投資信託の中でも安全性が高いとされる「MRF」や「MMF」ですが、こうした投資信託(公社債投資信託)には元本割れのリスクというものはないのでしょうか?目論見書を見ると、これらの投資信託は元本保証の商品でないと書かれています。それでは、元本割れのリスクはあると言うことなのでしょうか?今回はこれらのMRF、MMFの元本割れリスクについて検証していきます。
MRF・MMFとは何か?
MRFとはマネーリザーブドファンド、MMFはマネーマネジメントファンドの略です。
どちらも証券会社で購入できる「公社債投資信託」と呼ばれる投資信託です。短期の債券に投資をするファンドで元本の安全性が高いファンドです。
MRFについては、証券会社にお金を入金すると自動的にMRFを買い付ける(投資する)しくみになっており、このMRFを銀行でいう普通預金代わりにして金利を受け取り、株などを購入したときにはそのMRFを換金して現金化して株に投資をするという流れになっているところが多いです。
ちなみに、MRFとMMFの違いについては、MRFは原則として何時でも解約できますが、MMFは預けてから1ヶ月は解約できない(すると手数料がかかる)仕組みになっています。
そのかわり、MRFよりもMMFの方が金利(分配金)は高く設定されています。
基本的にはMRFやMMFについては証券会社における「普通預金」「定期預金」に似た感覚で使われていることが多い商品となっています。だからこそ、元本割れというリスクは気になりますね。
MRFやMMFは「ほぼ」元本割れしない商品
まず、結論からいうと「平時」においてMRFやMMFが元本割れするリスクはないと言っても良いでしょう。
普通に考えると元本割れしないように設計されています。
ただし、普通でない事態が起きた場合には無リスクではないといった商品です。たとえば、MRFよりも利回り水準が高いMMFについては過去に1度、元本割れを引き起こしたことがあります。2011年にアメリカのエネルギー商社エンロンという会社が事実上破綻したことに伴い、それは起こりました。
ちなみに、その当時でもMRFは元本割れしていません。
その後、MMFに関しては、取引する債券の期間や格付けなどに関するルールがより厳しくなる形で再出発しています。そのため、MMFの安全性に関しては従来よりも大幅に上昇しているものと考えられます。
MRFに関しては元本保証化(損失補てん)
また、MMFより安全性の高いMRFについては各証券会社において現金代わりに使われているという状況等があります。そこで元本保証には出来ないはずの投資信託にもかかわらず損失補てんを例外的に認めて、MRFについて「元本保証」とする計画もあるそうです。
報道等によると2014年施行が計画されているそうで、そうなるとMRFに関しては預金と同様に元本保証商品ということになるかもしれません。
(update:2014年4月30日)
2014年12月より金融庁はMRFで損失が出た場合に、運用会社などが損失補てんをすることができるようにするという案を公表しました。金融危機などが発せした時にMRFに元本割れが生じると大きな混乱を招くというのが理由だそうです。
投資において損失補てんはNGな行為にあたりますが、MRFについてはその「例外」となりそうです。
MRFやMMFなどの公社債投資信託についての詳しい説明は「こちら」もご参照ください。