相場格言として知られる「見切り千両」と言う言葉があります。含み損の株は中々売りたくないものですが、反発を期待して保有し続けるよりも損切りしてしまう方が、今後の相場下落によって大損するよりも千両の(大きな)価値があるという格言。
いつまでも未練たらたら保有し続けないという教え。
相場だけじゃない、見切り千両
相場格言として使われる「見切り千両」と言う言葉ですが、相場以外にも色々なことにあてはまるものです。
人はどうしても現状維持をしようというバイアスが働きますし、また現在のポジション(立場)から都合のいいように考えたり、あるいはこれまでに支払ってきたコスト(サンクコスト)を考えてしまい行動に移せないことが多いです。
見切り千両という格言はそのような「行動に移せないこと」を戒める格言です。
たとえば、相場の環境も事業環境もよくなさそうだけど、まだ少し買った時よりも低いから、上昇を期待して待っている。というようなケースもよく見られます。
今の段階で売りではないか?と考えるの出れあれば、自分の取得価格(買値)に左右されるのではなく見切り千両として処分して次のステップに移る方が良いという格言です。
ただし、この格言ほど、分かっていても実行しにくい物はありません。相場で言えば、見切り千両でロスカット(損切り)した後に、反転して上昇するんじゃないか?そろそろ反発するじゃないか?とどうしても考えてしまいます。
ただ、それを言い出してしまうとどうしようもありません。
基本的には「損切り(ロスカット)の重要性」でも書いている通りです。その都度都度で考えてしまうと決断が鈍るわけですから、投資をした時点で水準を決めておいて、その水準になってしまったら見切りをつける。そうした行動が重要なのだという相場格言です。
ちなみに、似たような格言はいっぱいあります。古今東西、ロスカットはやはり心にくるので、ズルズル持ち続けて大損したって人が多いんだろうなぁと思います。
- 損切りは素早く
- 迷いが出たら売れ
- 引かれ玉は投げよ
逆に儲かっている時の格言としては「利食い千人力」という格言があります。こちらは含み益がいくらあろうが、確定しなければ幻であって、利益が出ているなら早めに利益確定をしなさいという投資格言です。