投資全般・コラム

日本の国家破綻、財政破綻から身を守る資産防衛や資産運用術

default日本国債の格下げが行われました。個人的には悲観はしていませんが、財政赤字は巨大で格付けも下がってきている。日本の将来(ひいては自分の資産)が心配という方も多いかもしれません。今回は日本が将来的に国家破綻、財政破綻するかもしれないということを前提に考えた時の資産防衛や資産運用について考えていきたいと思います。

ある日、突然破たんするわけはない

まず、日本のような経済大国が、何の予兆もなく突然破綻するということはあり得ません。それに向かって様々な変化が起こり、最終的に破綻するという流れとなります。

大まかな道としては「長期金利の上昇」→「円安とインフレが進む」→「債務の膨張が止まらなくなり破綻」という流れとなるはずです。現状では(1)の段階も起こっていません。

では、最終的な国家破綻に備えるにはどのような運用がお勧めなのでしょうか?

 

基本は普通預金、短期の定期預金

まずはこれで十分です。国家破綻のリスクが高まる第1段は「長期金利の上昇」が起こります。長期金利が上昇すれば当然預金金利も上がります。普通預金や短期の定期預金ならこうした金利上昇に合わせて預金金利もアップしていきます。
短期の定期預金では新生銀行の2週間満期預金などが代表的ですね。
参考:新生銀行の2週間満期預金のメリットとデメリット

財政破綻が意識されだしても当初の金利上昇局面では元本保証の普通預金で運用していれば大きなリスクはありません。もちろん、銀行の破たんリスクも考えて預金額は1000万円までという部分は守る必要があります。

一方で金利が上昇することでダメージを受ける資産にはリスクがあります。代表的なものとして「不動産」や「長期の固定金利の債券」です。また、長期金利の上昇は株価に対してもマイナス要因となりますので「株投資」もお勧めできないということになります。

 

財政破綻がより深刻になってきたらどうする?

日本の財政破綻がより深刻となってきた。たとえば長期金利が上昇し、円安が進みそしてインフレ率も高まってきたというような局面です。このような局面では下記の様な金融商品がリスクヘッジに向きます。

 

物価連動国債

2015年からは個人投資家にも解禁される物価連動国債が挙げられます。国債への信任が下がるのに国債投資?と思われるかもしれませんが、財政破綻についてのリスクが高まるとハイパーインフレのような高いインフレとなると、元本も大きく上昇することになるので国家破綻リスクの高まりによるインフレ対策として有効です。

ちなみに、物価連動国債は逆にデフレになった場合には元本割れとなるリスクがあるということを知っておいてくださいね。

 

国債ベアファンド

国債ベアファンドは国債の価格が下がること(=長期金利の上昇)で利益が出るように設計されているファンド(投資信託)です。ベアとは弱気を意味し、ベアファンドを値下がり時に利益が出るようにショートポジション(空売りポジション)を取るファンドです。

国債ベアファンドはネット証券などで購入することができます。
中には国債ベアファンド(5倍型)のように国債価格変動の5倍幅で動くようなファンドもあります。

 

外貨預金やFX

財政破綻のリスクが高まると円は売られて外国通貨と比べて円安となります。円建て資産を持つのではなく外貨建て資産として資産を保有すれば、それだけ実質的な資産の目減りを減らすことができます。
この時考えたいのは2点あります。一つは為替コスト。日本の外貨預金は手数料が高すぎます。取引するのであればコストのやすいFXなどがお勧めです。
参考:FX取引業者の選び方

また、為替レートは日本の財政危機が意識されると円安に動くというのはセオリーですが、その時に発生する金利上昇は為替にとって円高要素でもあります。そのいった要素があることから日本の財政破綻が考え始められうと急激な円高、急激な円安といった具合に大きく為替レートが動く可能性も考えられます。外貨運用における資産防衛の注意点でした。

 

実物資産(ゴールドなど)

日本国内だけでなく海外でも評価される実物資産を持つことは有効な手段と言えるでしょう。ゴールド(金)などは代表的なものかと思います。有事の金とも呼ばれますしね。
金投資については実物を持つ以外にも純金積立やETFのように様々な方法で保有することができます。ETFの場合は取引コストも安いうえ換金(売却)
また、固定金利の住宅ローンで不動産を買っておくというのも一つかもしれません。金利が大きく上昇し、インフレになるとすればそれによって借金は事実上目減りすることになるからです。

 

最後の最後はどうする?

最後の最後になると国債は元本の償還や利払いもあやしくなってきますし、いくら預金していても預金が引き出せないという預金封鎖という事態に陥るかもしれません。

そういった場合は日本国内から資産を海外に移すという選択しかありません。前述の通りある日突然預金封鎖んということはあまり考えられません。それにいたる段階があるはずです。

すでに金融市場は相当にグローバル化しており、日本人が外国の銀行に口座を持つということは富裕層でなくても可能です。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。