投資全般・コラム

投資を始めるならまずは「目標」「目的」を決めよう

投資や資産運用をする目的って何ですか?と聞いたとき「お金をできるだけ増やすこと」という回答をされる方が多いそうです。要するに使わないお金が一定額あるから、それを運用にまわして殖やそうという考え方ですね。
一方でこのような目的のない運用は、運用方針に大きなブレを生じさせます。5年後のための運用と20年後のための運用、また絶対に安全に運用すべき資金と多少のリスクをとってもよい資金とでは、おのずと運用方法が変わってくるからです。今回は、運用の目標や目的を決めることのメリットやその考え方についてまとめます。

目標・目的が決まれば運用期間と取れるリスクが決まる

投資・資産運用の目標や目的が決まれば、そのための運用期間が決まってきます。また、その期間や資金の性質に応じてとることが出来るリスクもある程度定まります。

具体的にはどんな目標や目的が考えられるでしょうか?まずは、貯めたり増やしたりしたお金をどんなことに使いたいのかを考えましょう。おおよそ下記のような項目があるのではないでしょうか。

・住宅購入資金
・子供の教育費の積立
・老後のための資金
・万が一のため(病気や怪我、災害など)への備え
・自動車の買い替えのための資金
・家族旅行の積立
・将来の起業のための準備資金

だいたいこんな感じでしょうか?この他にも、色々目標や目的はあるかもしれません。まずは、資金目的を考えましょう。

考えましたか?それでは、次にその資金の目標額、運用期間と許容リスクを考えていきます。
運用期間についてはそのお金が必要になる時期です。老後資金だったら、今30歳の方なら30年後くらいで2000万円。子供の教育資金で今子供が8歳なら10年後くらいに400万円。3年後のマイホーム購入のための500万円の頭金、2年後の家族旅行のための100万円の旅行資金、といった感じで目標額と運用期間が決まったとします。

次に、それぞれの資金の許容リスクを考えていきます。
このリスクは大きく二つの視点で考えます。
(1)運用期間が長いほどリスクをとることが出来る
(2)絶対に確保しなければいけないお金は安全に運用する

 

運用期間とリスク

投資によるリスクは運用期間が長くなるほど平準化することが出来ます。1年や2年の短期間で株式投資をした場合のリスク(変動幅)は大きいですが、これが20年、30年となると振れ幅は収束して小さくなります。そのため、運用期間を長く取れる資金については一定のリスクをとることが出来るわけです。先ほどの例だと30年後の老後資金という部分では株式投資や投資信託といったリスク資産への投資が可能です。

一方で、短期の場合はそれが出来ません。3年後の500万円の住宅購入の頭金といったケースでは短期で確実に貯めることが求められる資金でリスク資産への投資は難しいです。

 

投資の目的と資金の確実性

運用目的の中には、たくさんあればいいけど、なくても生活に困るわけではないという資金もあろうかと思います。
先ほどの例では2年後の家族旅行のための100万円という資金目標がありましたが、これはもし不意になっても人生計画が狂うというほどではありません。
50万円を運用して70万円にまで殖やせたらその分、リッチな旅行にする。一方で30万円にまで落ち込んだら海外旅行の予定を国内旅行に切り替える。といった具合に考えることが出来るのであれば短期であってもリスクをとった投資は可能です。

 

期間やリスクに応じて投資商品を決める

ここまでで考えた投資目的、投資可能な期間、とることが出来るリスクの大きさなどを考えた上で、投資する資金や振り分け先を検討していくわけです。

たとえば10年後に必要な子供の教育資金
このお金は絶対に必要な金額だから減らしたくないというのであれば、元本の安全性が保証されている必要があります。その一方で10年という長期間の運用ができるわけで、その間の流動性(換金性)は無視できるとしたら・・・。
個人向け国債(10年)
仕組み預金(途中解約ができないもの)
・満期10年間の学資保険等の保険

などが挙げられるでしょう。これらだと元本を割るリスクはほぼゼロでよくて、普通に定期預金などに預けておくよりは高利回りが期待できます。後者の仕組み預金は途中解約ができないという流動性リスクがありますが、10年後というように期間が絞れているなら、このリスクは無視できます。

他に、30年後の老後資金の場合。
こちらは超長期で運用できるので、できるだけ「複利効果」を活かした長期投資を考えたいところですね。長期での運用でリスクを減らすために世界に分散投資をするなど、アセットアロケーション(資産配分)を検討したうえで株や投資信託などを通じて資産を成長させテイク事を目標にすると良いでしょう。
株式投資
投資信託(世界に分散投資)

最後に、短期運用の場合。
リスクをとってもいいというのであれば、個別株式への投資などもいいですね。リスク管理がしっかりできると言うのであればレバレッジを使った投資(信用取引やFXなど)は資金効率が高いです。(レバレッジ取引のリスクもしっかり理解したうえで取引することが大切)

逆に短期運用でリスクを取れないと言う場合は、現時点では定期預金MMFくらいしか有利な運用先というのはないでしょう。定期預金の場合は「ネットバンク金利ランキング」で毎月金利情報を更新しているのでこちらも参考にしてみてください。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。