定期預金の当座貸越とは?解約と借入はどちらがお得か解説
銀行の通帳やアプリを見たとき、普通預金の残高がマイナスになっていて驚いたことはありませんか。これは、総合口座に定期預金がある場合に働く「当座貸越」や「総合口座貸越」と呼ばれる自動融資機能の可能性があります。
当座貸越は、定期預金などを担保にして、普通預金残高を超えてお金を引き出せる仕組みです。急な支払いには便利ですが、銀行からお金を借りている状態なので利息がかかります。
この記事では、定期預金と当座貸越の仕組み、通帳残高がマイナスになる理由、定期預金を解約したほうがよいのか、当座貸越を使ったほうがよいのかを2026年時点の情報でわかりやすく解説します。
当座貸越とは?定期預金を担保にした自動融資
当座貸越とは、普通預金の残高を超えて払い戻しや口座振替があった場合に、同じ総合口座に預けている定期預金などを担保として、不足分を自動的に融資する仕組みです。
たとえば普通預金に3万円しか入っていない状態で、クレジットカード代金として5万円が引き落とされると、2万円不足します。総合口座に担保となる定期預金があれば、この2万円が自動的に貸越となり、普通預金残高はマイナス2万円のように表示されます。
このため、当座貸越を使うと、ATMで残高以上のお金を引き出せたり、公共料金やカード代金の引き落としが残高不足で止まるのを防げたりします。
通帳の残高がマイナスになる理由
通帳やアプリの普通預金残高がマイナスになっている場合、総合口座貸越が発生している可能性があります。
マイナス表示は「普通預金が減った」というより、銀行からその金額を借りている状態です。担保となる定期預金は残っていますが、その一部を裏付けとして銀行から自動的にお金を借りています。
なお、総合口座貸越を利用できる条件や対象となる預金は金融機関によって異なります。みずほ銀行の総合口座では、普通預金、定期預金等、それらを担保とする当座貸越を組み合わせた取引として説明されています。
いくらまで借りられる?貸越限度額の目安
貸越限度額は銀行によって異なりますが、多くの場合、担保となる定期預金残高の一定割合までです。
みずほ銀行の総合口座説明書では、総合口座当座貸越の貸越極度額は「担保定期預金の合計額の90%、または200万円のうちいずれか少ない金額」とされています。
たとえば、定期預金が100万円ある場合、90%の90万円までが目安です。ただし、上限額や対象商品は銀行ごとに異なるため、自分の銀行の規定を確認してください。
当座貸越の金利はどれくらい?
当座貸越には利息がかかります。定期預金を担保にしているためカードローンほど高い金利ではないことが多いものの、通常は担保となる定期預金の金利より高く設定されます。
みずほ銀行の説明書では、貸越利率は担保定期預金の利率に年0.5%を加えた利率とされています。利息は、貸越利用日から返済日前日までの日数に応じて日割りで計算されます。
ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでも、担保定期貯金を担保にする場合は預入時の約定利率プラス0.5%、担保定額貯金を担保にする場合は返済時の約定利率プラス0.25%と案内されています。
定期預金を解約するか、当座貸越を使うか
結論からいえば、短期間で返せるなら当座貸越、長期間マイナスが続くなら定期預金の解約を検討するのが基本です。
短期間なら当座貸越が便利なこともある
数日から数週間で普通預金に入金予定がある場合、当座貸越の利息は少額で済むことがあります。たとえば、貸越利率が年0.8%、借入額が10万円、利用期間が10日なら、利息の目安は次の通りです。
100,000円 × 0.8% × 10日 ÷ 365日 = 約21円
この程度であれば、定期預金を中途解約する手間や、満期までの金利を失うことを考えると、当座貸越で一時的にしのぐほうが合理的な場合があります。
長期間続くなら定期預金の解約を検討
一方で、マイナス残高が数カ月続く見込みなら、当座貸越の利息は積み上がります。定期預金の金利より貸越金利のほうが高いため、長く借りるほど不利になりやすいからです。
また、総合口座貸越は自動で使えてしまうため、借金をしている感覚が薄くなりがちです。毎月の収支が赤字でマイナス残高が解消しない場合は、定期預金の一部解約や家計の見直しを優先しましょう。
判断の目安:日数と金額で考える
定期預金を解約するか、当座貸越を使うかは、次の3つで考えると整理しやすくなります。
- いくら不足しているか
- いつ返済できるか
- 定期預金を解約した場合に失う利息はいくらか
当座貸越の利息はおおむね次の式で概算できます。
貸越利息 = 借入額 × 貸越利率 × 借入日数 ÷ 365日
この金額が、定期預金を中途解約することで失う利息や手間より小さいなら、短期的には当座貸越を使う意味があります。逆に、返済予定がはっきりしない場合や金額が大きい場合は、解約を含めて早めに対応したほうがよいでしょう。
当座貸越を使うときの注意点
借金であることを忘れない
当座貸越は、定期預金を担保にしているとはいえ借入です。残高がマイナスの間は利息が発生しています。
自動的に利用されることがある
公共料金、クレジットカード、ローン返済などの引き落としで普通預金残高が不足した場合、自動的に貸越が発生することがあります。意図せずマイナスにならないよう、引き落とし日前の残高確認が大切です。
限度額を超えると引き落としできない
当座貸越には限度額があります。定期預金残高の90%などの範囲を超える支払いはできないため、大きな引き落としがあるときは注意が必要です。
担保定期預金を解約すると精算が必要
貸越がある状態で担保定期預金を解約する場合、貸越元金と利息が差し引かれることがあります。解約前にマイナス残高と利息を確認しましょう。
当座貸越が向いているケース
- 給料日や入金予定まで数日だけ不足する
- 引き落としの残高不足を一時的に避けたい
- 定期預金の満期が近い
- 借入額が少額で、返済日がはっきりしている
- 定期預金を中途解約したくない理由がある
定期預金の解約を検討すべきケース
- マイナス残高が長期間続きそう
- 借入額が大きい
- 返済予定がはっきりしない
- 毎月の収支が赤字になっている
- 貸越利息を払い続けるより、定期を崩したほうが負担が小さい
まとめ:短期不足なら貸越、長期不足なら解約を検討
定期預金を担保にした当座貸越は、普通預金残高が足りないときに自動で不足分を補ってくれる便利な仕組みです。通帳の残高がマイナスになっている場合は、総合口座貸越が発生している可能性があります。
ただし、当座貸越は借入であり、利息がかかります。短期間で返済できる一時的な不足なら便利ですが、マイナスが続くなら定期預金の解約や家計の見直しを検討しましょう。
判断のポイントは「不足額」「返済までの日数」「定期預金を解約した場合に失う利息」です。便利な自動融資だからこそ、使いっぱなしにせず、早めに返済または解約判断をすることが大切です。
参考:みずほ銀行「みずほ総合口座 商品説明書」、みずほ銀行「みずほ総合口座」、三井住友銀行「総合口座(一般)」、ゆうちょ銀行「貯金担保自動貸付 商品説明書」。本記事は一般的な情報提供を目的としており、条件は金融機関により異なります。
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