景気というのはお金の流れのことを指します。景気がいいというのは皆がお金を使いその流れが速いこと、一方で景気が悪いと言うのは皆がお金を使わないという状況を指します。そうした景気はある周期で変動していきます。これを「景気循環(景気変動、景気の波)」といいます。今回はこの景気循環について紹介していきます。
景気循環とは何か?
景気と言うものは基本的に波のように良くなったり悪くなったりを繰り返します。どちらでもない一定の水準で動き続けると言うことはありません。
その景気の波は、様々な要因によってもたらされると言われています。代表的なものとして「キチンの波」「ジュグラーの波」「クズネッツの波」「コンドラチェフの波」という4つの景気循環があると言われてます。
キチンの波
キチンの波というのは、4つの景気循環の中でももっとも短い循環で、企業の在庫調整による生産拡大、清算縮小による景気の波と言われています。おおよそ40ヶ月程度とされます。
・生産増加・在庫減少(景気拡大)
・生産増加・在庫増加(景気拡大の終盤)
・生産減少・在庫増加(景気減速)
・生産減少・在庫減少(景気原則の終盤)
上記の4つの流れから生み出される景気循環がキチンの波とされています。
→キチンの波とは(金融経済用語辞典)
ジュグラーの波
企業の設備投資の循環に伴う景気変動とされているのがジュグラーの波です。おおよそ10年程度の周期とされています。工場などによる産業機械、ロボットなどの大型設備の買い替えなどによる消費(投資)の周期による波とされます。
→ジュグラーの波とは(金融経済用語辞典)
クズネッツの波
クズネッツの波はジュグラーの波よりも長く、20年という周期による景気循環とされます。これは建築物(住宅、商業施設、工場)の建て替えによる景気変動とされます。そのため「建築循環」と呼ばれる場合もあります。
また、20年と言う周期が人が成人する周期でもあるため、人口動態による景気循環と呼ばれる場合もあります。
→クズネッツの波とは(金融経済用語辞典)
コンドラチェフの波
コンドラチェフの波は50年に一度の景気循環とされています。技術革新による景気変動といわれています。
→コンドラチェフの波とは(金融経済用語辞典)
景気循環と株価、投資の関係
正直、上記の4つの景気の波動において現状がそれぞれどの位置にいるのか?ということを把握することは困難です。ただし、おおよそ上記のような流れがあることを知っていれば、生産の流れ、設備投資の流れ、住宅投資(建築投資)の流れなどについてのちょっとしたヒントになるのではないかと思います。
そうした意識を持って相場や経済を見てみる視点は大切ですし、実際の投資にも役立つかと思います。