株式投資で投資をした会社がまさかの倒産。こんなことになったら投資家が投資したお金はどうなってしまうのでしょうか?また、会社が負債を抱えて倒産したら投資家にも何らかの返済義務などが課せられるのでしょうか?
今回は株に投資した会社が倒産・破綻した場合、投資家(株主)はどうなるのかについてまとめます。
倒産と一口に言っても様々
まず、会社が倒産するといっても、様々です。民事再生法や会社更生法の適用と言う話や会社の清算という話もあります。それぞれのケースでその後の流れはことなるものの、上場企業が会社更生法などを申請すると、証券取引所はその株を「整理ポスト(整理銘柄)」に入れます。
整理ポストに入れられるとその後1ヶ月間は売買することはできますが、その後「上場廃止」となります。整理ポストに入れられると一般に株価は急落しますが、しばらくの間は値段が付く(売買が成立する)ことがあります。
倒産銘柄を保有していた場合は、二束三文にしかならない可能性は高いですが、値段がつくうちに売ってしまうのも手です。
倒産する会社の株を持ち続けるとどうなる?
上場廃止となっても、倒産する会社の株を持ち続けた場合はどうなるのでしょうか?
株主には会社が清算されるとき残った財産の分配を受ける権利「残余財産分配権」という権利があります。そのため、倒産する会社にプラスの財産が残れば、出資比率に従って分配を受けることが出来ます。
しかしながら、多くの倒産企業は債務超過(負債が資産を上回る)となるケースがほとんどであるため、そういったケースで残余財産を受け取れるケースはほぼありえないと言ってよいでしょう。
そうなると、投資している株券は文字通り「紙くず」となってしまいます。
むかしは、投資家宛に無価値となった株券が送られてくると言う話もあったのですが、現在上場企業の株券はすべて「電子化」されているので、株券すらもらえません。
(参考:株券の電子化)
いわゆる「電子くず」になってしまうわけですね。
会社が倒産したとき「株主の責任」はあるの?
株主は会社のオーナーです。
さきほど、資産を負債が上回る「債務超過」で倒産するケースがほとんどと説明しましたが、そのような場合、返せなかった負債について株主に責任は及ぶのでしょうか?
株式投資は「有限責任」です。これは投資家が負うべき責任は「投資した金額の範囲内」となることを意味しています。つまり、投資した企業が倒産した場合で、債務超過の状態のように負債が資産よりも多い場合であっても、投資家は追加的な負担をする必要はありません。
その会社に100万円を投資したという場合、株主が負わなければならない責任の範囲は最大でも投資した100万円がそのまま戻ってこないというのが最大の責任幅となるわけです。
つまり、最大損失は投資をした金額であるため、現物株で株主となっている場合、大損はしても借金を抱えるということはありません。
レバレッジ取引(信用取引)をしている場合は別
一方で株の信用取引をしている場合は別です。
信用取引は証拠金を担保として3倍程度まで株を買うことができます。100万円を担保として300万円分の株をかっていた場合、最大損失額は300万円となります。
通常の株価推移であれば、逃げる(途中でロスカットする)こともできますが、突然の悪材料で大幅株価下落となる場合は、逃げることもできずに、借金を抱えてしまう……なんてリスクもあります。
信用取引のようなレバレッジ投資をするときは、そうしたリスクも考慮した管理が必要になります。