株式投資

特定口座は「源泉徴収なし」を選択する方が節税になる可能性がある【株の税金】

account証券会社で口座を開く時などに税金の納め方として「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のどちらかを選択したはずです(特定口座)。この選択のやり方で、納付する税金の金額が変わる場合があるってご存知ですか?特に投資金額が小さい方の場合は「源泉徴収なし」を選択すると最大で4万円も節税できる場合があるのです。

そもそも特定口座とは何か?

特定口座とは、証券会社の取引口座のことで、「証券会社が投資家の代わりに、株や投資信託などの売買で得られた利益などの記録や計算を行ってくれる口座」です。

特定口座以外に、そうした記録や計算を自分でする「一般口座」というものもあるのですが、一般口座を選ぶメリットは無いので、普通は特定口座で口座を開設します。
(参考:特定口座と一般口座の違い

 

「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の選択

・源泉徴収あり
証券会社が投資家の代わりに税金の納税をしてくれます。実際には利益が出る都度、税金分が「源泉徴収」という形で差し引かれる形となります。投資家は確定申告をする必要はありませんが、年間を通じて損失が出て、その損失を翌年に繰り越す場合には確定申告が必要になります。

・源泉徴収なし
証券会社が作成する「年間取引報告書」をもとに自分で確定申告をして納税をする必要があります。年間取引報告書をベースに取引するので確定申告の手間はほとんどありません。

 

手続きが面倒そうな「源泉徴収なし」を選ぶメリット

日本証券業協会の調査では全体の82%が「源泉徴収あり」を選択しているそうです。おそらく、多くの投資家は手続きが面倒でない「源泉徴収あり」にメリットを感じているのではないかと思います。

面倒そうな「源泉徴収なし」で確定申告をするというものを選択するメリットはないのでしょうか?実は、特に少額の投資をしている投資家の方にとっては、源泉徴収なしを選択する方が、納税額が少なくて済むと言う場合があるのです。

 

年20万円以下の利益なら申告不要

年収が2000万円未満の給与所得者で確定申告をしない人(年末調整だけで終わる人)の内、給与所得以外の所得(利益)が20万円以下と言う場合、わざわざ確定申告をしなくてもよい。という規定があります。

これは株の譲渡益に対しても当てはまります。給料の他に収入がなく、確定申告もしない人で、株の利益が20万円以下と言う場合は、確定申告をしなくてもよいのです。
当然ですが、確定申告をしないわけですから、税金を納める必要もありません。

つまり、特定口座で「源泉徴収なし」を選択していれば、年間で20万円以下の利益しか出なかった場合には税金は事実上非課税となるのです。

源泉徴収ありを選択している場合は、年間の利益の額に限らず20%が源泉徴収されることになりますので、年間で20万円以下の利益しか出ない人は、源泉徴収なしを選択する方がお得ということになります。株の税率は2014年以降20%となっていますので最大4万円の節税となるわけです。

 

株以外の利益がある場合や、他の理由で確定申告をする場合

この20万円以下の申告不要という規定は、お給料(給与所得)以外の収入の合計です。
株以外の利益があり、合算して20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
※ただし、源泉徴収されている所得(たとえば定期預金の利子所得など)は除く。

また、あくまでも「申告不要」というだけなので、別の理由で確定申告をする場合には株の利益が20万円以下でも申告する必要があります。
サラリーマンの方でも「サラリーマンでもできる節税方法・節税術のまとめ<2015年版>」などで挙げられているような控除の申告などで確定申告をすることもあるかもしれませんが、そのような場合には株の利益も合わせて申告する必要があります。

 

特定口座の源泉徴収区分の切り替えは可能

特定口座の税金の扱いについては、その年に特定口座内での売却や配当金の受け入れなどが発生していなければ区分の切り替えは可能です。
逆に、一度でも売却や配当の受け入れがあれば変更はできないので注意して下さい。

 

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。