームページ

④+αで活用したいネオモバ(SBIネオモバイル証券)
上記のいずれの証券会社を活用する場合でも+αで使えるのがネオモバです。抽選が終わった後に追加で申込ができます。住信SBIネット銀行を利用すればリアルタイムで入出金ができるのでSBI証券との組み合わせもいいですね。
>>ネオモバ公式ホームページ

資金移動のためにネットバンクの口座を持っておこう

資金移動を円滑にするためにはネット銀行の口座を利用しておくと便利です。IPOでは応募や当選時などに証券会社間の資金移動をする必要があります。

ちなみに、最強なのは「ジャパンネット銀行」です。意外と思われるかもしれませんが、上記のすべての証券会社のリアルタイム入金に対応しています。

また、ネオモバに関しては住信SBIネット銀行のみがリアルタイム入金に対応しているのでこちらの銀行も抑えておきたいです。

>>ジャパンネット銀行公式ホームページはこちら

>>住信SBIネット銀行公式ホームページはこちら

以上、IPO投資で知っておきたい証券会社に預ける資金と資金拘束のまとめでした。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。