証券会社で株取引、特に信用取引をするという方が増えているようです。ネット証券の普及により信用取引がより手軽に行えるようになってきたのも背景かと思います。さて、そうした信用取引をするときに注意したいのが「金利・貸株料」の概念です。現物株の取引コストは「手数料」が中心だったわけですが、信用取引の場合はこうした「金利コスト」を重視する必要があります。

信用取引にかかるコストのまとめ

信用取引をするうえで必要になるコストは大きく「手数料」と「金利・貸株料」の2種類があります。現物株取引の場合は、前者の手数料しかかかりませんので、意外とこの後者の「金利・貸株料」を考えない方も多いようですが、気をつけましょう。

手数料

現物株取引の場合と同様です。ただし、証券会社の手数料表などを見てみると、手数料が現物株よりもかなり安くなっているケースが多いです。現在では、SBI証券、楽天証券、GMOクリック証券、SBIネオトレード証券など、多くの主要ネット証券が信用取引の売買手数料を「無料」としています。

金利・貸株料

信用取引における「信用買い」や「空売り」は、証券会社から現金や株券を借りてきて取引をすることになります。「借りる」以上はその借りるためのコスト(金利)を支払う必要があります。それが、金利・貸株料です。金利は信用買いのケース、貸株料は空売りをする場合に発生します。

なお、この仕組みがわからないという方は「信用取引とは」などを参考に、信用取引の仕組みを学んでください。

制度信用取引と一般信用取引の違い

信用取引には大きく分けて「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があり、それぞれコストやルールが異なります。

比較項目 制度信用取引 一般信用取引(無期限)
返済期限 最長6カ月 無期限
買方金利の目安 2.75%前後 2.00%前後
貸株料の目安 1.10%前後 0.80%前後
逆日歩リスク あり なし

一般信用取引は返済期限が無期限であるほか、金利が低く設定されている傾向があり、逆日歩(後述)のリスクがないという特徴があります。

特に注意したい「金利と貸株料」

上記のコストのうち、手数料は無料化が進んでおり分かりやすいです。しかしながら、「金利」「貸株料」は意外と分かりにくく、さらに取引の方法によっては高コストの支払いが必要になるのです。

金利・貸株料のしくみと計算方法

信用取引の金利や貸株料は各証券会社によって利率が提示されています。具体的に、GMOクリック証券のケースで信用取引の金利・貸株料を見ていきたいと思います。

GMOクリック証券の金利・貸株料

  • 買方金利:2.75%(制度信用) / 2.00%(一般信用)
  • 貸株料:1.10%(制度信用) / 0.80%(一般信用)

どういう意味かというと、信用取引をしてそのポジション(建て玉)を維持する上で、年利換算で上記の金利が発生するという仕組みになっています。

金利の計算式

建玉金額 × 金利(年率)÷ 365 × 保有日数

たとえば、ある会社の株式として、1株1000円で3000株を信用取引(買い)をしたとします。この場合、1000円×3000株=300万円のポジションを持つということになります。

信用金利はこの300万円に対して発生することになるわけです。300万円の制度信用金利2.75%というと年8万2500円です。1日に換算すると約226円という金利に直すことができます。この金額が大きいと感じるか、小さいと感じるかは投資家次第ではありますが、決して安い金額ではないと思います。

金利の利率自体は小さく感じるかもしれませんが、信用取引は証券会社に預けている資金の数倍の取引ができるわけです。委託保証金率は30%が法的最低ラインであり、たとえば、500万円の投資資金を預けているケースでは、最大で約3.3倍の1650万円ほどのポジションを組めるわけです。この1650万円の2.75%なら年間で45万3750円の金利が発生する計算になります。

ちなみに、金利・貸株料は毎日加算されています。そのため、売買の期間が短い方はさほど大きな金額にはなりませんが、制度信用取引の期限いっぱい(6カ月)ポジションを維持するような場合は高額の負担をすることになってしまいます。

信用取引におけるその他の重要コストとリスク

金利や貸株料以外にも、信用取引を行う上で必ず知っておくべきコストやリスクが存在します。

逆日歩(品貸料)の発生リスク

空売り(信用売り)を行う際の重要なコストに「逆日歩(ぎゃくひぶ)」があります。制度信用取引において、売り建てが買い建てを上回り株不足が発生した場合、証券金融会社が機関投資家などから株を調達するための費用として発生します。逆日歩は予測が難しく、急騰するリスクがあるため注意が必要です。なお、一般信用取引では逆日歩は発生しません。

追証(追加保証金)のリスク

信用取引では株価が不利な方向に動くと、含み損によって保証金維持率が低下します。最低委託保証金率(一般的に20%、最低保証金額30万円)を下回った場合、追加で保証金(追証)を差し入れる必要があります。指定期日までに入金できなければ強制決済となるため、資金管理の徹底が不可欠です。

信用取引で証券会社を比較する場合のポイント

信用取引をするために証券会社を比較するポイントとしては、現在多くのネット証券で手数料が無料化されているため、実質的に「金利・貸株料」を重視することが大切だということが分かっていただけたかと思います。

まず、売買を超短期、デイトレードで考えているような方の場合は金利・貸株料はあまり考慮しなくてもいいかもしれません。GMOクリック証券などが提供する「一日信用取引」などを活用すれば、当日中に決済することを条件に金利がゼロになる特例もあります。そうしたサービスを活用するのも一つの方法です。

一方で、短期売買だけではない信用取引の利用も考えているというのであれば、以下の比較表のように金利を重視する方がよいでしょう。

主要証券会社の信用取引コスト比較

証券会社 信用手数料 制度信用買方金利 制度信用貸株料
SBI証券 無料 2.80% 1.10%
楽天証券 無料 2.80% 1.10%
GMOクリック証券 無料 2.75% 1.10%
SBIネオトレード証券 無料 2.30% 1.10%
SMBC日興証券 無料

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高山一郎
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