長期金利(国債利回り)がマイナス金利状態となっていることを受けまして、私が保有している個人向け国債の金利もマイナスになるのか?マイナスになるなら解約をしたいけどどうすればいいのか?といったような内容の質問がいくつか寄せられております。今回はこれらの質問への回答として長期金利(国債利回り)と個人向け国債の利回りについて説明していきます。
現在の国債利回りの状況
現在の国債利回りの状況についてはネット証券などで見ることができます。
日本国債3年:-0.211%
日本国債5年:-0.191%
日本国債10年:-0.046%
(2016/02/25/02:54)
個人向け国債(3年満期、5年満期、10年満期)がそれぞれ参照しているのは上記の利回りとなります。見事に全期間マイナス金利ですね。ちなみに、長期金利という言葉を使う場合は日本国債10年の利回りを指します。
個人向け国債の利率は上記の基準金利に一定の率をかけることで計算されますので、計算上は個人向け国債の利回りもマイナスになることになります。
マイナス金利になってもマイナスにはならない
結論から言うと、個人向け国債の利回りはたとえ長期金利がマイナスになってもマイナスになることはありません。個人向け国債には「下限金利」として0.05%が設定されています。
個人向け国債も市場の利回りがマイナスとなれば計算上はマイナス金利になるわけですが、下限が定められていることによって0.05%となります。
マイナス金利で国債に投資する価値はあるのか?
都市銀行も普通預金の金利を0.001%に引き下げており、金利が相対的に高かったネット銀行に置いても2016年2月に入ってからあわただしく預金金利の引き下げなどに動いております。
そうした意味で、そもそも安全に運用できる資産を高い利回りで運用が可能な状況ではないというのが今のマーケットです。
安全にお金を預けておき、将来のインフレ等のリスクに備えるというのであれば、利回りが変動タイプである個人向け国債(10年・変動)は比較的有利と言えるでしょう。
金利が相対的に高い超長期の社債への投資はどうなのか?
マイナス金利を受けて事業会社も動いています。JR西日本は「満期40年」という超長期の社債の発行をすると発表しています。これは極端な例ですが、10年程度の長期社債の発行も相次いでいます。
各社ともこの状況を受けて低コスト(低金利)での資金調達ができると見込んで動いています。
たしかに、相対的にみれば利回りも高くメリットがありそうな投資に見えるかもしれません。ただし「個人向け社債が個人投資家にとってお勧めできない理由」でも書いている通り、個人投資家にとっての社債投資には危険な面もありますので、分散投資を必ず心がけてください。