株式の配当金を受け取る方法は大きく「従来方式(配当金領収証方式)」「銀行に振り込んでもらう方法(登録配当金受領口座方式)」「証券会社の口座で受け取る方法(株式数比例配分方式)」という3つが主流です。
そしてこの受け取り方法は投資家が自由に選択することが出来ます。今回はそれぞれの配当金の受け取り方とそれぞれの特長についてまとめていきたいと思います。
配当金の受け取り方法は大きく3つある
株式投資で配当金の権利を取得した場合、配当金が支払われます。
この配当金は大きく3つの方法で受け取ることができます(選択できます)。
- 従来方式
- 登録配当金受領口座方式
- 株式数比例配分方式
この3つです。従来方式(旧方式)は今現在で選択するメリットはほとんどないので、登録配当金受領口座方式か株式数比例配分方式のどちらかを選択することになると思います。
従来方式(配当金領収証方式)
昔は基本的にこの配当金領収証方式という方法が主流でした。保有する企業が配当金を出すと「配当金領収証」というものが郵送され、それを郵便局などで換金することで配当金を受け取るという方法です。
問題は「面倒」ということが挙げられます。いちいち郵便局に領収証を持っていく必要がありますし、紛失した場合や期限切れになったら信託銀行に連絡するなどの手続きがたくさん出てきます。
なお、紛失した場合などの手続きについては「配当金領収証を無くした、期限切れとなった場合はどうすればいい?」でまとめていますので参考にしてください。
株式の電子化がすすめられてからは、下記の「登録配当金受領口座方式」「株式数比例配分方式」のほうが一般的になっているといえるでしょう。配当金領収証方式を利用するメリットはありません。
銀行に振り込んでもらう方法(登録配当金受領口座方式)
これは、保有する株の配当金を登録している銀行口座に自動振込みしてもらうという方法です。
複数の証券会社に同じ銘柄を別々に保有している場合でも証券保管振替機構(ほふり)を通じて名寄せすることでまとめて配当金を振り込みしてくれます。
指定する銀行はどちらでも大丈夫です(ただし、ゆうちょ銀行は指定不可です)。
株式投資をしているけど、配当金は生活費の一部として使いたい、あるいは別の用途に配当金を使いたいというケースに便利です。
証券会社の口座で受け取る方法(株式数比例配分方式)
最後は、各証券会社で投資している銘柄の配当金をそれぞれの証券会社の預かり金口座(MRF)に充当するという方法です。
A証券とB証券にそれぞれ同じ銘柄を2000株、3000株保有しており、配当金が10円の場合A証券に2万円、B証券に3万円が振り込まれます。
配当金も「再投資」するような場合は、証券会社に入金されることで便利です。
税制面の手続きが楽
登録配当金受領口座方式との違いは「税制面の処理が楽」という点がメリットとして挙げられます。
特定口座を開設している場合で、源泉徴収ありを選択していれば、1年を通じて売買損がある場合には自動的に売却損と配当益との間で損益通算をしてくれるというメリットがあります。
NISAを利用しているならこっち
NISA(少額投資非課税制度)において配当金を非課税とするためには「株式比例配分方式」を選択しておく必要があります。その他の方法だと配当金は課税されますのでご注意ください(課税されても取り戻せません)
NISAについては「NISA(ニーサ・小額投資非課税制度)に関するまとめ」も御覧ください。
「登録配当金受領口座方式」「株式数比例配分方式」はどちらがいい?
面倒な従来方式は別として、「登録配当金受領口座方式」と「株式数比例配分方式」はどちらを利用するべきでしょうか?
個人的に、特段配当金に利用用途が無いのであれば、「株式数比例配分方式」の方が使い勝手が良いように思います。
株の譲渡損との間での損益通算の自動化(要特定口座/要源泉徴収あり)も便利です。特に、確定申告をしたくない理由がある場合(主婦などで源泉徴収だけで終わらせたい場合など)はこちらがおすすめですね。
また、NISA、つみたてNISAなどを利用して配当金や分配金を非課税にしたいなら必須となります。
配当金の受け取り方法の変更について
変更はいつでもすることができます。ネット証券の場合は、WEB上で口座情報の変更やお客様情報変更などの項目から変更することができます。
対面証券を利用している場合は支店に連絡していただければ変更することが可能です。
なお、複数の証券会社で取引をしている場合、「登録配当金受領口座方式」「株式数比例配分方式」はどちらかしか選択できません。
上記は「証券保管振替機構(ほふり)」で管理されますので、あなた名義のA証券で変更すると、B証券、C証券も同様に変更されます。
参考
・資産運用の税金と主婦・学生は「扶養」に注意
・株の確定申告の方法