投資信託

NISAと確定拠出年金(401k)の使い分け

nisa-401k現在、日本における投資方法の中でも税制上のメリットがある運用方法が「NISA(小額投資非課税制度)」と「確定拠出年金(日本版401k)」の二つです。それぞれは制度としてはまったく異なりますが、税制上のメリットが強い運用方法です。どちらにも長所と短所の両方がありますので、それぞれの違いを理解した上で上手に活用していきましょう。

 401k(確定拠出年金)は節税効果◎ 老後資金なら文句なし

確定拠出年金は節税効果は非常に高いです。NISAはあくまでも投資収益のみ5年間の非課税という制度ですが、401kの場合

・401kに拠出した掛け金が所得控除(所得税、住民税の節税)
・非課税期間は数年~数十年と長い
・スイッチング(投信の乗り換え)が自由

というように、所得税や住民税といったお給料等にかかる税金まで節税できてしまうのです。運用可能な商品は「投資信託」が中心で個別株などには投資ができず、投資可能なファンドもインデックスファンドを中心に限られていますが、確定拠出年金専用のファンドはコストが安いことも多く、販売手数料のかからないなど魅力的な商品も多く、選べるファンドのすくなさはあまり不利益と感じません。

 

一方でデメリットとしては、「年金」であるため途中解約が出来ないことです。私的年金(年金保険)のように元本割れでもいいから解約ということもできません。

あくまでも超長期運用(老後資金のための運用)としての利用となります。

 

NISAは資金使途は自由。一方で使い勝手の悪さも目立つ

NISAの制度としての仕組みについては「NISA(ニーサ・小額投資非課税制度)に関するまとめ」でも説明しているので、ここでは簡単に説明します。

・年間100万円までの投資に対する利益(売買益・配当益)が非課税
・非課税期間は投資から5年間
・途中で売却・出金は可能だが、非課税枠は回復しない
・投資信託のスイッチング(乗り換え)は不可
・投資信託だけでなく、個別株、ETF、REITにも投資可能

こういった内容になっています。投資商品が広いと言う点、いつでも売却して出金することもできるのでお金の自由度は高いです。

その一方で期間が5年しかない点、非課税期間をフル活用するためには一度投資したらずっと放置せざるを得ないと言う点はデメリットです。

こうした使い勝手については、金融当局でも議論されており、制度の改正も検討されています。

 

運用期間で選ぼう

実際に「老後資金の運用」と考えるのであれば、制度的に401k(確定拠出年金)のほうが圧倒的に有利といえます。

ただし、運用期間が超長期となり、老後資金以外の目的で利用することはほぼ不可能となります。そのため、多額の資金を401kに預け拘束しておくと言うのはちょっと、家計の冗長性という面で問題があります(万が一のときの資金手当てができなくなる)。
もっとも401kは会社員の場合、最大でも23000円/月までしか掛けられませんけど(企業年金がない場合)。

状況によっていつでも解約して現金化することができると言う意味で、短期的に必要胃なるかもしれないお金というのはNISAによる運用のほうが向いていると考えられます。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。