投資信託

相場に乗って売買するブルベアファンド

投資信託の一種に「ブルベアファンド」という投資信託があります。これは、日経平均株価などの動きに連動する投資信託の一種ですが、連動幅が2倍or3倍と大きく、ブル型なら相場と同じ方向に、ベア型なら相場と逆の方向に動くように設計されている投資信託です。相場に乗って売買することで積極的な利益を狙っていくタイプの投資信託です。

ブルベアファンドってどんな投資信託?

相場用語に「ブル」と「ベア」という二つの言葉があります。ブルは強気・上昇を意味し、ベアは弱気・下落を意味しています。ブルベアファンドは、日経平均株価などの相場に連動または逆連動する投資信託です。

オプション取引などの仕組みを活用することにより、相場の2倍の値幅で動きます。たとえば、日経平均ブルベアファンドのブル型なら日経平均株価が5%上昇したら、10%上昇、逆に5%下落したら10%下落することになります。ベア型なら逆に日経平均株価が5%上昇したら、10%下落、逆に5%下落したら10%上昇することになります。

なお、トリプルブルベアといって、指標の値動きの「3倍」の値動きをするタイプもあります。基本的には、他のタイプの投資信託とは異なり、短期間の保有で売買益をあげることを目的にすると言うのが一般的な投資信託の中長期保有とはちょっと毛色が異なる投資信託です。

 

ブルベアファンドのメリット・デメリット

ブルベアファンドは上述のように相場の上下にあわせて売買することによって、売買益が得られると言う点がメリットですね。リスクはあるものの、相場の2倍または3倍の値動きで投資できるというのも投資の効率性は高いです。実質的に2倍、3倍の「レバレッジ」をかけて投資をしていることになります。

あたれば大きいけど、外れたときの損失は大きいと言うハイリスクハイリターンタイプの投資信託になります。

デメリットとしては、ブルベアファンドは長期保有することで損をしやすいという性質が挙げられます。
たとえば、ブルベアファンドは常に値動き2倍(or3倍)を達成する必要があります。
これは「投資時点」ではなく、前日の終値を基準に考えて設定されるため、株価が「上下」すると値下がり時の影響が大きくなります。結果として上限に動くブルベアファンドを長期間保有するとパフォーマンスが低下してしまいます。

また、ブルベアファンドの問題点としては「手数料」も挙げられます。
投資信託ですので「販売手数料」「信託報酬」といった投資信託手数料が発生します。

たとえば最近人気の楽天日本株トリプル・ブルベアのケースでは、楽天証券での購入でも販売手数料は2.10%もかかります。さらに信託報酬が0.9765%かかるようになっています。
先ほども書いたとおり、ブルベアファンドと言うものは長期保有するものではなく「売買」が基本となるにもかかわらず2.1%などという高額の販売手数料が発生する仕組みなっています。

高い手数料、ETFのほうが有利?

ちなみに、最近はブルベアファンドのETFも登場して話題になっています。
個人的には超割高な手数料を考えると、窓販タイプのブルベアファンドを買うよりは、ブルベアETFを売買するほうが圧倒的にコスト面で優れています。

ブルタイプは「日経レバレッジ指数」という指数連動型ETFとして「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」があります。こちらは指数の2倍の値動きをするように設計されています。信託報酬は0.840%、販売手数料は各証券会社の株式売買手数料0.1%程度がかかります。

一方のベアタイプは「日経インバース指数」のETFとして「NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」があります。こちらは指数と逆の値動きをするように設計されています。信託報酬は0.840%、販売手数料は各証券会社の株式売買手数料0.1%程度がかかります。
また、日経平均ではなく、TOPIXと連動するブルベアタイプのETFも用意されています。

先ほどの投資信託タイプと比較するとコスト面での優位性が非常に高いです。ブルベアファンドによる短期の売買益を狙うという方はETFを使った投資をお勧めいたします。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。