投資全般・コラム

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジ。お得なのはどっち?

最近、ネットバンクとネット証券との連携銀行口座が増えています。住信SBIネット銀行とSBI証券の「SBIハイブリッド預金」。楽天銀行と楽天証券の「マネーブリッジ」。大和ネクスト銀行と大和証券の「自動スウィープ」。いずれも銀行預金に預けているお金を、それぞれ提携証券会社において「投資資金」としても使うことができるサービスです。

今回は、SBIハイブリッド預金、マネーブリッジといった銀行と証券会社の連携預金について各銀行ごとのサービスの比較と、どれが一番お得なのかを徹底比較していきます。

このような、銀行と証券会社の連携サービスについては「ネットバンク各社と証券会社の連携サービスまとめ」でも以前まとめました。その中でも、特に人気の連携預金についてそれぞれの口座のメリットとデメリットを考えていきたいと思います。

なお、情報は2016年7月時点の情報を元に記事内容を修正しております。

 

そもそも、どんな預金なの?

SBIハイブリッド預金やマネーブリッジなどは、銀行預金と証券会社の投資資金とを「連結」させることが出来る預金です。

扱い上は預金(普通預金)ですが、その資金を本来は別の金融機関である証券会社が投資資金として使えるように設定されている預金ということです。

たとえば、SBIハイブリッド預金に200万円を預けているとしましょう。
そして、提携証券会社であるSBI証券において100万円分の株を買ったとします。すると、その買い付け代金としてハイブリッド預金の残高がSBI証券に移って、購入した株の買い付け代金となります。

その後、SBI証券において購入した株を110万円で売却したとします。するとその売却代金110万円はハイブリッド預金の口座に戻されて残高は210万円になります。(楽天銀行のマネーブリッジの場合も同様の流れとなります)

このように銀行預金口座と証券会社の預り金とを連動させている預金ということになります。

 

証券口座と連携させてリスクはないの?

連携させた資金で株や投資信託などを購入すれば、その株や投資信託の価格変動リスクがあります。

ただし、連携させただけで預金として預けている限りは普通の預金と同様の扱いになります。
預金保険の対象にもなっているので、ペイオフの範囲内である1000万円+その利息の範囲までは全額保護対象になります。

こうした点からハイブリッド預金やマネーブリッジ自体にリスクはありません(普通預金と同様です)。

 

ハイブリッド預金・マネーブリッジ金利面での比較

2016年7月現在の金利では
・楽天銀行(マネーブリッジ):0.10%
・住信SBIネット銀行(ハイブリッド預金):0.01%
・大和ネクスト銀行:0.01%

となっており、金利面は楽天銀行のマネーブリッジが群を抜いて高いです。
ちなみに、以前はハイブリッド預金の金利の方が高かったのですが、2015年くらいから金利を落とし始めて現時点では圧倒的にマネーブリッジが有利な状況となっています。

ちなみに、同時期の都市銀行やゆうちょ銀行の普通預金金利は0.001%なので、楽天銀行マネーブリッジの預金金利水準は100倍も高金利ということになりますね!

 

高金利が適用される範囲

これは大きなポイントの一つです。楽天銀行(マネーブリッジ)や大和ネクスト銀行の場合、これらの高金利が適用される範囲は「普通預金」として預けている金額のすべてとなります。

楽天銀行では「マネーブリッジ」という名前がありますが、これはあくまでも「楽天銀行と楽天証券の紐づけができている状態」という意味になります。そのため、楽天銀行に預け入れた預金(普通預金)は全額0.10%の金利がつくことになります。

一方で、住信SBIネット銀行の場合は「SBIハイブリッド預金」という預金口座に預けられている預金だけがその対象となります。普通預金とハイブリッド預金は別々に管理されているので、振り替えをする必要があります。これがちょっと面倒なんです。

住信SBIネット銀行に預けているお金のうち、ATMで引き出したり、引き落としに使うことができるのは「普通預金」に預けられている預金の範囲内となります。SBIハイブリッド預金は、普通預金ではないので、ATMから引き出す場合、イチイチSBIハイブリッド預金から普通預金へと振替を行う必要があるわけです。

こう考えると楽天銀行や大和ネクスト銀行の方が、住信SBIネット銀行よりも預金としての使い勝手は高いといえるでしょう。

 

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジ使うならどっち?

あくまでもハイブリッド預金やマネーブリッジの金利面に注目して利用するというのであれば圧倒的に楽天銀行の方が有利です。

たとえば100万円程度の預金を前提とするのであれば、楽天銀行もATM手数料は月5回まで無料、振込手数料も月3回まで無料となります。銀行としての使い勝手も十分です。

一方の住信SBIネット銀行、直近ではハイブリッド預金の金利が大幅下落していることから預金を預けてとしての魅力は相対的に小さくなっています。

 

投資用資金としての利用もするなら…?

一方、投資用の資金としての利用も考えるというのであれば、それぞれ対応している「SBI証券」や「楽天証券」の手数料やサービス内容なども比較する必要があります。

こちらについては「証券会社徹底比較」のような証券会社比較サイトもご一読の上、検討することをお勧めします。なお、個人的にはどちらの証券会社もサービスレベルはほぼ同等だと思っています。

 

ハイブリッド預金やマネーブリッジの口座を開設する

いずれにしても利用するのであれば

住信SBIネット銀行+SBI証券
楽天銀行+楽天証券

上記の組み合わせでの口座開設が必要になります。銀行と証券会社の口座を開設する順番はどちらでも構いません。すでに片方(銀行)の口座を持っている場合は、もう片方(証券会社)の口座を開設してハイブリッド預金やマネーブリッジの設定をすれば完了です。

どちらも持っていないという方は、証券会社の口座開設を先にすることをお勧めします。
理由は2016年1月から証券会社の口座開設には「マイナンバー」の提出が義務化されているからです。証券会社口座開設→銀行口座開設はすぐにできますが、銀行口座開設→証券会社口座開設は少し面倒だからです。

>>SBI証券公式ホームページはこちら
>>楽天証券公式ホームページはこちら

 

なお、すでに証券会社に口座を持っているという方は、それぞれの証券会社のWEBアカウントにログインして口座開設をすることもできます。また、下記の公式ホームページから直接申し込みをすることもできます。

>>住信SBIネット銀行公式ホームページはこちら
>>楽天銀行公式ホームページはこちら

 

以上、ネット銀行で提供されているハイブリッド預金やマネーブリッジといった銀行+証券会社の連携口座についての説明とそれぞれのサービス内容や金利水準を比較してみました。みなさんの預金運用の参考になれば幸いです。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。