定期預金が満期になったとき、通常は大きく「解約する」という方法と「自動継続する」という方法の2種類を選択することができます。解約した場合はそのまま普通預金口座に払い戻されますが、「自動継続」を選択していた場合には、再び定期預金に預け入れがなされます。今回は定期預金における自動継続のしくみや、その際の元利継続・元本継続についてまとめていきます。

定期預金の自動継続のしくみ

定期預金における自動継続とは、満期を迎えた預金を再度定期預金に預け入れるという仕組みです。
通常は最初に定期預金に預け入れをするときに、自動継続を付けるか付けないかを決めておきます。

自動継続を選択した場合、「当初と同じ期間の定期預金に再び預けられる」ことになります。

たとえば、3年満期の定期預金に満期時自動継続で預金をしていた場合、これが満期を迎えると再度3年満期の定期預金に預け入れられます。

預金期間を変更したい場合は、自動継続ではなく、新規に契約し直す必要があります。
また、注意点として、「自動継続」の場合に継続されるのは「預金期間」だけです。適用される定期預金の預金金利については再預金される時点での店頭金利が適用されます

自動解約という第3の選択肢

銀行によっては、自動継続のほかに「自動解約(満期自動解約)」という選択肢が用意されていることもあります。これは満期日が来ると自動的に定期預金が解約され、元金と利息が普通預金口座に振り込まれる仕組みです。すでに資金を使う予定が決まっている場合に便利です。

非自動継続型(証書型など)の場合の挙動

一方で、自動継続も自動解約も設定しない「非自動継続型(証書型など)」の場合、満期後は元金と利息が定期預金口座にそのまま残ります。この状態では定期預金の高い金利は適用されず、別途窓口やオンラインでの解約・継続手続きが必要になるため注意が必要です。

自動継続の変更・取り消しと中途解約の注意点

定期預金を組む際に自動継続の手続きをしていても、満期日前であれば変更や取り消しが可能です。手続きは、満期日の前営業日までにインターネットバンキング、ATM、電話、あるいは窓口で行う必要があります。

また、もし満期前に定期預金を中途解約した場合、本来の定期預金金利ではなく、大幅に低い「中途解約利率」が適用されてしまうペナルティがあります。そのため、自動継続の解除や変更のタイミングは計画的に判断することが重要です。

自動継続における「元利継続」と「元本継続」

定期預金の満期時の自動継続には、「元利継続」と「元本継続」の2種類があります。
これらは下記のような違いがあります。

元利継続前回満期になった定期預金の「元金部分」と「税引後の利息」部分を合算し、再び定期預金します。
たとえば、100万円の定期預金で利息が1万円(税引き後)ついていた場合、101万円を再び定期預金に預け入れる形になります。

元本継続前回満期になった定期預金の「元金部分」のみを再度定期預金するというものです。
前回の定期預金で得られた利息部分は、通常普通預金口座に払い戻されます。

元利継続と元本継続はどっちがいいの?

管理人のおすすめは「元利継続」です。なぜなら、元利継続の場合は「複利効果」が期待できるからです。複利とは、利息が利息を生むという概念です。
元利継続の定期預金の場合、前回の定期預金の利息も再び運用に回されます。その利息にも当然利息が付く形になりますので、運用効果は高くなります。

対して、元本継続の場合は「単利」での運用となります。利息部分は毎回普通預金へ払い戻しされるので、利息部分は運用されません。

仮に、年3%(税引き前など諸条件を単純化した計算)で100万円を運用をしたとします。

  • 単利の場合:毎年3万円ずつの利息が得られる。
  • 複利の場合:1年目:3万円、2年目:3.09万円、3年目:3.1827万円というように利息に利息がつくことで収益はどんどん大きくなっていきます。

仮に10年経過した場合、単利の場合の利息収入の総額は30万円(3万円×10)となりますが、複利で運用した場合の利息は34.39万円と14.64%もの運用益に差が生じることになるわけです。

ちなみに、この差は加速度的に上昇していきます。

  • 10年で34.39万円 (単利30万円 運用益の差:14.64%)
  • 20年で80.61万円 (単利60万円 運用益の差:34.35%)
  • 30年で142.73万円 (単利90万円 運用益の差:58.58%)
  • 40年で226.20万円 (単利120万円 運用益の差:88.50%)

これが複利の力となります。複利の効果は時間が長くなるほど加速度的に上昇します。

なお、この複利に対する考え方は何も定期預金だけのものではありません。債券でも株でも投資信託でも、運用によって利回りを得る投資であれば、すべて同じ考えとなります。

資産形成を考えるのであれば「複利」でしっかりと運用できることが重要です。長期の資産形成を行うのであれば、複利効果をぜひとも活用したいところです。

金利上昇局面での見直し戦略と放置リスク

ちょっと、話がかなり脱線しましたね。

かつては定期預金の金利がほとんど期待できない時期が長く続きました。過去に紹介した「新生銀行の2週間満期預金」(現在はSBI新生銀行に商号変更され、サービス内容も変更されています)も、当時は高金利として紹介したものの、利率は0.20%程度にとどまっていました。

しかし、2026年現在は金利上昇局面にあります。大和ネクスト銀行で1年ものが1.20%となるなど、複数の銀行で1%を超える金利が提供されるようになっています。ゆうちょ銀行も2026年2月に定期貯金金利を引き上げるなど、状況は大きく変わっています。

このような金利上昇局面では、長期固定の定期預金に預けっぱなしにするよりも、短期の定期預金を自動継続で回したり、こまめに金利を見直して預け替えることで、金利上昇の恩恵を受けやすくなります。

長期間放置した場合の「休眠預金」リスク

最後に注意点として、定期預金を満期後も長期間放置してしまうリスクについて触れておきます。日本では2018年より「休眠預金等活用法」が施行されており、最後の取引から10年以上経過した預金は「休眠預金」として扱われ、民間公益活動に活用される制度になっています。もちろん手続きを踏めば引き出しは可能ですが、余計な手間がかかってしまいます。満期が来るタイミングで、資産の置き場所をしっかりと見直す習慣をつけましょう。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。