公募増資と売り出しの違い

a-daisy-1309932公募増資や公募売り出しは上場企業の株式が一般投資家に販売される方法の一つです。東証などの証券取引所を経由して売買される一般的な市場とは別に、増資や売り出しを引き受けた証券会社を通じて個人投資家が株式を購入します。

そうした株式の公募は先ほどから名前を出しているように「増資」と「売り出し」という二種類があります。同時に行われることもありますが、この二つは大きく意味合いが異なります。今回は株式の公募増資と公募売り出しの二つの意味の違いを説明していきます。

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増資とは?

増資(ぞうし)とは名前からわかる通し資本を増すことです。
上場する株式会社(A社)が新株を発行して投資家から資金を求めるものが増資です。

たとえば、A社が100万株(公募価格1000円)で増資をした場合、増資によって得られた資金である10億円は当該上場企業A社に現金として渡され、A社の資本金に組み込まれます。

こうして集めた資金をA社は増資の目論見書に書かれている通りの目的で利用します。つまり、増資は会社が資本金を新たに調達することを指します。

 

売り出しとは?

一方の売り出しは「すでに発行されている株式を、証券会社を通じて同一の条件で販売する」というものです。

たとえば、A社の大株主であるB氏が保有する株式100万株(公募価格1000円)を売り出した場合、その代金は当該株式を売却したB氏に支払われます。
A社自身には1円も入ることはありません。

ちなみに、売り出しと似た株の売却方法に「立会外分売」というものもあります。仕組み的にはほぼ同様でが、公募売り出しよりもより小規模な売却時に利用されることが多いようです。

 

増資と売り出しで株価への影響はどう変わる?

増資(公募増資)の場合新しく新株が発行されることになります。
発行済み株式総数が増加することになるわけです。結果的に、株式の希薄化が起こります。

株価指標としてよく利用されるPER(株価収益率)の計算のもとになる1株利益(EPS)や、同様にPBR(株価純資産倍率)の計算元となる1株純資産(BPS)などは低下することになりますので、増資によってそれ以上の収益性の向上などが見込めない場合は株価に対してマイナスのインパクトを与えることになります。

増資が与える株価に対する影響については「増資でなぜ株価が下がる?」でももっと詳しくまとめておりますので、こちらをご覧ください。

一方の売り出しのケースはどうでしょうか?売り出しは基本的に「すでに発行されている株式を市場外で売却する」ということに過ぎません。つまり、EPSやBPSには一切影響を与えることはありません。

そのため、売り出し自体が株価に与える影響は基本的に中立となります。

ただし、短期的には急激に株が市場に放出されるような場合は市場に売り物が出やすくなって株価を下げてくる可能性があります(需給の悪化)。一方で、大株主が保有する株のような「動かない株」が、市場に放出され個人投資家が売買できるようになることで浮動株が増加して流動性の向上が図られ株価にプラスとなる可能性もあります。

なお、公募増資と売り出しは同じタイミングで行われることも多いです。

 

以上、株式の公募増資と売り出しの違いを説明しました。参考になれば幸いです。

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