投資や資産運用を考える上で、どんな金融商品(投資商品)にお金を振り分けるかということはとても大切なことです。ただし、それと同じくらい大切なことの一つに「どこの金融機関で運用をするか?」という金融機関選びもとても大切です。預金金利などのリターン、各種手数料のように投資・資産運用の成果に直接影響を与える項目も非常に多いです。どこでも同じと考えるのではなく、少しでも有利な金融機関での取引を考えましょう。
金融機関選びの重要性
金融サービスは近年、相当な自由化が進んでおり、各金融機関ごとに様々な独自色を打ち出しています。その結果、手数料競争、サービス競争などが起こっています。
今回は、金融機関のタイプごとにどうやって銀行、証券会社、保険会社などを選ぶべきか?というエッセンスを紹介していきます。
銀行 手数料や金利など比較点は多い
銀行というと私たちにとって最も身近な金融機関の一つです。
運用を考えた場合でも定期預金などの預金商品を提供しています。また、近年では投資信託などの販売にも積極的です。
運用面以外をとっても、振込やATM利用のようなお金のやり取りでも生活に密着しています。
預金金利
金利はなるだけ高いところを利用しましょう。当サイトでは「ネットバンク金利ランキング」という形で毎月のネットバンクの金利水準を比較していますが、一般的な都市銀行などと比較してやはり高金利の定期預金を提供しています。できるだけ有利なところに預けるようにしましょう。
各種手数料
銀行という金融機関選びにおいてはとても重要な要素だと思います。振込手数料はオンラインバンキングがやはり安いです。また、ATM手数料についても各銀行によってかなりの対応に差があります。低金利時代だからこそ銀行に払う手数料も節約しましょう。ネットバンクなどを活用すればこうした手数料を「完全に無料化」することもまったく無理ではありません。
・2014年最新版 ネットバンクの振込手数料比較
・コンビニATM・ATM手数料でネットバンク比較
投資信託
買うべきではありません。ごく一部の銀行を除き、ランナップはアクティブファンドに偏っているし、手数料水準も高く、わざわざ銀行で投資する価値はありません。手薄料の安いネット証券がはるかにお得です。この点については当ブログでも「投資信託を銀行窓口で買ってはいけない」というエントリーで紹介しています。
証券会社 資産運用の強い味方。手数料を気にしよう
証券会社は投資や資産運用を考えるときの強い味方です。その一方で彼らは私たちが支払う手数料で商売をしています。この手数料は当然ですが、私たちの資産運用におけるリターンを引き下げることになります。
ネット証券が拡大したことによる手数料競争でネット証券における手数料水準は相当安くなりました。しかしながら、ネット証券の中でも多少の差はあります。手数料は「多少」であってもできるだけ細かくこだわるべきです。特に積極的な売買をしたいと考えているのであればなおさらです。
基本的に個人投資家であれば手数料が高すぎる対面型の大手証券を使うメリットは皆無です。
個別株式・ETF
個別株式やETFのような株式投資のスタンダードな商品は「売買手数料」を比較するようにしましょう。手数料の安い証券会社を活用するのに越したことはありません。手数料水準については簡単に比較できますので、できるだけローコストなところを選択します。心配なら大手ネット証券と呼ばれる「SBI証券」「マネックス証券」「GMOクリック証券」「松井証券」「auカブコム証券」の中から選べば安心もできるでしょう。
・証券会社を手数料で比較
投資信託
投資信託もネット証券が有利です。中でも近年では販売手数料を無料にするだけでなく、ポイント還元などの形で信託報酬までキックバックしてくれるところが増えています。投資信託についてもようやく投資の土壌が整ってきたように思います。銀行窓口や対面証券では絶対に投資信託は買うべきではありません。
・投資信託の投資におすすめ証券会社比較ランキング
保険 意外と比較しづらいけど差は大きい
保険分野も立派な運用です。特に生命保険は人生の三大出費に数えられるほどのお金を私たちは支出しています。
保険という分野は株式投資などと比較しても「わかりづらい」ということもあるうえ、保険販売員の強力な営業能力に支えられて成長してきたという背景がありますので、ネット生保というものが中々根付いていません。実際にライフネット生命のようなネット生保も登場していますが、保険料の安さだけでお客さん(加入者)が付いてきていないというのが現状のようです。
保険会社間で自社の保険に特約をてんこ盛りにするなどして「比較しにくい」というのも、保険会社を比較しにくい原因の一つです。一方で自動車保険などは比較がしやすいためネットでの一括見積もりなどを始めとして保険料を比較して選ぶという形が根付いているように感じています。
生命保険
これは絶対に見直すべきです。そもそも日本人は保険に入り過ぎと言われています。生命保険の必要補償額は「最低限」で良いはずです。
実際保険会社の手数料率(保険料に占める自社の取り分)は5割を超える保険もあるなど、かなりの高い経費がかかっています。過剰な保険は保険会社にお布施しているのと同じことです。定期的に見直しを行い、月々の保険料を少なくしていきましょう。
当ブログでも「生命保険をシンプルに見直すテクニック」という記事を上げていますが、生命保険のような補償はシンプルしておきましょう。
保険会社の選び方としては同一の保障内容で保険料を比較することです。ネット生保が100%安いというわけではないので、様々な保険会社の見積もりをとって比較することが大切です。
ちなみに保険ショップの様なサービスもありますが、こちらは複数の保険会社を比較できて便利です。その一方で基本的に保険ショップも「保険を売ることで手数料をもらう」というスタンスに変わりはありません。保険会社比較には使えますが、過剰な保険に入らないように注意が必要です。
・生命保険見直しガイド
・来店型保険ショップの問題点と利用者が知っておくべき事実と活用方法
医療保険
生命保険と同様に「必要最小限」が基本となります。生命保険と同様に高い経費がかかっていますので、「期待値」を考えると大きく損をする金融商品です。数日程度の入院などちょっとした預金があれば対応できるはず。そうした対応できるリスクについてをわざわざ保険会社に報酬を支払ってカバーする必要性はありません。
そうしたとき、本当にカバーすべき部分は「超長期の入院」です。入院日数は年々短くなってきているのに、長期入院を余儀なくされる重大な病気は存在します。そうした大きなリスクをカバーするのが本来の「保険」の役割なのです。
・生命保険・医療保険は「損」をする金融商品
自動車保険
自動車保険については、比較サイト(一括見積もりサイト)などでかなりの範囲を比較できます。補償内容+保険料でそのまま比較できます。見積もりサイトは山ほどあるのでイチイチ紹介しませんが、保険会社の「評判」についてはある程度気にした方がいいと思います。
万が一の時の保険で、対応が最悪…。という事態になると何のための保険かわからなくなります。
・自動車保険の満足度ランキングと自動車保険の選び方
個人年金保険
正直申し上げて、個人年金に加入するのであれば「確定拠出年金」などの年金に入る方がよっぽど税制上のメリットもあり有利な話だと思います。
企業年金がある大企業のサラリーマンや公務員以外のサラリーマンや自営業者などなら個人型確定拠出年金に加入できます。所得控除などの税制面の魅力も大きいので、まずはこちらから検討するべきです。それでもさらに足りないという場合に追加で検討を始めればよいと思います。
・個人型確定拠出年金の長所と短所、加入条件
まとめ
いかがでしょうか。銀行、証券会社、保険会社の選び方を紹介しました。最後の保険会社については会社比較というよりも商品の選び方的な内容になってしまいました…。
とにかく、金融商品の選択も大切ですが、それを「どこで買うか?」「どこで利用するか?」という点もとても大切な観点ですよという記事です。
ちょっとくらいの積み重ねも積り積ると大きなものになります。取引金融機関を変更するのはちょっと面倒と思うかもしれませんが、一度変更してしまうだけです。
資産ポートフォリオの見直しと一緒に金融機関のポートフォリオも見直してみてはいかがでしょうか?