ふるさと納税はもはや、多くの方にとって常識となりつつあるお得な制度です。年々このふるさと納税の利用者は増加しています。
そんななか、お得な制度ってことで、新聞や雑誌などで見かけた、あるいは友人知人などから聞いたけど、その仕組みとかが全く分からない……。という方も少なくないかと思います。
今回はそんな、ふるさと納税に興味はあるけど、仕組みとか、なんでお得なのかがそもそもわからないという方のために、ふるさと納税の基本を分かりやすく紹介していきます。
年々利用者が増加するふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分が支払っている税金(住民税)を別の自治体に払える(寄付できる)制度です。
住民税という税金は1月1日時点で居住している自治体に払います。たとえば、新宿に住んでいる人は新宿区(東京都)に対して住民税を払うことになります。
一方で、自分が育った地元(例えば福岡)に対して恩返しがしたい!あるいは、地震などの自然被害に遭った自治体を応援したい!とう方もいらっしゃるでしょう。そんな時に、ふるさと納税の制度を利用すれば、あなたの所得に応じた一定範囲内までを、他の自治体に寄付できる制度です。
ふるさと納税における寄付と自己負担の金額
ふるさと納税は住民税の所得割額のおよそ20%までの金額を、お住いの自治体以外に寄付すれば2000円の自己負担で残りのを税額控除できる仕組みとなっています。
なんともわかりにくい言い回しですね。
少し簡略化していますが、仮に住民税を年間に20万円(所得割額)を払っているとしましょう。この場合、税控除をフルに利用できる寄付可能額は約20%の4万円となります。
この4万円までの範囲なら寄付分は「寄付金控除(税額控除)」といって税金が後から戻ってくる形になります。ただし、2000円は適用後限度額といって控除されません。
なので、この例だと4万円寄付をしたとすれば、後から38,000円分が税金が安くなる形でお金が戻ってくるということになります。
利用者急増の背景は「お得」なお礼の品があるから
ん?それじゃあ、ふるさと納税を利用すると2000円損をするの?お得な制度じゃないの?
と思われる方も多いでしょう。そうです。ふるさと納税は「寄付をする」という単体だけでは最低でも2000円の適用限度額があるため、損をするような設計になっています。
それじゃあ、なんでお得な制度、最強の節税対策とかいって紹介されるのでしょうか?それは寄付をした先の自治体がお礼の品(返礼品)をくれるからです。
ふるさと納税を受け入れている自治体では、寄付をもらうと様々なお礼の品をくれます。
- お米
- お肉
- 野菜
- 魚介類
- 地元の特産品
- お酒
- 旅行券
といったように様々なお礼の品を用意しています。一般的には寄付として受け入れた金額の30~50%くらいの価値のお礼の品を送ってくれることが多いです。
ということはですよ。4万円の寄付なら1万2千円~2万円くらいのお礼の品がもらえるということになります。ふるさと納税の適用限度額は2000円だから差し引いても1万円~1万8千円くらい儲かる計算になるわけです。
このお礼の品がミソなわけですね。
ふるさと納税って面倒くさそう……確定申告とかいるの?
OK,お得な制度であることは分かった。でも面倒なんじゃないの?
基本的には寄付をした自治体から返送されてくる寄付金受領証明書という書類をもとに確定申告をする必要があります。
ただし、手続きは簡単です。サラリーマンの方なら会社が発行する源泉徴収票と寄付金受領証明書があれば、タックスアンサー(国税庁のネットサービス)で1時間もかからずに作成することができます。
また、2016年からはワンストップ特例制度といって5件までのふるさと納税(寄付)なら確定申告不要な制度があります。これを利用すれば確定申告は不要で必要書類を自治体に返送すればOKです。
みんなやってるふるさと納税
ふるさと納税とは何か?という基本はここまで紹介した通りです。簡単な制度なのにお得ということで利用者は急増しています。
上記は総務省がまとめているふるさと納税の利用件数です。平成28年(2016年)から利用者が急増しており、毎年順調に利用者が増えています。2017年の実績は295.9万人が利用しています。
ふるさと納税の始め方、寄附から申告の流れ
分かった。じゃあ、ふるさと納税をやってみようという方のために、ここからはふるさと納税の始め方(寄付の仕方)を紹介していきます。
- あなたの今年の寄付可能額の目安を知る
- 寄付サイトを決めて、検索する
- 寄附する(できればクレジットカードで)
- 返礼品が届くのを待つ
- ワンストップ特例の返送 or 年明けに確定申告
こんな流れになります。
あなたの今年の寄付可能額の目安を知る
まずは、自分の寄付可能額の目安を知りましょう。
ふるさと納税の計算は暦年(1月1日~12月31日)が一期間となります。年度ではないのでご注意ください。
ふるさと納税の寄付自体はいくらでもできるのですが、税額控除ができる金額には限度があります。住民税の所得割額の2割が目安です。
正直、細かく計算するには、今年の収入がいくらになるかを知る必要があります。ただ、大雑把な金額でよければ年収から判断することができます。
ふるさと納税をする人の給与収入 | 独身又は共働き | 夫+専業主婦 | 共働き+子1名(高校生) |
---|---|---|---|
150万円 | 8,000円 | ||
200万円 | 15,000円 | ||
300万円 | 28,000円 | 19,000円 | 15,000円 |
325万円 | 31,000円 | 23,000円 | 18,000円 |
350万円 | 34,000円 | 26,000円 | 22,000円 |
375万円 | 38,000円 | 29,000円 | 25,000円 |
400万円 | 42,000円 | 33,000円 | 29,000円 |
425万円 | 45,000円 | 37,000円 | 33,000円 |
450万円 | 52,000円 | 41,000円 | 37,000円 |
475万円 | 56,000円 | 45,000円 | 40,000円 |
500万円 | 61,000円 | 49,000円 | 44,000円 |
525万円 | 65,000円 | 56,000円 | 49,000円 |
550万円 | 69,000円 | 60,000円 | 57,000円 |
575万円 | 73,000円 | 64,000円 | 61,000円 |
600万円 | 77,000円 | 69,000円 | 66,000円 |
625万円 | 81,000円 | 73,000円 | 70,000円 |
650万円 | 97,000円 | 77,000円 | 74,000円 |
675万円 | 102,000円 | 81,000円 | 78,000円 |
700万円 | 108,000円 | 86,000円 | 83,000円 |
725万円 | 113,000円 | 104,000円 | 88,000円 |
750万円 | 118,000円 | 109,000円 | 106,000円 |
775万円 | 124,000円 | 114,000円 | 111,000円 |
800万円 | 129,000円 | 120,000円 | 116,000円 |
825万円 | 135,000円 | 125,000円 | 122,000円 |
850万円 | 140,000円 | 131,000円 | 127,000円 |
875万円 | 145,000円 | 136,000円 | 132,000円 |
900万円 | 151,000円 | 141,000円 | 138,000円 |
925万円 | 157,000円 | 148,000円 | 144,000円 |
950万円 | 163,000円 | 154,000円 | 150,000円 |
975万円 | 170,000円 | 160,000円 | 157,000円 |
1000万円 | 176,000円 | 166,000円 | 163,000円 |
1100万円 | 213,000円 | 194,000円 | 191,000円 |
1200万円 | 242,000円 | 232,000円 | 229,000円 |
1300万円 | 271,000円 | 261,000円 | 258,000円 |
1400万円 | 355,000円 | 343,000円 | 339,000円 |
1500万円 | 389,000円 | 377,000円 | 373,000円 |
1600万円 | 424,000円 | 412,000円 | 408,000円 |
1700万円 | 458,000円 | 446,000円 | 442,000円 |
1800万円 | 493,000円 | 481,000円 | 477,000円 |
1900万円 | 528,000円 | 516,000円 | 512,000円 |
2000万円 | 564,000円 | 552,000円 | 548,000円 |
寄付サイトを決めて、検索する
ふるさと納税は自治体(市区町村)に対して寄付をするわけですが、いちいち自治体のホームページを探したりするのは大変非効率です。
基本的にはふるさと納税の寄付サイト(寄付ポータルサイト)と呼ばれる、ウェブサイトがりますので、そちらを通じて寄付するのが一般的です。
- 楽天ふるさと納税
- さとふる
- ふるなび
- ふるさとチョイス
といたように、色々な寄付サイトがあります。制度的にはどの寄付サイトを使っても同じなのですが、登録されている自治体が異なるほか、寄付サイトによってはユーザー向けの特典を用意しているところがあります。
また、それぞれの寄付サイトによってサービスや用意されているお礼の品などにも違いがあります。
幅広いユーザー向けの楽天ふるさと納税
お得度でいえば、No1は楽天ふるさと納税でしょう。こちらネット通販の楽天市場の中で寄付ができます。通販で買い物するとの同じような感覚でふるさと納税ができます。
また、ふるさと納税(寄付)で楽天ポイントが使えるほか、楽天ポイントも貯まります。10%以上のポイント還元となるケースもあるので、うまく使えば2000円の自己負担額だってポイント還元で取り戻すことが可能です。
高所得者に特におすすめは、ふるなび
ふるなびは「アイモバイル」が運営しているふるさと納税の寄付サイトですね。特徴は家電製品・電化製品や旅行券・ギフト券などの取り扱いが豊富であることです。
こうした金券類は今は扱う寄付サイトが少ない中で希少です。10万円、20万円といった単位での寄付ができるのであれば、還元率も高く、使い勝手もよい家電や旅行券、ギフト券などはお得感があります。
寄附する(できればクレジットカードで)
寄付サイトで寄付先を探して、良いところが見つかったら寄付をしましょう。
前述の寄付サイトからそのまま寄付できます。大抵の寄付サイトではクレジットカードでの寄付を受け付けていますし、ポイント付与の対象です。なのでポイント還元率が高めのクレジットカードで寄付するようにすると、ポイント分お得です。
返礼品が届くのを待つ
寄付が終わったら、返礼品が届くのを待ちましょう。
自治体によってタイミングは異なります。数週間、場合によっては1か月以上返礼品が届くのを待つことになる場合もあります。
寄附が集中する年末(11月~12月)のふるさと納税利用だと時間がかかる場合もあります。まぁ、気長に待ちましょう。
ワンストップ特例の返送 or 年明けに確定申告
寄附の返礼品が届くのに前後して自治体から「寄付金受領証明書」というものが届きます。これは重要書類なのでしっかり保管しておきましょう。
ワンストップ特例制度(確定申告不要制度を利用する場合)
返送用の封筒が入っていると思いますので、必要事項を記入して返送します。忘れてた……ということがないように届いたらすぐにやっておきましょう。
ワンストップ特例制度を利用するならこれで手続き完了です。
年明けに確定申告
確定申告をする予定がある方は、寄付金受領証明書を保管しておき、年明けに確定申告をしましょう。
ふるさと納税はビックリするほど簡単
長々とした文章になりましたが、最後までありがとうございます。
ふるさと納税とはどんな制度なのか?ということはご理解いただけましたでしょうか。納税とか名前がついているので難しそうと思うかもしれませんが、実際にやってみるとビックリするほど簡単です。
まだ、ふるさと納税をやっていないという方は騙されたと思って、「楽天ふるさと納税」辺りで寄付してみましょう。まるでカタログショッピングみたいな感覚で寄付できます。