信用取引の売買指標に関する3つ目のエントリーです。回転日数というのは、信用取引で新規に買い(売り)の取引を開始した人たちが平均何日でそのポジションを解消(決済)したのかを示す指標です。回転日数を見ることにより相場の活況具合のほか、加熱状況、さらには現在の平均的投資家の損益状況などを見ることができます。
まとめ記事「信用取引の各種指標を理解して投資力アップ」。
回転日数の見方
信用取引の回転日数は信用取引の残高が何日で回転するのかをみるものです。制度信用取引において決済期限は最長6ヶ月となります。こうした中、回転日数は相場の活況具合や含み損益の想定などが可能になります。
ちょっとわかりにくい概念ですが、
回転日数=(信用取引の融資残高+貸株残高)×2÷信用取引売買高
となります。ちなみに、信用取引売買高は「新規・返済の合計売買高」です。
相場の活況度合いを知る指標として
回転日数は期間が短くなるほど、取引参加者が増大しており、短期での売買が盛んに行われているということになります。一般的に長いよりも短いほうが、売買が活発に行われているということで、評価されます。
しかし、回転日数が5日といったように、きわめて短期化している状況は、相場で売買されている信用取引のほとんどが超短期売買(短期筋の資金による売買)という状況になっており、「加熱しすぎている」とも見ることができます。
しこり玉の多さをしる指標として
回転日数が長いという場合、一般に「しこり玉」と呼ばれる含み損を抱えているポジションが多いため、清算が行われていないと見ることができます。そのため、回転日数が長い銘柄というのは、相場が反転するような場合でもその戻りが鈍くなりやすい傾向があります。
(しこり玉が整理されるまで時間がかかる)