外貨投資というとFX(外国為替証拠金取引)が人気ですが、ハイレバレッジで一攫千金という投資ではなく純粋に外貨投資を行うというのであれば、2015年12月までは「外貨MMF」が確実にお勧めです。理由は非課税のメリットを活かしつつ、運用状況によっては株や投資信託との間での損益通算も行えるという、節税のいいとこどりができるからです。
外貨MMFの為替差益は2015年まで非課税
外貨MMFにおける為替差益(為替売買による利益)は以下のようになっています。外貨預金の場合は雑所得として総合課税、FXの場合は申告分離課税(税率20%)、外貨MMFの場合非課税。
このように、外貨MMFは現在のところ税制としては魅力ある状態となっています。なぜ、外貨MMFが非課税なのかという点については公社債投資信託という扱いでその売買益という形になるからです。より詳しい仕組みを知りたい方は「外為投資なら外貨MMFがおすすめ」の記事をご覧ください。
しかしながら、2016年以降は税制改正に伴い、公社債投資信託も株式投資や株式投資信託などと一元化されて課税される形へ税制が変更されます。これによって、外貨MMFの売却益(為替差益)も課税されることになり、税率はFXと同様の20%課税へと変更されます。
2015年末までは外貨MMFが有利な理由
今から外貨投資をしたとします。2015年末まで運用したとして、この時点で利益が出ていれば、2015年末までに一旦売却をします。この時、売却による利益(為替差益)は非課税となります。その時点で為替差益が出ているというのであれば一旦清算して非課税のうちに利益を出してしまいましょう。
そのあとで外貨を保有したいなら、外貨MMFで再投資してもよいでしょう。ただ、コスト(手数料)などを考えると、課税されるのであればFX(外国為替証拠金取引)のようなローコストで買わせて取引できるような取引方法の方がお勧めです。
⇒FX取引業者の選び方
逆に、2015年末の状態で為替差損(含み損)が出ているとします。そのような場合は、損を2015年内に確定させるのではなく、それを2016年以降に持ち越しましょう。
2016年以降に売却して損が出たとすると、その損失分は株式投資による利益や株式投資信託による利益、それらの配当金・分配金との間で損益通算が可能となります。
そうなると、本来支払うべき株や投資信託による利益に対する税金部分を小さくすることができるわけです。
損益通算が使えるのは、株や投資信託などにも投資をしている人だけですが、上手に使えるものは上手に活用していきましょう。また、為替の売買タイミングについては投資判断もあることですので、確実に持ち越した方がいいというわけではありません。2016年になるのを待っていたら、さらに円高が進んで損失が拡大するというリスクもあるわけです。
外貨MMF投資をするときのおすすめのネット証券
外貨MMF投資ができるネット証券で有利なところは下記の通りです。
・マネックス証券
米ドル手数料:25銭
・auカブコム証券
米ドル手数料:20銭
コストを考えるとauカブコム証券が強いですね。外貨MMFを通じて外国株も売買したいというような考えがあるなら外貨MMFから米国株にも投資ができるマネックス証券がお勧めです。
ちなみに大手ネット証券のSBI証券は外貨MMFの取引形態が「円」→「ドル」→「外貨MMF」という流れになっているそうで、2015年までの外貨MMF投資でも為替差益に税金がかかる仕組みとなっているので外貨MMF投資にはおすすめできません。同じ理由でソニー銀行の外貨MMFも課税対象です。
※このエントリーは将来の事項について説明しております。記事の最終更新は「2015年2月12日」で、その時点で把握している内容に従って記事を書いております。将来的な制度設計の見直しなどで状況が変わる可能性があります。
2016年になった時点で、過去に生じていた含み損部分を持ち越すことができるかどうかは現時点では確定しておりません。
また、当サイト管理人は税理士ではございませんので、個別の税相談についてはご回答出来かねます。コメントやフォームで質問されましても回答できませんのでご了承くださいませ。