株式投資

株の配当金・優待はいつまでに買えばもらえる?権利確定日と権利付最終日のルールを徹底解説

株主優待と配当金

配当金や株主優待などを目的にして株投資をしようと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

ここでは、株の配当金や株主優待を受け取るための条件や、いつまでに株を買えばそうした権利を得られるのかについて具体的に解説していきます。なお、こうした権利を得るには、企業が定める「権利確定日」に株主として名簿に登録されている必要があります。

ただし、単純に「権利確定日に株を持っていればいい」というわけではなく、株式受渡日のルールにより、「権利付最終日」の取引終了(大引け)時点で株を保有していることが実際の条件となります。このルールの詳細や注意点について順番に見ていきましょう。

権利確定日とは

権利確定日とは、配当金や株主優待などを受け取る権利が確定する日のことです。各企業はそれぞれ締め日として「権利確定日」を設定しており、その日の時点で株主として登録されている人に対して、配当金や株主優待を送ります。

この権利確定日は各企業によって異なります。現在は各証券会社の公式サイトや、みんかぶ等の投資情報Webサービス、「会社四季報」などで簡単に調べることができますので、事前に確認しておきましょう。

多くの企業は決算期である「3月末」など、月末を権利確定日とするケースが多いですが、J-REITや一部のETF、特定の企業などでは「15日」や「20日」といった月内を確定日としているケースもあります。月末を前提としたスケジュール計算では間に合わない場合があるため要注意です。

権利確定日の時点で株主となる条件

注意したいのは、「権利確定日の当日に株を買っても、配当や優待はもらえない」という点です。株式の売買では、約定(取引成立)から名義の書き換え(受渡)までに2営業日が必要になります。なお、営業日というのは土日祝日を除く平日を指します。

制度変更にご注意ください
以前は受渡日数が「約定日から3営業日後」のルールでしたが、2019年7月より制度が変更され、現在は「約定日から2営業日後(T+2)」に短縮されました。
これにより、権利付最終日も「権利確定日の2営業日前」に変更されています。古い書籍やWebサイトの情報には十分ご注意ください。

つまり、3月31日の権利確定日の時点で株主となるためには、その2営業日前までに株を買っておく必要があります。

2025年3月の例
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(権利付最終日)
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(権利落ち日)
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30 31
(権利確定日)

上記は2025年3月のカレンダーです。3月31日が権利確定日(月曜日)となるケースです。間に土日(休場日)を挟むため、その前の営業日を遡って数えます。

この場合、3月31日に株主として登録されるには、2営業日前である3月27日(木)に株式を保有し、そのまま取引を終える(大引けを迎える)必要があります。

この3月27日を「権利付最終日」といいます。ですから、3月27日までに株を買って、翌日の3月28日(金)に株を売却したとしても、配当金や株主優待を受け取る権利を得ることができます。ちなみに、権利付最終日の翌営業日である3月28日のことを「権利落ち日」といいます。

営業日単位で数えるため、途中に祝日や休日がはいるとその日はカウントされません。大型連休などが絡む時期は特に注意してスケジュールを確認してください。

権利付最終日に株を買い、権利落ち日に株を売るのは有効?

「権利付最終日に買って、権利落ち日にすぐ売れば、簡単に優待や配当がもらえるのでは?」という戦略は、通常あまりうまくいきません。なぜなら、「市場の参加者みんながそれを知っているから」です。

通常、権利確定日が近づくにつれて配当・優待狙いの買いが入り株価は上昇傾向となり、権利落ち日にはその権利がなくなった分だけ株価がパッと落ちるようになっています。そのため、権利落ち日は通常、配当金相当額に近い金額だけ株価が値下がりして取引が始まるのが一般的です。

株価はどれくらい下落するのか?
理論値としては「1株あたりの配当金相当額」が下落するとされています。
しかしながら、個人投資家に人気の株主優待を提供している会社などの場合、優待の価値は金銭換算が難しいため、売りが殺到し理論値以上に大きく株価が下落するケースも多く見られます。

この配当や優待の権利がなくなることによる株価の下落を「権利落ち」といいます。

じゃあ、空売りすれば儲かるんじゃないの?

「買いではなく、ショート(空売り)をすれば権利落ち分の値下がりで儲かるのでは?」と思われるかもしれません。

たしかにその場合、権利落ち分の株価下落によって差益は出ますが、株を借りて売っている状態であるため、貸してくれた人に対して配当分に相当する金額を支払う義務が生じます。

空売りをして権利日をまたいだ場合、「配当落調整金」として配当金相当額を証券会社経由で支払う必要があります。つまり、「権利落ちによる株価下落 > 配当落調整金の支払い額」になれば利益はでますが、そうならない場合は逆に損をすることになります。

配当落調整金の税金に関する注意
信用売り(空売り)をして支払う配当落調整金は、所得税法上「雑所得」などの扱いとなり、通常の株式の譲渡損益とは税務上の扱いが異なります。そのため、税金面も含めて考えると、単純な空売り戦略で安定して利益を出すのは難しいと言えます。そんなに美味しい話はないということです。

NISA口座で配当金・株主優待を受け取る際の注意点

非課税メリットが大きいNISA口座を利用して、配当金や株主優待を狙う方も多いでしょう。NISA口座で取得した株式でも、条件を満たせば通常通り配当金や株主優待を受け取ることができます。

ただし、配当金を「非課税」で受け取るためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式(証券会社の口座で直接受け取る方式)」に設定しておく必要があります。

郵便局などの窓口で現金で受け取る方式(配当金領収証受領方式)や、指定した銀行口座で受け取る方式(登録配当金受領口座方式)を選択していると、NISA口座で購入した株であっても非課税扱いにならず、約20%の税金が引かれてしまうため、証券口座の設定状況をしっかり確認しておきましょう。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。