閑散に売りなしという相場格言は、相場が大きく下落したのち、出来高が少なくなった状態で株を売るのはやめておけという趣旨の格言となります。閑散相場というものは株価が下落し、横ばいとなり、それによって投資家の売買が少なくなってしまうというもの。そういう相場になると、株価が上がらないならもう売ってしまえ!と思う人も増えるのですが、そこで売るのはやめておけという格言になります。閑散相場では「売りがでない(売り注文がでない)=株価が下がらない」という意味ではないので注意してください。
高値圏から下落した持合相場(閑散相場)
「閑散に売りなし」という状況はまさに、高値圏から下落して持ち合い相場が生まれたときの状況を意味します。
こういった持合相場が長く続くと、取引参加者が次第に減っていき、相場の出来高は細っていくことになります。その状態が続くと痺れを切らした投資家が売る人もいるわけです。
そういう状況で株価が下がっても、それは単発的な売りですのでそれが一巡することで、買いの目が出てくることがあります。そうした反動で買いが買いを呼び、持合相場を上にブレイクすることもあるわけです。
「閑散に売りなし」という格言は、そんなタイミングではどうしても気弱になって、ついつい売りたくなってしまうものだが、閑散相場で安易に売るべきではない。というものなのです。
ただし、あくまでもそういったケースもあるという話にすぎません。もみ合った挙句、下放れるというケースも多々あるわけで、必ずしもこの格言が正しいと言うわけではありません。
この格言もケースバイケースというお話。特にもみ合った期間が長くなるほど、下方向に動いたときの幅も大きくなる傾向があるため、「閑散に売りなし」という言葉を過信して買い向かって大損をするということがないようにしましょう。
また、ノーポジの場合もこの状況で買うのではなく、上昇を確認してから買っても遅くはないともいえます。
「出来高少ないのに底堅い」という意味でも使われる
あと、投資や相場関連のニュースなどでも良く「閑散に売りなし」という言葉はつかわれます。こうした場合は出来高が少ない(相場が閑散としている)にも関わらず株価が底堅いという意味で言われることが多いです。
例:閑散に売りなしで底堅い展開。●●で売買手控え。