株式投資

証券会社の手数料の種類と比較方法

証券会社で株取引をするとき、まずはじめに手数料タイプを選択することになります。多くの場合、スタンダードなのは売買の都度、売買代金に応じて手数料を支払うのが主流ですが、一日定額タイプや一カ月定額タイプのように証券会社によっては独自の手数料体系を提供している会社も多くあります。投資家の投資額、投資スタイルなどによっては、どの手数料プランがお得になるのかが変わってきます。
今回は、こうした証券会社手数料の種類とその特徴および、どうやって手数料タイプを選ぶべきかを解説していきます。

証券会社の手数料の種類

まず、証券会社における株の売買手数料は大きく、下記の2種類が存在します。

・売買の都度手数料が発生するプラン(スタンダードなもの)
最もスタンダードなタイプです。株式の売買金額に応じて、売買の「都度」手数料が発生するようになっています。
たとえば、3000円の株を200株購入したときは、3000円×200株=60万円の売買高となりますので、その60万円に対して手数料が課せられます。一般的に、売買金額が大きくなるほど手数料は高くなりますが、その比率はちいさくなります。
たとえば、10万円の時は100円(0.1%)、100万円の時は800円(0.08%)といった形です。

 

・1日(一定期間)の売買代金を合計してその合計に対して手数料が発生するプラン
1日定額制手数料、ボックスレート、アクティブプランなどのように証券各社によって名称は異なります。1日に売買した合計金額に対して手数料がかかるようになっているプランです。たとえば、売買金額が、30万円、110万円、80万円という3回の売買を1日に行った場合、合計金額である220万円に対して手数料がかかるようになっています。売買金額あたりの手数料率はスタンダードなタイプの手数料より高く設定されてます。

 

どっちの手数料体系がお得なの?

この両タイプの手数料体系ですが、実際にどちらのタイプを選択するのがお得といえるのでしょうか?
実際に運用されているネット証券の手数料テーブルをもとに検証していきましょう。

上記はSBI証券の手数料テーブルです。スタンダードプランが売買の都度手数料が発生するプランで、アクティブプランが位置に定額タイプの手数料ということになります。

それでは、それぞれの手数料タイプの運用状況を細かく分けて考えていきましょう。

スタンダードタイプの手数料
・たとえ少額の売買でも売買の都度手数料が発生する
・手数料率は、売買金額が大きくなるほど安くなる

1日定額タイプの手数料
・合計金額に対しての手数料なので、売買回数は関係ない
・手数料率はスタンダードタイプよりも高い。

以上の点から具体的に分析していきます。

 

投資スタイル別のおすすめ手数料プラン

まずは、1日定額タイプの手数料体系が向いている方を見ていきましょう。

  1. 少額取引が多い。
  2. 取引をする日の売買回数が3回を超える

上記の条件を満たしている方は1日定額タイプの手数料が向いています。売買回数が多く、取引金額が小さい場合、スタンダードタイプの手数料体系だと、無駄な手数料が発生します。
たとえば、上記のSBI証券のケースで、20万円の取引を10回した場合、スタンダードタイプの手数料だと194円×20回=3,880円の手数料が発生しますが、1日定額手数料の場合は1,220円の手数料で済みます。
この差は、売買回数が多くなるほど、売買される金額が少額であるほど大きくなります。

 

次に、スタンダードタイプ(売買の都度手数料がかかるタイプ)の手数料がおすすめの方は下記のような条件を満たす方です。

  1. 1日の取引回数が1~2回前後でさほど多くない。
  2. 平均売買金額が300万円より高額

たとえば、150万円の株を1回買うだけというのであれば、スタンダードタイプの手数料なら764円だけです。一方1日定額手数料の場合は1120円の手数料が発生することになります。
しかしながら、150万円が2回なら「スタンダード:1528円」と「1日定額:1640円」というように差が縮まっていきます。そして3回目以降は位置に定額手数料の方がお得になる計算となります。

ただし、注意したいのは取引の金額が極端な高額帯であるような場合は別です。SBI証券の場合、スタンダードタイプの手数料体系では150万円以上の場合は1209円の手数料で固定されています。一方の1日定額タイプの手数料では、100万円ごとに420円が積みあがっていく形になっています。

そのため、1209円の手数料アップを超える水準となる1回あたりの取引金額300万円以上(420×3=1260円)の場合はスタンダード手数料の方が常にお得ということになります。

たとえば、300万円の取引をするとスタンダードなら1209円の手数料が都度かかります。
一方で1日定額手数料の場合、300万円取引が増えると都度1260円の手数料が加算されていきます。このため、平均売買金額が300万円を超えるような場合には、売買回数が多くてもスタンダード手数料を選択する方がお得になります。

 

いかがでしょうか?ちなみに、この計算はあくまでもSBI証券をベースにしたものですが、他のネット証券の場合でもほとんど同じような傾向が見られます。現物株の取引で平均300万円を超えるような取引をする方はそう多くはないと思います。
と考えますと、最後の条件は無視して、1日の売買回数が3回を超えるなら「1日定額制手数料」、それ以下ということであれば「都度手数料」を選択するようにすれば損をすることはないかと思われます。

そのうえで具体的な金額で比較したいというかたは「約定ごと手数料で証券会社手数料比較」「1日定額制手数料で証券会社手数料比較」などをご参照いただければと思います。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。