先物取引・オプション取引

オプション取引は株式投資の保険取引。リスク回避のためのオプション取引活用方法

オプション取引というと、なにやらハイリスク取引とか投機的な取引だと考えていませんか?たしかにオプション取引は投機的な投資としても使うことができるのですが、実は「保険」としての投資が可能な商品となっています。

知識は必要ですが、活用できれば現物株取引のリスクヘッジに活用できる優秀な投資商品となっています。今回はオプション取引を活用した「保険的取引」について学びましょう。

オプション取引で、相場の下落リスクに備える

現物株をはじめとした株式投資をしている投資家にとって恐ろしいのは「相場の急落」です。直近では、リーマンショックや東日本大震災などによって株式市場は大幅な下落を経験しました。
こうしたことによって大きな損失を出した投資家も多かったのではないでしょうか?

こうした時、もし仮に「プットオプションを買っていたら」、相場の下落ダメージを小さくすることができたかもしれません。

プットオプションとは「売る権利」という意味です。
たとえば、日経平均先物オプションにおいて8000円のコールオプションというのは、日経平均を8000円で売ることができる権利という意味です。最低取引単位の1枚は1000倍ですので、日経平均を8000円で1000単位売ることができる権利となります。

仮に日経平均株価が7000円にまで下落した場合、8000円のプットオプションを1枚買っていた場合は「8000-7000」×1000=100万円の利益をえることができる計算となります。

オプションは「権利」ですので、オプションの買い手は「権利を行使しない」という選択ができるのが特徴です。たとえば、日経平均が8000円以上の場合、プットオプションを行使しないという選択ができるため、日経平均が上昇してもリスクはありません。

その代わり、オプションの買い手は「オプション料(プレミアム)」という料金をオプションの売り手に対して支払う必要があります。

実際の数字をみながら考えて見ましょう。

 

2012年12月限月のオプション取引でヘッジ取引

オプション取引や先物取引には限月というものがあります。簡単に説明すると2012年12月限月という場合、2012年の12月第2金曜日で清算されるオプションという意味になります。
今回の保険的な利用という意味の場合、保険適用期間と考えてもらっても結構です。

さて、2012年10月2日現在、12月限月の日経平均オプションのプット8000円は45円で取引されています。この45円がオプション料(プレミアム)です。
最低単位は1000倍なので1枚購入する場合は45000円のオプション料がかかることになります。

この45000円で8000円のプットオプションを購入すれば、先ほど説明したとおり日経平均株価が8000円以下となった場合のリスクヘッジが可能になるわけです。
なお、このオプションは12月の第2金曜日に清算(SQ)されるため、有効となる期間は当日までです。

ちなみに、このオプションはSQ前に売却することも可能です。たとえば、今日の段階で保険をかけてみたけど、その後やっぱり必要ないと感じた場合はオプション市場において売却することもできます。
その際の売却価格ですが、これはさまざまな要因で決まります。基本的には「日経平均が安くなっているほど」「日経平均のボラティリティ(値動き)が大きいほど」「残りの期間が長いほど」高く売れます。
場合によっては45円で買ったプットオプションがより高い値段で売れる場合もあります。この場合は売却によって利益を出すことも可能です。

 

期間を長くすれば保険期間は長くなるがオプション料も高くなる

ちなみに、オプションの保険期間を長くしたい場合、より先の限月のプットオプションを買えば長い期間の効果を期待することができます。
しなしながら、保険期間を長くすればするほどオプション料も高額になります。

たとえば、同じプット8000円のオプション料を見てみると
10月限月:2円
11月限月:16円
12月限月:45円
翌年3月限月:115円(取引未成立のため参考価格)

となっています。たとえば、10月限月のオプションならあと2週間弱しか期間がないわけで、その間に8000円の株価になる可能性は限りなく低いと考えることができますが、2ヶ月後の12月の場合は可能性は、まだ高いでしょう。このようにオプション料はその可能性を示しているわけです。

このように、オプション料は残り期間が短くなるほど価値が小さくなります。これを「タイムディケイ」といいます。オプション取引においてこのタイムディケイはとても重要な考え方なのでぜひ押さえておくようにしましょう。

オプションの一般的な取引状況としては限月が近いものの方が取引が活発に行われています。あまり期先のオプションは取引量が少ないので、提示価格も適正でない場合もあるので注意が必要です。

 

オプション取引は怖くない。でも複雑。

オプション取引はちゃんと仕組みとルールを知っておけば怖い投資ではありません。
むしろ、オプション取引は今回の説明のように、相場の急落や急上昇などに対するリスクをヘッジ(回避)するための取引なのです。

相場下落リスクのためのプットオプションの買い。逆に相場上昇リスクのためのコールオプションの買いなど、さまざまな相場の動きに対応できます。

ただし、オプション取引の場合、オプション料の仕組みなどはかなり複雑です。現物株や先物取引も知らずにオプション取引を始めるというのはちょっと無謀な気もしますが、株取引をワンランクアップさせる上で、オプション取引はとても有効な投資の一つです。
本ブログでも、積極的に取り上げていきますのでぜひ勉強していきましょう。

参考
オプション取引とは
日経先物取引講座

 

以上、オプション取引は株式投資の保険取引というオプション取引の本質について紹介しました。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。