ブックビルディング(Book Building)とは、新規公開株の公開価格を決める方法の一つです。需要申告とも呼ばれます。
多くの証券会社ではIPOの申込や抽選対象となるためにはブックビルディングをすることが条件となっています。なので、IPO投資(新規公開株投資)をするのであれば、ブックビルディングに申込をすることが、その第一歩となります。
今回は、そんなブックビルディングの仕組みや特徴、申し込み時の注意点などを紹介します。
もくじ
ブックビルディングとは何か?
ブックビルディングとは、新規公開株の公開価格(IPO当選者に配分するときの金額)を決めるための方法の一つです。IPOの流れは以下のようになっており、ブックビルディングはIPOに投資家が初めてかかわる部分となります。
- IPOの決定(東証による審査)
- 仮条件の決定(IPO価格の上限・下限が決まる)
- ブックビルディング(投資家による申し込み)
- IPO価格の決定
- IPOの抽選・配分の決定
- 購入
- IPO実施
ブックビルディングは(2)で決められた、いくら~いくらまでという仮条件の範囲内で「○○円で×××株を買う」という申告を投資家にしてもらうことで公開価格を決定するという方法です。
需要を積み上げていくことで、どのくらいの申込があり、どのくらいの金額でも買うといっているという注文を集めて、公開価格を決定します。
現状のようにIPO株が人気のタイミングでは、ほとんどの投資家が「上限価格」で申告するため、仮条件の上限が公開価格となることがほとんどです。
ブックビルディングへの参加方法と注意点
各証券会社では、IPOの抽選をするにあたって、ブックビルディング参加者(申告内容)をベースとしているため、ブックビルディング参加が条件となっています。
※ただし、対面証券の場合は必ずしもそうでない場合もあります。
ブックビルディングと幹事証券
IPO株はどの証券会社でも買えるというわけではありません。
IPO株は「主幹事証券」や「幹事証券」「委託幹事証券」といった証券会社に個別に配分され、各社に配分された分しか投資家に売ることはできません。一般にその会社のIPOに貢献したレベルが高い会社ほど配分も大きくなります。
主幹事証券>幹事証券>委託幹事証券
といった具合です。この辺りは、証券会社各社の引受力や営業力などによっても変わってくるところですね。過去の実績については以下の記事で紹介しているので、ランキング上位の証券会社を抑えておくことがIPO投資で配分をゲットする近道です。
ブックビルディングの申込期間
ブックビルディング期間はおおむね5日程度となっているので、その期間中が投資家がIPOに申込をすることができる期間となります。
この期間は各証券会社で共通となっています。後述する資金拘束などがある場合は、少し考えて申込をする必要がある場合があります。
複数の証券会社のブックビルディングに応募してもいいの?
上記でも紹介しています。制度趣旨的に言えば、需要申告が重複することになるので好ましくないといえます。
ただ、現実問題として多くの投資家は複数の証券会社でIPOのブックビルディングを行っていますし、それで複数当選ということもあります。
実需がどうこうという話であれば、申し込みをした株数は当選すれば全部買うつもりで、複数の証券会社で分割して申し込みをしたというのであれば、それは実需の申告なので問題ありません。
ブックビルディングに申込をするときに資金は必要?
これは証券会社によって異なります。ブックビルディングに申込時典でその分の資金が拘束されるところもあります。この場合、当落が確定するまで出金や別の株を買うことはできません。
この他、申し込み時には資金拘束はないけど、抽選時に当選相当額が入金されていないと抽選対象にならないという証券会社もあります。
まとめ。IPO投資の入り口、正しく理解して上手にIPO投資を
ブックビルディング(需要申告)についての基本からやり方までをIPO投資初心者のためにまとめてみました。
ブックビルディングはIPO投資の入り口です。正しく理解して過熱しているIPOの抽選競争に打ち勝ちましょう!