不動産投資

不動産投資は失敗が判断しにくいから怖い

mistake不動産投資における失敗といのは実は非常に「判断しにくい」です。だからこそ、延々と損を出し続けるような悪循環に陥ってしまって、長期間にかけて損をするような状況になることがあります。

今回はそんな不動産投資におけるゆるやかな失敗とリスク。どうやって失敗を判断するべきなのか?失敗したと分かった時はどうするべきか?という点について紹介していきます。

不動産投資の緩やかな失敗

自分は不動産のオーナーだと言いながらも実態は失敗している投資家の方はたくさんいるように思います。不動産投資の場合、事故や災害などは別として一晩にして財産を失うというようなドラスティックな失敗はあまり起こりません(もちろん、ないわけではありませんが)。

どちらかというと、徐々に余裕がなくなっていくというような緩やかな失敗をする人の方が多いです。

この緩やかな失敗は徐々に投資家の体力を奪っていくというだけでなく、ロスカット(損切り)をするタイミングを決断しにくいという点が大きな問題となります。

そのため、ずるずると投資を続けて、最終的にはどうしようもないという状況に陥ってしまうというリスクをはらんでいるのです。これが不動産投資の失敗の怖いところの一つだと思います。

 

投資初期からキャッシュフローがマイナスなら失敗

まず考えておきたいのは不動産投資において年間のキャッシュフローがマイナスになるような状況は「失敗」と考えてもよいでしょう。キャッシュフローというのはお金の流れを意味しており、「入ってきた現金から出て行った現金を差し引いたもの」です。

減価償却による税効果については「副次的」なものと考えるべきです。税効果を考える野しても「帳簿上はマイナスだけどキャッシュフローはプラス」という状況でなければなりません。

ですから、本業(賃料収入)によるキャッシュフローがマイナスなら、対策を考えてキャッシュフローの改善を図るべきです。それができないならその投資は失敗で出口(損切りを含めた撤退)を考えるべきです。

キャッシュフローは「賃料収入-(ローン返済+管理費などの手数料+その他修繕費や設備費用など+税金)」で計算されます。

一般に不動産は年が経過するほど修繕費などが増えていきます。一方で賃料収入が右肩上がりになるというのは難しいです。

つまり不動産投資の場合は築浅の状態が最もキャッシュフローが良く、その後はどんどん悪化していくと考えるのが妥当です。

不動産投資を始めた初期からキャッシュフローがマイナスと言う状況はほぼ間違いなく失敗したと言えるでしょう。もちろん、戸数がすくない状況だと、空室が長く続けばキャッシュフローが悪化することになります。その空室をなるだけ長期化させない努力はオーナーが管理会社とともに対策をとって解決するべきです。

結果としてそれが解決できないなら、失礼な言い方になるかもしれませんが、オーナー(管理会社)の不動産運用能力に問題があるわけです。キャッシュフローがマイナスというのは事業として失敗していると判断するべきです。

この失敗した事業(不動産投資)はもはや不良債権で、できるだけ早く処分するべきです。判断が遅れると、次で紹介する「売りたくても、売れない」という最悪な失敗につながることになるかもしれません。

なお、言いかえれば、キャッシュフローを改善することができれば投資的価値は上昇することになります。投資家(不動産オーナー)は当該物件のキャッシュフローをどのようにして改善するべきか、どうやったら改善できるのかを日々考えて、改善していく必要があるわけです。

キャッシュフローが悪化していた物件に手を加えてキャッシュフローを改善させることで大きな利益を手にしている人もいます。

 

最悪な「売りたくても売れない」と言うケース

さて、不動産投資で緩やかな失敗をして、最悪な失敗となるのが「売りたくても売れない」という状況になることです。アパートローンのような借金が残っている状況で、不動産を売却する場合には、銀行に対してローンを「全額返済」するのが基本となります。

収益性が悪化している不動産はそれだけ安く買いたたかれてしまいます。
たとえば、ローンが5000万円残っており、今投資用不動産を売却した場合には3000万円でしか売れないと言う場合、差額の2000万円は「自分でなんとかして用意する」しかありません。

用意できない場合は売ることができないわけです。

となると、キャッシュフローがマイナスで毎年毎年、現金が懐から出ていく不良債権なのに、それを持ち続けるしかないという状況になるわけです。これが売りたくても売れない状況です。

そうなると、なんとかして余所からお金を引っ張ってくるか、ローンを返し終わるまで延々とお金を支払い続けると言う状況になってしまうかもしれません。

 

不動産投資、失敗の決断は早めの対応が重要

不動産は、他の投資商品と比較しても「流動性(売買されやすさ)」が極端に低い商品です。
そのため、失敗したと考えた時は多少損が出ようともなるべく早い段階で売却の道を検討し始めるべきです。

余裕がある形で売却の依頼をだしておけば、より良い条件で買ってくれる投資家が現れるのを待つことだってできます。逆を言えば、余裕が無い状況だと相手に足元を見られて相場よりも安い価格で買いたたかれてしまうリスクも大きくなります。

なお、我が家はサブリース(家賃保証)を組んでいてキャッシュフローもプラスだから安心という方もご注意を。こちらについては「不動産投資とサブリース契約の問題点・リスク」でも問題点を挙げています。

 

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。