不動産投資を手軽に行えるREITのメリット、デメリット

不動産投資というと多額の資金が必要なイメージがありますが、REITを活用することで少額の資金でも不動産投資が可能となります。
REITのしくみ
REITは先ほど説明したように、多数の投資家から資金を集めてその資金を使ってビルなどの大型不動産に投資をし、その投資から得られる賃料収入などを投資家に分配する仕組みとなっています。
投資家は直接不動産に投資せずに、「売買」「不動産の管理」「入居者管理」などわずらわしいことはすべてREIT(ファンド)がやってくれます。
より具体的なREITの構造などについては以下のリンクで詳しく説明されているので、そちらもご参照いただけると良いかと思います。
REITの種類
REITは大きく分けて、日本国内で上場している「J-REIT(上場REIT)」、海外の不動産を対象とする「海外REIT」、そしてこれらに投資をする「投資信託型REIT(REITファンド)」が主流となっています。
上場REIT(J-REIT)
日本版REITは「J-REIT」と呼ばれ、東京証券取引所に上場しています。これがREITの基本となるものです。「投資法人」という形式で運用されており、それ自身が投資家から預かった資金を通じてオフィスビルや、賃貸マンション、ホテルなどに投資をします。投資の結果得た賃料等は投資家に分配します。
J-REITには様々な種類があり、2026年3月末時点で58銘柄が上場しており、時価総額合計は約16兆918億円、平均分配金利回り(加重平均)は4.87%となっています。保有する不動産の種類や用途別に、以下のような分類があり、運用方針などには違いがあります。
- 総合型:複数の用途の不動産を組み合わせてリスク分散を図るタイプ
- 特化型:オフィス特化、住宅特化、物流施設特化、ホテル特化、商業施設特化など(近年は物流施設型やデータセンター型が注目されています)
上場REITは、ETFと同じように証券取引所に上場しており、株と同じように売買することが出来ます。
メリット
・REITファンドと比較して低コスト
デメリット
・1口(最低投資)価格がやや高め
投資信託型REIT(REIT投信・REITファンド)
投資信託型REITは上記で説明した「上場REIT」に対して投資をする投資信託です。
投資信託に投資をする投資信託というややこしい商品ですが、実際にはかなり人気があります。これらの投資信託の中には、日本のREITだけではなく、海外の証券取引所に上場している海外REITを取り扱うものもあります。
メリット
・REITと比べて低資金から購入可能
・海外REITのような日本からは投資しにくいREITにも投資できる
デメリット
・手数料が上場REITを買うよりも高いことが多い
REITのメリット
REIT投資におけるメリットとしては、最大の特徴は少額の資金で「不動産」という投資をポートフォリオに組み込むことが出来るという点でしょう。
不動産は一般に高額であり、一般の個人投資家が「資産」としてポートフォリオに入れようとすると資産の大部分を不動産が占めることになってしまいます。
しかし、REITという仕組みを使えば、数万円~数十万円程度から不動産投資を始めることが出来るというのは大きなメリットといえます。
また、REITは収益(賃料)のほとんどを投資家に分配するルールとなっていることから、投資利回りも株式の高配当銘柄と比較しても高いという点も魅力といえます。実際には、利益の90%超を分配すると法人税が実質非課税になる仕組みがあるため、投資家への還元率が高くなりやすい構造になっています。
さらに、REITはNISA(成長投資枠)の対象となる銘柄も多くあります。NISA口座内で保有すれば分配金や売却益が非課税となるため、税制面のメリットを最大限に活かすことが可能です。
REITのデメリット
一方で、REITにはいくつか見落とせないデメリットやリスクが存在します。
まず、「価格が下落するリスクがある」という点です。
株式市場で取引されるREITは株と同じように値動きがあります。結果的に買った時よりも価格が下がって損がでるリスクはあります(もちろん、逆に上昇して利益がでる可能性もあります)。
また、以下のようなREIT特有の重大なリスクも考慮する必要があります。
- 金利上昇リスク:金利が上昇すると借入コストが増加し、分配金が減少したり、価格が下落しやすくなります。
- 自然災害リスク:地震や台風などで保有する不動産が損傷すると、修繕費用の発生や賃料収入の減少により収益が悪化します。
- 投資法人の倒産・上場廃止リスク:業績悪化や純資産の極端な減少で上場廃止になるケースがあります(過去にはニューシティ・レジデンス投資法人が倒産した事例もあります)。
- 流動性リスク:個別の銘柄によっては出来高が少なく、売りたい時に希望する価格で売買できないことがあります。
さらに、税制面での注意点もあります。REITの分配金には20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)が源泉徴収(申告分離課税)されますが、株式の配当金と異なり「配当控除」が適用されません。そのため、総合課税を選ぶと高所得者には不利になる場合があります(ただし、特定口座や申告分離課税を選んだ場合、売却損との損益通算は可能です)。
個別のREITごとのリスクが怖いという方は、REIT指数に投資ができるETF(上場投資信託)も存在しています。こういったものに分散投資するのも良いでしょう。
例)NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(ティッカー:1343)
例)上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型
まとめ
REITは手軽にポートフォリオの中に不動産を含めるという点で非常に気軽に始められます。また、株と比較しても配当利回りは高めになるケースが多いようなのでインカムゲイン中心の投資をしたいという方にもお勧めできます。
従来の不動産投資(不動産への直接投資)と比較して取引が容易という点はREITは大変魅力的といえそうです。その一方で、金利上昇や自然災害のリスクなど、REITと不動産投資は同じ不動産への投資であっても本質的には異なる点も大きいため、特性を正しく理解して投資することが大切です。
以上、不動産投資を手軽に行えるREITのメリット、デメリットでした。
